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ダウ続落127ドル安、利上げ停止後ろ倒し観測が重し
【市況】ダウ続落127ドル安、利上げ停止後ろ倒し観測が重し


3日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比127ドル93セント(0.4%)安の3万3926ドル01セントで終えた。

市場では、パウエルFRB議長の1日の発言を受けて、米連邦準備理事会(FRB)がインフレ抑制のために進めている利上げが終わりに近づいているとの期待が広がっていた。議長は金融政策会合後の記者会見で、「ディスインフレ(インフレ低下)のプロセスが始まった」などと述べていた。

朝方発表の1月の米雇用統計で雇用者数が市場予想を大幅に上回って増えた。労働市場の需給逼迫が改めて確認され、前日まで高まっていたFRBが早期に利上げを停止するとの期待が後退した。前日まで強かったハイテク株が売られ、相場の下げを主導した。

雇用統計では景気動向を映す非農業部門雇用者数が前月比51万7000人増と、前月(26万人増)と市場予想(18万7000人増)を大きく上回った。失業率は予想に反して3.4%と53年ぶりの水準に低下した。「労働需給は明らかに引き締まっており、3月と5月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げが続くとの見方が強まった」という。

米エコノミストは「1月の雇用統計は、FRBがまもなく利上げを停止するとの市場の期待に冷や水を浴びせた」とコメントした。

前日夕に発表した決算で高い利益率を維持したスマートフォンのアップルは2%上昇したが、それ以外のハイテク株は総じて売られた。雇用統計を受け、米長期金利が3.5%台に上昇(前日終値は3.39%)し、相対的な割高感が意識された高PER(株価収益率)のハイテク銘柄の重荷となった。

ダウ平均の構成銘柄ではソフトウエアのマイクロソフトと顧客情報管理のセールスフォースが下げた。構成銘柄以外では、前日夕発表の決算が振るわなかったネット通販のアマゾン・ドット・コムが8%安、ネット検索のアルファベットは3%安と下げが目立った。

ただ、ダウ平均の下値は堅く、上げに転じる場面もあった。3日発表の1月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は55.2と、好不況の分かれ目である50を上回った。米経済の底堅さに着目し、景気後退は避けられるとみた買いを誘ったようだ。

ナスダック総合株価指数は4日ぶりに反落し、前日比193.863ポイント(1.6%)安の1万2006.955で終えた。

ナスダックは週間では385.245ポイント(3.3%)高と堅調で、5週連続で上昇した。5週連続は2021年11月以来の連続上昇記録となる。

 

【シカゴ日本株先物概況】

3日のシカゴ日経平均先物は続伸した。3月物は前日比90円高の2万7620円で引けた。米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ停止時期が遠のくとの見方が重しとなり、続落した。ただ、3日の日本の株式相場が上昇した流れを引き継いだ。外国為替市場で円安・ドル高が進み、日経平均先物に買いが入りやすかった。






【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数

3日のFTSE100種総合株価指数は続伸した。前日に比べ81.64ポイント(1.04%)高の7901.80と、過去最高値で取引を終えた。世界的にインフレがピークアウトしつつあるとの見方やイングランド銀行(英中央銀行)が近く利上げを終了するとの観測から、楽観的な雰囲気が広がった。中国経済の再開による需要回復への期待も根強く、エネルギー株の上昇が指数を押し上げた。

個別銘柄では、インフレの鈍化や企業業績の改善期待から、小売りや医薬品、資源エネルギーなど幅広い銘柄に買いが入った。
大衆医薬品のヘイリオンが3.5%高と上昇率トップ。小売大手B&Mヨーロッピアン・バリュー・リテール(3.4%高)や石油大手シェル(3.3%高)、製薬大手アストラゼネカ(3.2%高)も堅調だった。ロイズ・バンキング・グループ(0.3%安)など金融関連株はさえなかった。



■ドイツ・フランクフルト株価指数

3日のドイツ株価指数(DAX)は4日ぶりに反落した。前日に比べ32.76ポイント(0.21%)安の1万5476.43で終えた。前日に欧州中央銀行(ECB)が想定より早く金融引き締めを終了するとの期待が強まり、大幅高となっていた反動で、利益確定の売りが出た。

個別銘柄では、ポルシェ(3.0%安)やフォルクスワーゲン(1.0%安)など自動車関連株が売られた。



■フランス・パリ株価指数

フランスCAC40種指数は0.94%高だった。金融政策、景気動向、企業決算を睨む展開となった。フランスの広告会社、ピュブリシス・グループは本年の見通し引き上げが好感され、2.8%高だった。



 
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