兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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「転機」
「転機」
 
「転機」
 
週末のNY株式市場は大幅安。
ハイテクセクター中心に売り物優勢の展開で主要株価指数は2%を超す下落となった。
週間では3月以来の大幅な下落。
ナバロ通商製造政策局長のコメント。
「米中が90日間の交渉期間内に合意できなかった場合は、米政府は関税の引き上げに動く」。
これを悪材料視し米中の貿易関係に対する懸念が高まった。
「米中貿易摩擦や米金利に対する懸念が市場の動揺につながった」との解釈だ。
S&P500の50日移動平均線が200日移動平均線を下回り短期的な弱気シグナルの「デッドクロス」。
週間ではNYダウが4.5%安、S&P500が4.6%安、NSDAQが4.9%安。
ダ ウ輸送株指数は週間で8%安。下落率は7年ぶりの大きさだった。
小型株中心のラッセル2000指数は週間で5.6%安と2016年1月以来の下落。
11月の雇用統計は、非農業部門の雇用者数が15万5000人増と前月の23万7000人(改定)から鈍化。
市場予想の20万人増を下回ったことから「2019年の利上げ回数が少なくなる」との見方につながった。
時間当たり平均賃金の伸びは前月比0.2%と前月の0.1%から拡大。
ただ市場予想の0.3%に届かなかった。
失業率は3.7%と、49年ぶりの低水準を継続。
結論は「失望感」。
2019年は2回以上の利上げの可能性は織り込まれなくなった。
10年国債利回りは2.857%。ドル円は112円台後半 での推移。
 
週末の日経平均は4日ぶりの反発。
寄り付き142円高、大歩危177円高。
前日までの3日間で1070円近く下げた反動から終始買い優勢の展開。
もっともその前7日続伸で積み上げた1067円は帳消し。
週間では約672円の下落。
週足は陰線。
NT倍率は13.38倍。
25日線からは1.3%、200日線からは2.8%のマイナスかい離。
騰落レシオは96.70%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲7.775%。買い方▲13.912%。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲ 4.04%。買い方▲19.23%。
空売り比率は45.2%で5日連続の40%超。
日経HVは16.5、日経VIは21.32。
日経平均採用銘柄のPERは12.15倍でEPSは1784円。
シカゴ225先物終値は大証日中比285円安の21335円。
高値21730円、安値21250円。
24か月線21352円が正念場だ。
ボリンジャーのマイナス2σ21383円で止まるかどうかも正念場。
気学では「転機をつくる重要日」。
 
S&P500採用企業の第3四半期決算は、前年同期比28.4%の増益見通し。
エネルギーセクターを除いた増益率は25.0%の見込み。
これまでに第3四半期決算を発表した500社のうち、利益がアナリスト予想を上回った企業の割合は77.2%。
長期平均の64%を上回り、過去4四半期平均の77%をやや上回る水準。
第3四半期の売上高は8.6%増加の見通し。
エネルギーセクターを除けば、増収率は7.4%の見込み。
売上高がアナリスト予想を上回った企業の割合は61.6%。
長期平均の60%を上回ったが、過去4四半期平均の73%は下回った。
第4四半期の1株利益について、悪化もしくは市場見通しを下回ると予測している企業は68社。
改善もしくは市場見通しを上回ると予測した企業は47社。
悪化を改善で割ったネガティブ/ポジティブレシオ(68/47)は1.4。
S&P500企業の今後4四半期(18年第4四半期〜19年第3四半期)の予想PERは15.8倍。
今週から第4四半期決算発表がスタートする。
 
土曜の日経朝刊を開くまで米雇用統計は頭の片隅にもなかったから、指標の流行り廃りは明確だ。
いつの間にか話題にもならないベージュブックのようなものかも知れない。
注意を惹いたのは「ファーウェイ、日本でも存在感。
中国通信機、政府が警戒」の記事。
「政府はファーウェイなど中国企業を念頭に調達方針を策定する。
中央省庁が情報通信機器を調達する際、安全保証のリスクを重視する。
政府や国民の重要情報が中国などに流れることを防ぐ」。
これは米中貿易摩擦の根幹でもある。
従来も情報は流れていたのかも知れない。
しかし、改めてこの問題がクローズアップされてきた。
もっとも水道の民営化や漁業法の改正など結構神経質な問題ながらすんなり通過というのも現実。
水道民営化で誰が得をするかといえば最終的にはインフラ工事大国フランスだろう。
そう考えると、ルノー・ゴーン氏逮捕と相討ちみたいに見えてくるのは気の所為だろうか。
日欧EPAが2月に発足するというタイミングでもある。
加えて興味深かったのは米SECの19年活動計画、
企業業績の四半期決算を巡って、市場参加者から幅広く意見を募るという。
夏にトランプ大統領が言い出したので致し方なくとう言う側面はあろう。
しかい絶対的にグローバルなルールに見えていた「四半期決算」。
これが絶対ではなく可変であるということだけは明確になった。
しかも「充填活動テーマ」のトップは「新しい投資家保護ルールの導入完了」。
証券会社や投資助言者に顧客優先を義務付けという中身だ。
これこそ「えっ」という感じ。
まだ顧客優先でない世界がアメリカ市場にあったのかという思いだ。
グローバルスタンダードの根源と思われていたアメリカンスタンダードはまだ砂上の楼閣だった。
蟷螂の斧と言っても良いかも知れない。
それを目指して錯覚してきた動きは「時価会計ルール」を含めて可変ということ。
ルールを組めるものが一番力を持っているということだけは古今東西不変の真実ではあるが・・・。
 
 
NYダウは558ドル安の24388ドル。
NASDAQは219ポイント安の6969ポイント。
S&P500は62ポイント安の2633ポイント。
ダウ輸送株指数は407ポイント安の9951ポイント。
SOX指数は3.74%下落。
3市場の売買高は87億株。
CME円建ては大証比285円安の21335円。
ドル建ては大証比280ポイント安の21340ポイント。
225先物大証夜間取引は日中比390円安の21680円。
ドル円は112.72円。
10年国債利回りは2.857%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ソレイジア・ファーマ(4597)・・・動兆
 
ソレイジア・ファーマに注目する。
同社はがん領域が主眼の創薬ベンチャー。
口腔内疼痛緩和剤がは5月に販売開始。
中国の経皮吸収制吐剤の販売開始準備や新規治験開始など開発費負担は継続し赤字幅拡大。
「SP01」(適応症:がん化学療法に伴う悪心・嘔吐、グラニセトロン経皮吸収型制吐剤)。
中国向け製品につき、販売代理店契約締結先の伊藤忠に対し出荷を開始。
リバウンド期待。
 


(兜町カタリスト櫻井)

 
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