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「悲観の中で」
「悲観の中で」
「悲観の中で」
 
「海外勢、日本株に悲観」という日経朝刊のスクランブルの見出し。
経済紙の弱気は相場の強さへの一里塚というアノマリーからするとめでたいのかも知れない。
「日本株が冬の時代に逆戻りしかねないとの懸念が広がっている。日本株は他の資産に比べ今後10年間にわたり出遅れるとの予想も出ている。最後の宴に日本株が参加できない可能性もある」。
踏んだり蹴ったりのような超弱気説の羅列になっている。
「悲観論を打ち破るような企業の変化が見えてこない限り、日本株の本格反転の道筋は描きにくい」。
文章は流麗だ。
しかし、企業の変化を見ることは出来ない市場関係者ばかりだったらどうするのだろう。
企業の変化が市場関係者に見えていたのならば2012年末からの日経平均の上昇は見逃すことはなかったろう。
あるいは2016年12月からの反騰も指を加えて見ていることもなかったろう。
大切なのは、文章ではなく、相場観だというのは自明の理だと思うのだが・・・。
 
例えば・・・。
昨日指摘したように(1)「米企業の日本式経営への回帰」。
あるいは今朝瞠目したように(2)「裁定売り残は記録的水準」。
さらに(3)今期通期業績は下期復活型。
そう考えると、本当に悲観論の時代なのだろうか。
「相場は悲観(絶望)の中で生まれる」。
この有名なテンプルトンシの格言を忘れてはいけない。
「Bull markets are born on pessimism, grow on skepticism, mature on optimism and die on euphoria.」
英語にすれば市場関係者に受け入れられるキャパは少し増えるのかも知れない。
 
興味深かったのは訪日外客数。
日本政府観光局が発表した7月の訪日外国人客数(推計値)は前年同月比5.6%増の299万1200人。
韓国からの旅行者は同7.6%減の56万1700人。
一方、中国からの旅行者は同19.5%増、フィリピンからは同30.5%増。
ベトナムからは同21.8%増など。
「韓国が減った分をほかの国が埋める構図」という見方だ。
実際、この頃見かけるのは中国系と欧米系の旅行者だ。
 
もう一つは米国のMMFの残高。
20日までの1週間でMMF資産は171億1000万ドル増加。
2009年10月以来の高水準となる3兆3280億ドルに達したという。
昨年末比では3570億ドル(12%)増加。
課税MMF資産は173億7000万ドル増の3兆1920億ドル。
非課税MMF資産は2億6190万ドル減の1356億9000万ドルとなった。
「世界経済の減速や貿易摩擦を巡る懸念を背景に、投資家が低リスク商品に資金を振り向けた」との解釈だ。
投資家心理というのはそんなに変わらないものなのかも知れない。
というか、底打ちサインの一つとも考えられよう。

(櫻井)
 
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