兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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「0.79倍と32.90倍のギャップ」
「0.79倍と32.90倍のギャップ」
 


「0.79倍と32.90倍のギャップ」
 
NY株式は大きく下げてからの巻き戻し。
NYダウは一時前日比211ドル安があってから急速に下落幅を縮小し終値は36ドル高と反発。
NASDAQも終値はマイナスながら安値からは100ポイント超戻した。
FOMCは0.25%利下げを決定。
ただ今後の追加利下げを実施についてほとんど手掛かりを示さなかった。
追加利下げを期待していた投資家が肩透かしを食らった格好で当初は売り物優勢。
パウエル議長が「FRBには必要に応じて積極的な措置を取る用意がある」とコメント。
玉虫色なコメントだがこれを受け株価は上向いた。
個別でフェデックスが12.9%下落。
ダウ輸送株指数の続落につながった。
10年国債利回りは1.799%。
2年国債利回りは1.764%。
その差は縮小。
ドル円は一時104.43円。
ドルは対円で7週間ぶり、対スイスフランでは3カ月ぶりの高値。
トランプ大統領はFRB日0.25%と小幅な利下げを決定したことにツイート。
根性なし。判断力なし。展望なし!恐ろしいほど意思疎通が下手だ。
ジェイ・パウエル(議長)とFRBは、またもやしくじった」。
VIX(恐怖)指数は13,68に低下。
恐怖と欲望指数は66ポイントにステイ。
 
 
2年ぶりの日経平均11連騰はならず11日ぶりの反落。
寄り付き13円高、大引け40円安で日足陰線。
前日終値を挟んで値幅95円の狭いレンジでの動きに終止した格好。
「前引けまではプラスで、総じて動意も乏しかっただけに残念な動き」という見方だ。
FOMCを控えて腰が定まらなかったというところだろう。
マザーズ指数は小幅下落。
ジャスダック平均は小幅上昇。
東証1部の売買代金は2兆2374億円。
値上がり602銘柄、値下がり1466銘柄。
新高値79銘柄(前日132)と2ケタに減少。
新安値6銘柄。
騰落レシオは126.18。
NTレシオは13.67倍。
25日線からは4.9%、200日線からは3.5%のプラスかい離。
サイコロは10勝2敗で83.3%。
松井証券信用評価損益率速報で売り方▲9.762%。
買い方▲10.737%と逆転。
マザーズ銘柄ネットストック信用評価損益率で売り方▲2.098%。
買い方▲18,554%。
空売り比率は41.7%で128日連続40%超。
今日は129日ぶりの40%割れに期待したいところ。
9月13日時点の信用売り残は1453億円増の1兆1048億円。
1兆円台に乗せてきた。
同信用買い残は1342億円減の2兆748億円。
4週連続の減少で2016年11月以来の低水準。
ちなみに・・・。
日経レバ(1570)の信用売残は362万株、同信用買い残は285万株。
信用倍率は0.79倍と売り長。
一方で日経ダブルインバースの信用売り残は4176万株、同信用買い残は126万株。
信用倍率32.90倍。
このアンバランスな需給の解消が株高の背景にもなってこようか。
日経HVは13.8、日経VIは16.79。
日経平均採用銘柄のPERは12.49倍。
EPSは1758円。
PBRは1.10倍でBPSは19964円。
シカゴ225先物終値は大証日中比110円高の21910円。
高値21915円、安値2175円。
大証夜間取引終値は日中比110円高の21910円。
現物換算で22070円水準。
17日高値22041円は超えて来よう。
SQ値21981円は昨日下回ったが回復だ。
200日線(21216円)は明確に上向いてきた。
25日線(20929円)の上昇角度は急速。
あと5日もすると200日線を上抜けゴールデンクロスの可能性も出てきた。
紙芝居の形は悪くない。
ボリンジャーのプラス2σが22016円、プラス3σが22560円。
4月23日高値22334円への挑戦権はまだ残っている。
気学では「変化注意日。後場の足取りに注意肝要」。
金曜は「下放れると後場は戻す日。悪目買い方針」。
 
世界の株式市場は壮大な誤解と錯覚を続けているのではなかろうか。
それは低金利と自国通貨安が自国株高をもたらすという期待感だ。
まずは人類初のマイナスにまで突入した低金利。
トランプ大統領は0.5%の引き下げをしなかったパウエル議長を「しくじった」と罵倒した。
市場も「必要に応じて積極的な措置を取る」という曖昧模糊とした発言に反応。
ないものねだりの金利低下に希望をつなぎ株は戻した。
しかし低金利は本当に株高なのだろうか。
このところの日米株を見ていると、金利上昇局面での株高という気がしてならない。
市場が望んでいる金利低下は実は株安になるという側面は指摘されないが事実だ。
となると、もう金利で株式を云々する伝統的相場思考は過去の異物なのかも知れない。
安全資産としての債券と位置づけも怪しくなってきた。
マイナス金利の債券を買うという行為はどう考えてもキャピタルゲイン狙いのババ抜きゲーム。
インカムではなく値上がり期待の債券投資というのは株式投資とリスクは一緒だ。
債券だから安全という神話は崩壊しているにも関わらず債券思考の世界。
これはどこかでバブル崩壊として間違いなく破綻する筈だ。
「無リスク資産、リスク資産という区分けは意味をなさない」となっている。
IMFが指摘しているように、世界の貯蓄と投資の差額は2004年以降貯蓄超過。
その差額は4.6兆ドル(500兆円)だという。
これは機関投資家でも法人でも個人でも一緒だろう。
「個人消費の拡大のために経済政策が必要だ」という市場関係者は多い。
しかし消費が拡大しないのは貯蓄思考だけでなく「買いたいものがない」という現実だろう。
もう先進国は満ち足りているというのが現状。
新製品・新技術・新サービスが登場すれば、積もりに積もったマネーは一気に消費に向かうはず。
ここの論点がない。
政府を攻めるのではなく、新業態を演出しえない企業を鼓舞するべきだろう。
興味深い指摘。
「財政リスクは金利低下材料」。
財政赤字拡大は金利急騰を招くというのが定説。
しかし現実は財政赤字拡大は中央銀行の国債買い入れ策などで金利低下要因となっているのが現実。
その代表が日本だろう。
GDPの2倍以上の借金があっても金利はマイナス。
円は安全資産として買われる。
これ以上の喜劇はない。
「金利は経済成長率と時間選考率の和」。
「今の消費と未来の消費のどちらを重視するのか」という指摘がある。
時間選考率が低く将来を重視するから金利は低下というのは理解できる。
日経「大機小機」では「円高恐怖症を考える」。
結論は「円高を恐れるのはもっぱら旧来の国内生産・輸出型の企業を前提としたもの。
時代の流れに逆行するものだと言える」。
自国通貨が売られて繁栄した国は歴史上ない。
自国通貨が売られて零落した国家はいくつもある。
そう考えると、30年来の円安待望論はそろそろ影をひそめるべきだろう。
昭和バブルは円高とカネ余りとともにやってきたのが歴史でもある。
 
証券会というのは長年「仮需の創造」を求めてきた世界。
現物の3倍の商いができるので信用取引を推進してきたし、手数料の高いデリバに走った。
これは今も変わらないだろう。
本来現物の世界に先物やオプションを取り入れて商いの拡大に励んでいる。
しかし・・・。
どうもこの仮需の世界から実需の世界に市場の中心は移行しているような気がする。
セミプロは信用とデリバ。
素人筋でも日経レバやダブルインバースなどへの投資も目立つ。
ただ大きな流れの人生100年時代計画で登場してきたのは現物思考の少額積立投資。
波がここで渦巻いているのだから、「細かい」とか「儲からない」と言っていると話は進まないだろう。
 
今年世界株で一番上昇しているのはロシアの29%。
次がNASAQの23%。
上海が19%だ。
NYダウ、独、仏と2ケタの上昇。
豪州、イタリア、ブラジル、台湾、トロントも2桁だ。
日経平均上昇率は9%。
それ以下は英国、香港、南アフリカ、タイ、インドネシア、韓国、シンガポール、メキシコ。
なんなかの政治的課題のある国が劣後している。
そう考えると中途半端な日本というのはどういう位置づけになるのかが結構難しい。
 
NYダウは36ドル高の27147ドルと続伸。
一時26899ドルまで200ドル超下落してからのプラ転だった。
NASDAQは8ポイント安の8177ポイントと反落。
S&P500は1ポイント高の3006ポイントと続伸。
ダウ輸送株指数は129ポイント安の10576ポイント。
SOX指数は0.08%の上昇。
VIX指数は13.96。
3市場の売買高は67億株と減少(過去20日平均は69億株)。
225先物CME円建ては大証日中比110円高の21910円。
ドル建ては大証比日中比145円高の21945円。
ドル円は108.44円。
10年国債利回りは1.799%。
2年国債利回りは1.764%。
 
 
◇━━━ カタリスト━━━◇
 
ピーアンドピー(7804)・・・動兆
 
ピーアンドピーに注目する。
同社は業務用インクジェットプリンタ使ったデジタル印刷に特化。
24時間生産体制や短納期が強みだ。
インテリア商社のサンゲツと連携し建材のデジタル印刷に本格参入。
印刷業と見ると見間違えようか。
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3D印刷など新分野へ拡大基調。
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期待材料は多い。
印刷技術を活かしたホテルや商業ビルへの内装事業への進出も新たな展開だ。
放置された今年IPO銘柄という印象。

(兜町カタリスト櫻井)
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