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NYダウ反落142ドル安、原油高や中国の景気減速懸念で
【市況】NYダウ反落142ドル安、原油高や中国の景気減速懸念で
 
16日のNYダウ工業株30種平均は9営業日ぶりに反落した。前週末比142ドル70セント安の2万7076ドル82セントで終えた。
サウジアラビアの石油施設が14日に無人機の攻撃を受け供給への懸念で原油先物相場が急伸し、企業の生産などのコスト増や個人消費の減退を懸念した売りが優勢になった。
 
国営石油会社サウジアラムコの石油関連施設が14日、無人機の攻撃を受け、同国の産油量のおよそ半分に当たる日量570万バレルの生産が停止。国際石油市場では供給不安から原油価格が急騰した。米中の通商摩擦激化で減速している世界経済の成長を原油高が一段と押し下げるとの懸念から、世界的に投資家のリスク回避姿勢が強まった。
 
生産コスト増加に対する警戒感から、日用品のプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)や医薬品・日用品のジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が売られた。ガソリン価格高騰が消費を抑えるとの警戒感からウォルマートなど小売株にも売りが膨らんだ。米長期金利の低下を受けて金融のゴールドマン・サックスなど幅広い銘柄が売られた。下げ幅は一時186ドルまで広がった。
 
また、中国政府が16日発表した8月の経済指標によると工業生産の伸びがリーマン・ショック直後以来の低水準となった。小売売上高の伸びも縮小しており、中国経済の減速懸念が一段と強まった。中国関連とされる工業製品・事務用品のスリーエム(3M)や建機のキャタピラーも下げた。
 
一方、原油高で、石油関連企業には米国内のエネルギー開発が広がるとの思惑から買いが膨らんだ。ダウ平均の構成銘柄ではシェブロンやエクソンモービルが買われ、下値を支えた。
 
セクター別では、エネルギーや不動産が上昇する一方で自動車・自動車部品や家庭用品・パーソナル用品が下落した。
 
ナスダック総合株価指数は続落した。前週末比23.170ポイント安の8153.543で終えた。消費鈍化や運送コストの増加に対する警戒感から、アマゾン・ドット・コムが売られた。マイクロソフトやアルファベット、フェイスブックといった主力株も売られた。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
27,076.82−142.70
S&P500種
2,997.96−9.43
ナスダック
8,153.543−23.170
NY金(ドル/トロイオンス)
1,511.50+12.00
NY原油(ドル/バレル)
62.05−0.85
円・ドル
108.10 - 108.11+0.15
 

【シカゴ日本株先物概況】


シカゴ日経平均先物は9営業日ぶりに反落した。
12月物は前週末比125円安の2万1745円で取引を終えた。大阪取引所の終値を55円下回った。
サウジアラビアの石油施設が攻撃を受け、原油供給減少の懸念から原油相場が急騰した。米企業のコスト増や消費の減退を招き、景気減速につながるとの見方から米株式相場が下落し日経平均先物もつれて安くなった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21745 ( -55 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21790 ( -10 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7321.41(-46.05)
FTSE100種総合株価指数は5営業日ぶりに反落した。前週末の終値に比べ46.05ポイント安の7321.41で引けた。
サウジアラビアが国営石油会社に無人機攻撃を受け、原油生産が半減する事態となった。これを受け、石油会社株は値上がりしたが、その他の銘柄は原油急騰に伴う景気減速懸念から総じて売り優勢となった。
また、中国での収益依存度が高い銀行株など金融株と鉱業株は軒並み下落した。16日発表の8月の中国の経済指標で工業生産や小売売上高などの伸びが前月比より低下し、中国経済の減速を意識した売りが広がった。構成銘柄の8割が下落した。
 
個別銘柄では、クルーズのカーニバルや航空のインターナショナル・エアラインズ・グループが安かった。原油高による燃料費などのコスト増が収益圧迫につながるとの見方が売り材料視された。英保険大手プルーデンシャルが3.5%安、ロシア鉄鋼大手エブラズは3.3%安、英航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスは3.2%安、保険会社セントジェームズ・プレイス、セメント大手CRH、欧州航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は各2.7%安だった。
 
半面、原油高による収益改善を見込んだ買いで石油株が大幅上昇した。BPは前週末比で4%上げた。景気動向に左右されにくい公益事業株も買われた。衣料小売りのネクストはアナリストが目標株価と投資判断を同時に引き上げたことを手掛かりに上昇した。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12380.31(-88.22)
 
ドイツ株式指数(DAX)は9営業日ぶりに反落した。終値は前週末と比べて88.22ポイント安の12380.31だった。
サウジアラビアの石油施設への攻撃を受けて中東情勢の緊迫化への警戒感が強まり投資家心理を冷やした。欧州各国の株式相場は軒並み下落した。
 
個別では、原油の急上昇を背景に燃料費の高騰が業績を圧迫するとの見方から航空のルフトハンザの下げが目立った。ドイツ長期金利の低下を受けてドイツ銀行も下げた。一方でオンライン決済サービスのワイヤーカードが上げた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5602.23(-53.23)
フランスの株価指数CAC40前週末で1%近く下落した。
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