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NYダウ799ドル安と3日ぶりに反落、景気と米中摩擦への懸念
【市況】NYダウ799ドル安と3日ぶりに反落、景気と米中摩擦への懸念
4日の米株式相場は3営業日ぶりに反落し、NYダウ工業株30種平均は前日比799ドル36セント安の2万5027ドル07セントで終えた。下げ幅は10月10日以来、約2カ月ぶりの大きさだった。
 
米中貿易戦争が「一時休戦」となった安心感から前日は大幅高となったが、この日は反動の利益確定売りが先行した。キャタピラーやボーイングなど中国事業の比率が高い銘柄が売り込まれた。トランプ米大統領が「私はタリフ・マン(関税が好きな男)だ」などとツイートし、貿易摩擦解消の向けた対中協議が不調に終われば、追加関税も辞さない構えを改めて示したことも、相場の重しとなった。
中国への収益依存度の高い建機のキャタピラーや航空機のボーイングが売られ、2銘柄でダウ平均を180ドルあまり押し下げた。
 
午後に入ると、前週末に3%を割り込んだ米10年債利回りが一段と低下。
米債券市場で3日に3年債の利回りが5年債利回りを11年ぶりに上回り、2年債と10年債の利回り差も2007年7月以来の水準まで縮小した。期間の長い利回りが短い利回りを下回る「逆イールド」は1990年や2001年、07年の景気後退の前に起きており、景気拡大局面の終わりが近づいているとの観測を誘った。
 
短期金利で資金を調達し、長期金利で貸し出す金融機関の利ざやが悪化するとの観測も誘った。ゴールドマン・サックスやJPモルガン・チェース、バンク・オブ・アメリカなど金融株に売りが膨らんだ。業種別S&P株価指数の「金融」は4.4%安と11業種中で下落率が最大だった。
 
アナリストが目標株価を引き下げた物流のUPSとフェデックスが大幅に下落した。空運や物流関連の主要銘柄で構成する「ダウ運輸株平均」は一時5%あまり下落した。ダウ運輸株平均は米国内外の景気の先行指標とみなされており、急落が投資家心理を冷やした。
 
投資家心理を測る指標とされる米株の変動性指数(VIX)は前日比で26%上昇した。11月23日以来ほぼ1週間半ぶりに、不安心理が高まった状態とされる20を上回った。
 
セクター別では公益事業を除いて全面安となり、特に半導体・半導体製造装置や銀行の下落が目立った。
 
ナスダック総合株価指数は283.086ポイント安の7158.426で終えた。アナリストが投資判断と目標株価を引き下げたアップルが売られ、アマゾン・ドット・コムやアルファベット(グーグル)、ネットフリックスなどの主力株が軒並み大幅安となった。
 
 
個別銘柄では、運輸・宅配のフェデックス(FDX)やユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、モルガン・スタンレーによる目標株価引き下げを受けて、ともに軟調推移した。ディスカウントストアのダラー・ゼネラル(DG)は、通期見通しを下方修正し下落。携帯端末のアップル(AAPL)はHSBCによる投資判断引き下げを受け売られた。
 
一方で、自動車部品小売のオートゾーン(AZO)は、決算内容が好感され上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,027.07−799.36
S&P500種
2,700.06−90.31
ナスダック
7,158.426−283.086
NY金(ドル/トロイオンス)
1,239.60+13.60
NY原油(ドル/バレル)
52.61−0.34
円・ドル
112.76 - 112.77−0.36


 

【シカゴ日本株先物概況】

シカゴ日経平均先物は大幅反落した。
12月物は前日比1025円安の2万1610円と、4日の大取終値を460円下回った。米中貿易摩擦の先行きや、世界景気の減速に対する懸念が広がり、米株とともに売られた。
円高も売り材料になり、12月物は一時2万1575円まで下げた。高値は2万2635円だった。
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
21610 ( -460 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
21610 ( -460 )
( )は大阪取引所終値比



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7022.76(-39.65)
FTSE100種総合株価指数は反落した。前日の終値に比べ39.65ポイント安の7022.76で引けた。
朝高で始まったものの、その後は利益確定売りに押された。
米中貿易交渉の具体的な進展に懐疑的な見方が広がり、欧州各国の株式相場が下落した。この流れが英国にも波及した。構成銘柄の約7割が下落した。
 
個別銘柄では、ギャンブル事業のGVCホールディングスは6%超下落した。航空・防衛のBAEシステムズは、アナリストによる株価目標引き下げが響いて5%下がった。建設資材のファーガソンも大幅安。第1四半期は大幅増益となったものの、通期利益がアナリストの予想範囲内にとどまるとの見通しを示したことなどが嫌気された。梱包材メーカーのスマーフィット・カッパ・グループの値下がりも目立った。
 
半面、原油高を受けて石油株は買われた。金相場が上昇したことから、関連のフレスニージョが3.7%高、ランドゴールド・リソーシズも3.1%高と上がった。通信のBTグループは、ゴールドマン・サックスが投資判断と株価目標をともに引き上げたことが好感され上昇した。新たな最高財務責任者(CFO)を指名したソフトウエア開発のセージ・グループの値上がりも目立った。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 11335.32(-130.14)
ドイツ株式指数(DAX)は反落した。終値は前日と比べて130.14ポイント安の11335.32だった。米中貿易交渉の具体的な進展に懐疑的な見方が広がり、欧州各国の株式相場が下落した。
 
個別では、ドイツでは、航空のルフトハンザが6%超下落した。複数のアナリストが投資評価を引き下げたタイヤのコンチネンタルも大幅安となった。素材メーカーのコベストロの下げも目立った。
半面、工業用ガスのリンデと日用品のバイヤースドルフは買われた。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 5012.66(-41.32)


 
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