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255円安と反落、金融大手の経営不安受け
東証プライム市場(前引け)=255円安と反落、金融大手の経営不安受け

 
16日午前の日経平均株価は反落し、前引けは前日比255円09銭(0.94%)安の2万6974円39銭だった。
取引時間中に日経平均が節目の2万7000円を下回るのは1月23日以来となる。
 
きょう前場は、前日の欧州株市場で主要国の株価が急落したことや、米国でも金融株や景気敏感株を中心に売りに押されNYダウが反落したことを受けリスク回避の売りが優勢となった。日経平均は朝方に600円近い下げをみせる場面もあったが、売り一巡後は下げ渋る動きをみせた。
前日に経営不安が取り沙汰されるスイスの金融大手クレディ・スイス・グループ 株が暴落し過去最安値を更新したが、同社は日本時間午前にスイス中銀から日本円にして最大7兆円強の資金を調達する用意があると発表、これを受け先物を絡めたインデックス買いで日経平均は下げ幅を縮小している。ただ、個別ではプライム市場の9割の銘柄が下落するなど極めて売り圧力の強い地合いだった。
 
米銀の経営破綻をきっかけにした金融システム不安が欧州でも広がり、海外投資家などが運用リスクを回避する目的の売りを日本株にも膨らませた。銀行株や保険業などの下げが目立った。
 
日本時間16日午前にクレディ・スイスが資金調達策を発表。スイス国立銀行(中央銀行)から最大500億スイスフラン(約7兆1000億円)の資金を借り入れるオプションを行使する意向とし、流動性低下への懸念がいったん和らいだ。これを受けて株価指数先物などに買い戻しが入り、日経平均も急速に下げ渋った。
 
市場では「銀行の破たんをきっかけとした下落は、業種内だけではなく他の業種への影響も警戒されることから、調整が長引く可能性もありそう」と慎重な声が聞かれた。
 
大幅下落で始まった日経平均は寄り付き直後から下げ幅を縮め、一時2万7000円を回復するも、その後再び同水準を割り込むなど戻りの弱さも見られている。先週末の米シリコンバレー銀行(SVB)の一件から連日で悪材料が相次いでいることもあり、市場の疑心暗鬼は簡単には止みそうにないだろう。
今晩は欧州中央銀行(ECB)の定例理事会が開催される。これまでFRBと同じようにタカ派な姿勢を見せていたECBが、今回の一連の問題を受けて、どのように姿勢を変化させるかに注目したい。



 
 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆9614億円、売買高は9億3512万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1638と、全体の9割近くを占めた。値上がりは174、変わらずは25銘柄だった。
 
業種別株価指数(33業種)は鉄鋼、保険業、銀行業、鉱業、証券・商品先物取引業の下落率が大きかった。上昇は情報・通信業のみ。
 
個別では、三菱UFJフィナンシャル・グループ、三井住友フィナンシャルグループなどメガバンクが安く、第一生命HDや三井住友トラ、JFE、板硝子、日本製鉄も大きく値を下げた。ファーストリテイリングも売りに押されている。アーレスティが急落、ダイコク電機も大幅安。三井物産、三菱商事など商社株も安い。
 
半面、レーザーテック、アドテストや東京エレクトロンなど半導体製造装置関連株が買われ、キーエンスも高い。メルカリも堅調だった。キャリアリンクが急騰、TOKYO BASE、ニーズウェルも値を飛ばした。ZHDやサイバーも高い。

 
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