一進一退の展開か
一進一退の展開か |
昨日の米株安と米長期金利上昇が直接の材料となり朝から売り優勢の展開となった。円相場が1ドル=108円台(8カ月ぶり)に入ったが材料視されず、その後は下げ幅を620円超まで拡大した。しかし、後場からは時間外取引の米株先物やアジア株の戻りに応じて値を戻し、日銀のETF買い期待などもあって急速に値を戻している。トピックスは反発する強さだった。
今週は、軟調となった。3月相場に入り、1日の日経平均は700円近い大幅上昇となった。
しかし、翌2日に節目の3万円に迫ったところで失速すると、以降は下げ基調が強まった。米国で長期金利が再び上昇し、これに対して米国株に不安定な動きが見られたことが警戒材料となった。ハイテクを中心にまとまった売りが出てくる中、4日は600円を超える下落となり、2万9000円を割り込んだ。
ただ、5日は一時600円超下落しながらも終値では2桁の下落にとどめるなど、押し目ではリバウンド狙いの買いも入った。
日経平均は週間では約101円の下落となり、週足では2週連続で陰線を形成した。
来週は、一進一退の展開か。
翌週にFOMC(3/16〜17)と日銀金融政策決定会合(3/18〜19)が控えている。足元で米長期金利の動向にマーケットが大きく振り回されているだけに、これらの中央銀行イベントが強く意識されることになるだろう。
現状水準から一段と下げてリスクオフムードが強まった場合には、FRBや日銀がストッパーになるとの見方が強まる。かといって、そういった期待から前のめりで買いが入るようなら、戻り売りが上値を押さえる可能性が高い。結果、上下どちらかに大きく振れたとしても、週の中でそれを修正する動きが出てくると予想する。方向感が出づらい中、物色もグロースとバリューの綱引きのような状況が続くだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(5日現在)
30306.45 ボリンジャー:+2σ(13週)
30084.15 新値三本足陽転値
30067.22 ボリンジャー:+1σ(25日)
29383.35 均衡表転換線(日足)
29301.78 25日移動平均線
29253.89 ボリンジャー:+1σ(13週)
29231.87 6日移動平均線
29172.16 均衡表基準線(日足)
28864.32 ★日経平均株価5日終値
28858.35 均衡表転換線(週足)
28536.33 ボリンジャー:-1σ(25日)
28530.26 ボリンジャー:+1σ(26週)
28201.33 13週移動平均線
28074.72 均衡表雲上限(日足)
27834.08 75日移動平均線
27770.88 ボリンジャー:-2σ(25日)
27148.77 ボリンジャー:-1σ(13週)
27062.60 均衡表雲下限(日足)
27005.43 ボリンジャー:-3σ(25日)
26796.62 均衡表基準線(週足)
26222.19 26週移動平均線
ローソク足は小陽線で終了。極端に短い上ヒゲと長い下ヒゲを伴う「カラカサ」を描き、短期的な底打ちを示唆している。下向きの5日線は25日線を下回ったが25日線自体は上向きをキープしており、厳密にはデッドクロスではない。
ただ、5日線や一目均衡表の転換線が下降を続けており、依然として上値は重そうだ。RSI(14日ベース)は44.06%(昨日44.24%)、東証1部の騰落レシオ(25日ベース)は107.13%(昨日106.63%)といずれも中立圏にあり、気迷いが生じやすい価格水準で週末を迎えた格好。