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587円安と大幅反落、先物主導で下げ幅拡大
東証プライム市場(前引け)=587円安と大幅反落、先物主導で下げ幅拡大

 
28日午前の日経平均株価は大幅反落し、前引けは前日比587円36銭(2.21%)安の2万5984円51銭だった。取引時間中に心理的な節目の2万6000円を下回るのは7月4日以来。
きょう前場の東京株式市場は朝方から売りに押される地合いだったが、前場後半になると先物主導で下げ足が一気に加速した。世界的なインフレを背景にFRBをはじめ各国中央銀行の金融引き締め策が長期化するとの懸念が、リスク回避目的の売りを誘発し、先物を絡めた仕掛け的な売りで日経平均は一気にフシ目の2万6000円大台を割り込む展開に。下げ幅は600円を超える場面があった。
 
27日のNYウ平均は0.4%安の2万9134ドルと連日で年初来安値を更新した。金融引き締め観測を背景に長期金利が約12年ぶりの水準まで上昇し、景気下押し懸念が高まった。東京市場でも海運株や自動車株といった景気敏感株を中心に売りが強まった。
 
朝方は下げ渋る場面もあったが、次第に下げ足が加速した。一部メディアが米アップルの新型スマートフォン「iPhone」の増産計画撤回のニュースを伝えたのも投資家心理を冷やした。期待された需要が実現しなかったためといい、電子部品株が一段安となった。
 
市場からは「これほどの下げは予想していなかったが、ユーロ安、米長期金利上昇、アップルの新型iPhoneの増産計画断念報道、さらにアジア株安など複合的な下げ要因が響いたようだ。配当再投資期待で買った向きの投げも出ているのではないか。ただ、短期的には今週がボトムになるとみている」との声が聞かれた。
 
東証株価指数(TOPIX)は大幅に反落した。午前終値は前日比32.23ポイント(1.72%)安の1840.78だった。

 
前引け時点の東証プライムの売買代金は概算で1兆6003億円、売買高は6億9935万株だった。東証プライムの値下がり銘柄数は1627と、全体の約9割を占めた。値上がりは166銘柄、変わらずは43銘柄だった。
 
業種別株価指数は33業種全てが下落した。海運業、不動産業、倉庫・運輸関連業の下げが大きかった。
 
 
個別では、レーザーテック、ファーストリテ、ソフトバンクG、東エレク、ファナックなどの主力株、値がさ株が大幅安。郵船、商船三井、三菱UFJ、第一生命HD、日本製鉄、IHI、住友鉱など市況関連株も大きく下落。トヨタ自、日産自、三菱自、マツダなどの自動車関連、西武HD、JR東、JAL、三越伊勢丹、高島屋、マツキヨココ、エアトリのインバウンド関連も安い。スギHDは調剤事業の下振れ、アルプスアルやTDKも売られた。
 
 一方、三井物産、富士通、中外製薬が小幅ながら逆行高。上半期黒字見通しや中間配当の実施が好感されたトピー工業、業績予想の上方修正を発表したオンワードHDなどが大幅に上昇。アルツハイマー病治療薬「レカネマブ」の臨床試験で良好な進展が確認されたエーザイはストップ高買い気配のまま終え、同社と非独占的包括契約を締結しているシスメックスは急伸した。キーエンス、メルカリも売られた。
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