兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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「由緒正しく」
「由緒正しく」

「由緒正しく」
 
中国のGDPは前年同期比6.4%増。
小売売上高は前年同月比8.7%増。
工業生産高は8.5%増。
いずれも市場予想を上回っての着地。
これを受けて日経平均は一時100円高。
22345円まで上昇した。
東京の解釈はその程度。
明日のNYの解釈に期待したいところ。
 
トヨタ(7203)、富士通(6702)、ファナック(6954)、
キャノン(7751)、東エレ(8035)などが年初来高値更新。
「安定成長銘柄群」なんて解釈をしてくるのだろうか。
むしろ・・・。
「クラスA大作戦」の一環として考えたほうが良いのだろう。
日経朝刊で興味深かったのは「日銀、日本株最大株主に」の見出し。
2020年末にも日銀は公的年金を上回り日本最大の株主となる見通し。
そして・・・。
「機関投資家・外国人が主導してきた日本の資本市場は中央銀行が手動するこれまでにない段階に入る」。
3月末時点での日銀の日本株保有残は約28兆円。
東証1部の時価総額の4.7%相当だ。
このまま年6兆円ペースで行くと20年11月末には約40兆円に増加。
6%のGPIFを上回るという計算だ。
「戦後の持ち合い相場形成が第1幕。
その後の海外投資家主導が第2幕。
そして日銀主導の第3幕」。
70年の歴史はこう説明される。
リーマンショックの頃、日経平均は8000円レベル。
当時懇意にしていたある元日銀プロパーの理事氏は「日経平均は13000円あってもいい」と言っていた。
今は日銀保有株の簿価は18000円レベル。
だいぶ上がってきたが、OECDに「市場規律を損なう」と言われるほどでもないだろう。
良く考えておくべきは日本の最大の株主が日銀と公的年金だということ。
個別の日東電工やファナック、オムロン、日ハムなど10%超の株主だが、そんなことは小さいこと。
東京市場は、目先の利益に走るゼニゲバチックな投資層ではなく、時間をかけた市場形成のシンパに守られ始めたということだ。
ある事業会社の珍妙なコメント。
「株式報酬などで従業員の士気を高めようとしても日銀買いで株価が下がりにくいため効果が期待しにくい」。
株価が下がりにくいのならば、株価は上がるのだと考えない慎重さが目についた。
そして・・・。
日銀も公的年金も決してFXや仮想通貨、あるいはコモデティには投資していないという現実。
それだけ株式は資本主義国家の源泉であるということだ。
ペソとかリラとかへの投資ではなくあくまでも株。
あるいはパラジウムやトウモロコシではなくあくまでも株。
そして債券。
由緒正しい投資の世界を踏襲している以上、大きな間違いはないという思いかも知れない。
ということは・・・。
自信を持って証券市場に対峙することが求められてこようか。
「国策に売りなし」なんて格言では陳腐だが・・・。
 
今日は下げの特異日。
明日は上げの日。
そして金曜は変化日。
まもなく平成最後の商いがやってくる。
受け渡しベースでは来週火曜。
来週水曜からが令和の受け渡しだ。

(櫻井)
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