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NYダウ217ドル高、景気回復期待で
【市況】NYダウ217ドル高、景気回復期待で

30日のNYダウ工業株30種平均は続伸し、前日比217ドル08セント高の2万5812ドル88セントで終えた。米経済の回復を示唆する経済統計が発表されたことに加え、業績期待の高まった半導体など大型ハイテク株に買いが入り、指数を押し上げた。
 
ダウ平均は4〜6月期に3895ドル(17.8%)上昇した。四半期ベースの上昇幅では過去最大となった。上昇率では1987年1〜3月期(21.6%)以来の23年ぶりの大きさだった。
 
米調査会社コンファレンス・ボードが朝方発表した6月の消費者景気信頼感指数は98.1と、前月の85.9から上昇し、市場予想の91.8も上回った。米メディアによれば2011年以来の大幅上昇で、景気回復への期待が高まった。この日は月末・四半期末に当たり、調整目的の売りも出たもようだが、景気回復期待からの買いが上回った。
米シカゴ購買部協会が同日発表した6月の景気指数は4カ月ぶりに前月から改善した。
 
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長は午後の議会証言で米経済の再開や、消費と雇用の回復が「FRBが当初想定していたよりも早かった」との認識を示した。景気回復を可能な限り進める政策を継続する姿勢も示し、投資家心理の改善につながったとの見方もあった。
 
一方、ダウ平均は朝方に下落する場面があった。前日に500ドル超と大きく上昇した後とあって、目先の利益を確定する目的の動きが先行した。
 
ダウ平均はボーイングの下落が重しとなり、一時マイナス圏で推移。ノルウェーの格安航空会社が29日、ボーイング製旅客機97機の発注を取り消したとの発表が嫌気された。
米国の西部や南部で新型コロナウイルスの新規感染者が急増していることも、相場の上値を抑えた。また、中国による香港の統制強化などをめぐる米中関係悪化も、投資家の懸案事項となった。米連邦通信委員会(FCC)はこの日、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)を国家安全保障上の脅威と認定した。
 
セクター別では、半導体・同製造装置やエネルギーが大きく上昇した。
 
ナスダック総合株価指数は前日比184.61ポイント高の10058.77と続伸した。ネット通販のアマゾン・ドット・コムとソフトウエアのマイクロソフトが買われた。電気自動車(EV)のテスラは上場来高値を更新した。前日夕に発表した2020年3〜5月期決算が市場予想を上回った半導体のマイクロン・テクノロジーも大幅に上昇した。
 
 
NYダウ工業株30種(ドル)
25,812.88+217.08
S&P500種
3,100.29+47.05
ナスダック
10,058.766+184.613
NY金(ドル/トロイオンス)
1,800.50+19.30
NY原油(ドル/バレル)
39.86+0.59
円・ドル
107.95 - 107.97+0.23


 

【シカゴ日本株先物概況】


30日のシカゴ日経平均先物は小幅反落した。9月物は前日比50円安の2万2285円で引け、30日の大取終値を15円上回った。売り先行で始まった。
 
NYダウは、新型コロナ感染拡大への懸念や、6月シカゴ購買部協会景気指数が予想を下回ったことで下落して寄り付いた。しかし、6月消費者信頼感指数が予想以上の改善を示したことに加え、国立アレルギー・感染症研究のファウチ所長が議会証言で、ウイルスワクチンに関して楽観的な見解を示したことが好感された。
中国政府は30日、香港で統制を強める「香港国家安全維持法案」を可決し、米中関係の悪化が警戒された。その後は好調な景気指標を手掛かりに米株とともに日経平均先物も買われ、下げ幅を縮めた。
この日の9月物安値は2万2150円、高値は2万2420円。



【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6169.74(−56.03)
30日のFTSE100種総合株価指数は4日ぶりに反落した。前日の終値に比べ56.03ポイント(0.9%)低い6169.74で引けた。英政府統計局が30日発表した1〜3月期の英国内総生産(GDP)改定値が速報値から下方修正され、改めて景気悪化を意識した売りが出た。
 
米国のほか、英国でも中部の都市レスターで新型コロナウイルスの感染が再拡大しており、景気回復に遅れが生じるとの懸念が広がった。香港をめぐる米中対立も投資家心理を圧迫。ジョンソン英首相が景気対策を発表したが、株価指数はマイナス圏に沈んだ。
指数構成銘柄の約7割が下落した。
 
個別では英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルが4%近く下げた。同社が30日、資源価格の低迷で2020年4〜6月期に最大220億ドル(約2兆3800億円)の減損損失を計上すると発表したのが嫌気された。同業BPも2.4%安と連れ安した。航空大手インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は前日の大幅高から一転、3.6%安の大幅安となった。
 
半面、医療機器・精密部品大手スミスグループが8.8%高の急伸となった。
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 12310.93(+78.81)
30日のドイツ株式指数(DAX)は続伸した。終値は前日と比べて78.81ポイント(0.6%)高い1万2310.93だった。欧州では総じて経済活動の正常化に向けた動きが続いており、景気回復を期待する投資家の買いが優勢だった。
小売セクターに買いが入っているが、銀行セクターが売られた。
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 4935.99(−9.47)
 
 
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