不安定な展開か。
不安定な展開か。 |
今週は、大幅安となった。日経平均は週初こそ上昇したものの、11日から13日までの3営業日で2000円を超える下落。米国では金利上昇への警戒が強まる中、大型グロース株が大幅安となり、景気敏感株を中心にバリュー株にも売りが波及した。これを受けて東京市場でも、グロース株の投げ売りとバリュー株の利益確定売りで、全面安の様相が強まった。ソフトバンクGが国内企業で過去最高の純利益を計上したにもかかわらず、決算発表後に株価が急落したことも、リスクオフの流れを強めた。
日経平均は2万9000円、2万8000円といった節目の水準を次々に下に抜け、27300円台まで下落。14日には大幅高となって28000円台まで戻したが、週間では1273円安と4桁の下落となった。週足では陰線を形成した。
今週の日経平均は大きな下げとなり高値三角もち合いからの下放れを明確にしている。
13週移動平均線(2万9316円)に続いて26週移動平均線(2万8415円)も下抜いてしまい、中期的な上昇トレンドにも影響を及ぼしそうな状況。
日足のチャートで見れば下値2万7000円前後に大きな節目ができており、今回の下げはここで止まると今は見ているが、時価近辺での株価の戻りが鈍いようだと一時的にも割り込むことまで想定しておいた方が良いかもしれない。
来週は不安定な展開か。
米国株や米長期金利の動向に神経質となる地合いが続くと予想する。
指標に対する米国の株式・債券の動きが読みづらく、日米とも指数の振れ幅は大きくなると考える。来週、米国では5月ニューヨーク連銀景気指数、4月住宅着工件数、5月フィラデルフィア連銀景気指数など、注目度の高い指標の発表がいくつかある。
米長期金利が相場をかく乱しているため、19日に公表される4月開催のFOMC議事録に対する反応が大きくなることも想定される。国内の決算発表はほぼ一巡し、手がかり難となる。日経平均は今週の大幅安でチャート形状が悪化しており、米国株の反転がなければ弱い材料に対する反応が強めに出やすくなるだろう。
■上値・下値テクニカル・ポイント(14日現在)
29341.91 均衡表雲上限(日足)
29316.60 13週移動平均線
29246.19 75日移動平均線
29172.16 均衡表雲下限(日足)
29165.03 25日移動平均線
28935.02 均衡表転換線(週足)
28796.96 均衡表基準線(日足)
28782.06 ボリンジャー:-1σ(13週)
28565.15 ボリンジャー:-1σ(25日)
28535.22 均衡表転換線(日足)
28527.46 6日移動平均線
28415.70 26週移動平均線
28247.53 ボリンジャー:-2σ(13週)
28084.47 ★日経平均株価14日終値
28070.06 均衡表基準線(週足)
27965.27 ボリンジャー:-2σ(25日)
27712.99 ボリンジャー:-3σ(13週)
27365.39 ボリンジャー:-3σ(25日)
27168.49 ボリンジャー:-1σ(26週)
26364.23 200日移動平均線
25921.29 ボリンジャー:-2σ(26週)
24674.08 ボリンジャー:-3σ(26週)
ローソク足は下ヒゲのない「陽の寄り付き坊主」を描き、強い押し目買い圧力を窺わせた。大引けでは25日線との乖離率が-3.70%と売られ過ぎゾーンの-5%ラインを上回った。
一目均衡表では基準線と転換線がともに横ばいで引け、ボリンジャーバンド(25日ベース)では-2σ(28020.71円)ラインも回復、下値拡張リスクは一旦後退した模様だ。ただ、13週線は下向きに転じており、下値不安を残して週末を迎えた格好だ。