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【市況】ダウ続落、613ドル安 低調な米経済指標を嫌気 |
18日のNYダウ工業株30種平均は続落し、前日比613ドル89セント(1.8%)安の3万3296ドル96セントで終えた。
この日発表された一連の米経済指標が弱い内容だったことで米経済の先行き懸念が強まり、幅広い銘柄が売られた。昨年12月の卸売物価指数(PPI)、小売売上高、鉱工業生産のいずれも前月から低下し、低下幅は市場予想を上回った。
このうち、PPIの低下などはインフレの減速傾向を裏付けるもので、米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ抑制のために進めている利上げのペースを緩める判断につながる可能性がある。序盤はこうした期待が株価を下支えしたものの、景気悪化懸念の方が強く意識される中で、株価は終盤にかけて下げ幅を広げた。
午前にはダウ平均は100ドルあまり上昇する場面があった。取引開始前に発表された12月の米卸売物価指数(PPI)が前月比0.5%低下し、市場予想(0.1%低下)を下回った。米連邦準備理事会(FRB)が利上げペースを緩めるとの見方が強まった。
ただ、前週の12月の米消費者物価指数(CPI)もインフレ鈍化を示していたため反応は限られ、買い一巡後は売りが優勢になった。取引開始前に発表された12月の米小売売上高が市場予想以上に減り、12月の米鉱工業生産指数も市場予想を下回ったことで景気懸念が意識された。決算発表シーズンのさなかとあって「企業業績や見通しが弱含むとの警戒感が強まった」との声があった。
ソフトウエアのマイクロソフトが人員削減を発表し、ハイテク企業の経営環境の厳しさが意識されたのも投資家心理の重荷となった。
セントルイス連銀のブラード総裁が18日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙のインタビューで政策金利を「5%超のレンジに早く移行すべきだ」と主張した。FRBの積極的な金融引き締めが米景気悪化を招くとの見方も売りを誘った。
米経済の先行き不透明感からダウ平均では機械のハネウェル・インターナショナルや工業製品・事務用品のスリーエム(3M)など景気敏感株が売られた。飲料のコカ・コーラなど消費関連株も安い。アナリストが投資判断を引き下げたIBMの売りも優勢だった。
ナスダック総合株価指数は8営業日ぶりに反落し、前日比138.100ポイント(1.2%)安の1万0957.013で終えた。

18日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比220円高の2万6470円で引けた。日銀が金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の現状維持を決めたことで、大幅に上昇した。一時、2万6925円まで上げた。ただ、米国株式市場は下落した。過剰な利上げによる景気の減速懸念が強まるなか米国株が軟調となったことを受けて、次第に上げ幅を縮めた。
26470 ( -260 )
26515 ( -215 )
【欧州株式市場】
■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7830.70(−20.33)
個別では、構成銘柄の6割強が下落。通信大手BTグループが3.2%安と下落率が最も大きく、ヘイリオン(製薬大手グラクソ・スミスクラインから分離)が2.8%安、酒造大手ディアジオが2.6%安で続いた。一方、資源大手グレンコアは4.3%高と急伸した。
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15181.80(−5.27)
個別では、自動車部品大手コンチネンタルが3.0%安、不動産大手ボノビアが2.3%安、医薬大手メルクが2.2%安。半面、素材化学大手コベストロは2.4%高、航空機大手エアバスも1.9%高と買われた。
■フランス・パリ株価指数
CAC40 7083.39(+6.23)
良好な企業決算などを手掛かりに欧州株は堅調に推移した。