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NYダウ続落614ドル安 中国恒大問題を懸念
【市況】NYダウ続落614ドル安 中国恒大問題を懸念
20日のNYダウ工業株30種平均は大幅に3日続落し、前週末比614ドル41セント安の3万3970ドル47セントと2カ月ぶりの安値で終えた。
 
巨額債務を抱える中国不動産開発大手、中国恒大集団の経営危機が及ぼす影響をめぐり、市場では急速に懸念が高まった。この日は世界的に株価が下落した。米市場でも寄り付きから売り込まれ、主要株価指数は軒並み大幅安となった。
 
今週は米連邦公開市場委員会(FOMC)開催を控える中、利上げ前倒しへの警戒感がある中、増税案、米連邦債務上限引き上げに関する与野党対立も弱材料視された。リスク回避の動きが強まり、長期金利は低下し、安全資産とされる金や円は買われた。
 
資本財や金融など景気敏感株に加え、主力ハイテク株が売られた。21〜22日開催の米連邦公開市場委員会(FOMC)への警戒も重なり、ダウ平均の下げ幅は一時971ドルに達した。
 
過剰債務で資金繰り不安が強まる中国恒大の株価が20日、香港市場で一時2割近く下げた。香港ハンセン指数は3.3%安で終えた。中国の金融や不動産市場の混乱が海外にも波及する可能性が意識され、欧米株相場の下げにつながった。市場心理を測る指標となる米株の変動性指数(VIX)は一時28.79と5月以来の高さに上昇し、投資家の先安懸念を映した。
 
テクニカル上の「売りシグナル」が下げに拍車を掛けたとの指摘もあった。S&P500種株価指数が50日移動平均線(17日終値で4436)を明確に下回った。同平均線は今年に入って一貫して下値支持線となってきただけに、トレンド追従型ファンドの売りを招いたようだ。S&P500種は前週末比75.26ポイント(1.7%)安の4357.73で終えた。
 
個別では中国売上高が大きい資本財や素材株の下げが目立ち、建機のキャタピラーは4%安、化学のダウは3%安で終えた。中国発の金融リスクを警戒してJPモルガン・チェース、ゴールドマン・サックスなど金融株も幅広く売られた。投資家のリスク回避志向を映し、主力ハイテク株も利益確定売りに押され、スマートフォンのアップルとソフトウエアのマイクロソフトはともに2%安で終えた。
 
ナスダック総合株価指数は大幅に続落し、前週末比330.065ポイント(2.2%)安の1万4713.903で終えた。中国本土の売上高が多い電気自動車のテスラが4%下落した。交流サイトのフェイスブックやネット検索のアルファベット、ネット通販のアマゾン・ドット・コムもそろって下落した。
 
NYダウ工業株30種(ドル)
33,970.47−614.41
S&P500種
4,357.73−75.26
ナスダック
14,713.903−330.065
NY金(ドル/トロイオンス)
1,763.80+12.40
NY原油(ドル/バレル)
70.62+0.3320日 18:20
円・ドル
109.39 - 109.41−0.55
 
 

【シカゴ日本株先物概況】

 
20日のシカゴ日経平均先物は続落した。12月物は前日比670円安の2万9505円で引け、17日の大取終値を845円下回った。
中国不動産大手の経営危機が欧米経済や金融市場に波及することを警戒、投資家心理の悪化で売られた。20日は香港株や欧州株に続き米株が売られ、ダウ工業株30種平均は一時1000ドル近く下げた。
 
 
シカゴ日経225先物12月限 (円建て)
29505 ( -845 )
シカゴ日経225先物12月限 (ドル建て)
29565 ( -785 )
( )は大阪取引所終値比
 
 


【欧州株式市場】

■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 6903.91(−59.73)
20日のFTSE100種総合株価指数は続落した。前週末の終値に比べ59.73ポイント安の6903.91で引けた。構成銘柄の8割超が下落した。
 
今週後半に英イングランド銀行(中央銀行)の金融政策委員会を控え、金融緩和策の縮小への懸念から売りが先行した。中国恒大集団の経営危機をきっかけにリスク回避ムードが広がり、売りが優勢となった。金融株と鉱業株の下落が株価指数の下げに大きく影響した。
 
個別銘柄では、18日に香港市場での公募増資などの計画を発表した保険のプルーデンシャルは8%超下げた。スタンダードチャータード銀行も7%安だった。資産運用大手シュローダーが6.6%安、包装資材DSスミスが5.2%安と売られた。
一方、航空のインターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)は11%上昇した。新型コロナウイルスワクチンを接種した欧州連合(EU)と英国からの旅行者について、米国政府が20日に11月から規制を緩和すると発表したことが買い材料となった。このほか、製薬大手アストラゼネカが6.2%高、航空機エンジン製造大手ロールス・ロイスが4.2%高と買われた。
 
 
 
■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15132.06(−358.11)
20日のドイツ株式指数(DAX)は続落した。終値は前週末と比べて358.11ポイント安の1万5132.06だった。中国の不動産大手、中国恒大集団の資金繰りへの不安が強まり、欧米市場で投資家心理が悪化した。世界各国中銀による今週の会合を前に警戒感も広がった。
 
個別では、ドイツ銀行は7%超下げた。タイヤのコンチネンタルの下落も目立った。航空エンジン大手のMTUエアロ・エンジンズは上昇した。
 
 
 
■フランス・パリ株価指数
CAC40 6455.81(−114.38)
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