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反落39ドル安、ヘルスケアに売り
【市況】反落39ドル安、ヘルスケアに売り


2日のNYダウ工業株30種平均は小幅に3営業日ぶりに反落し、前日比39ドル02セント(0.1%)安の3万4053ドル94セントで終えた。

米連邦準備制度理事会(FRB)のパウエル議長は前日の記者会見で、「初めてインフレ低下のプロセスが始まった」と述べ、物価上昇圧力が弱まっているとの認識を表明。依然としてインフレ率が高いとも話し、「さらに2回の利上げ」を協議したことを明らかにした。

市場では「利上げ停止が近づいていることは間違いない」などと受け止められ、早期の利上げ停止論や年内の利下げ観測が台頭し、景気後退懸念が後退した。

業績懸念の後退や長期金利低下を受けてハイテク株が買われた半面、ダウ平均構成銘柄として比重が大きいヘルスケアなどディフェンシブ株が売られた。一時は280ドル近く下げたが、引けにかけては下げ渋った。

ディフェンシブ株からハイテク株に資金を移す傾向が強まった。1日夕に交流サイトのメタプラットフォームズが発表した決算が市場予想を上回った。メタ株が2割超上げ、2日の取引終了後に決算発表を控えるスマートフォンのアップルやネット通販のアマゾン・ドット・コム、ネット検索のアルファベットなどに先回りの買いが入った。

早期の米利上げ停止観測が強まった。米長期金利が一時、前日比0.09%低い(価格は高い)3.33%まで低下し、ハイテクなど高PER(株価収益率)銘柄の投資妙味が意識された。「ハイテク株の戻りに乗り遅れないよう機関投資家が追随して買いを入れる動きがみられる」との声もあった。

ダウ平均の構成銘柄では2日の決算で通期の利益見通しが市場予想に届かなかった製薬のメルクが売られた。医療保険のユナイテッドヘルス・グループや保険のトラベラーズの下げも目立った。一方、ソフトウエアのマイクロソフトや半導体のインテルなどには買いが優勢だった。

ナスダック総合株価指数は大幅に3日続伸し、前日比384.498ポイント(3.3%)高の1万2200.818だった。昨年9月以来、ほぼ5カ月ぶりの高値で終えた。メタやアルファベットに加え、中国・上海工場で増産の方針と伝わった電気自動車のテスラが買われた。半導体のアドバンスト・マイクロ・デバイス(AMD)も続伸した。

 

【シカゴ日本株先物概況】

2日のシカゴ日経平均先物は上昇した。3月物は前日比105円高の2万7530円で引けた。米製薬大手などヘルスケア関連株が売られた。ただ、米長期金利の低下でハイテク株を中心に上昇したことを受け、日経平均先物にも買いが優勢となった。

シカゴ日経225先物3月限 (円建て)
27530 ( +140 )

シカゴ日経225先物3月限 (ドル建て)
27555 ( +165 )

( )は大阪取引所終値比







【欧州株式市場】


■イギリス・ロンドン株価指数
FTSE100 7820.16(+59.05)

2日のFTSE100種総合株価指数は3日ぶりに反発し、前日に比べ59.05ポイント(0.76%)高の7820.16で終えた。イングランド銀行(英中央銀行)の利上げサイクルがピークに近づいているとの観測が広がり、金融引き締め継続への懸念後退が投資家心理を明るくした。

約8割の銘柄が上昇。個人では、オンライン食品販売オカド・グループ(11.3%高)や小売大手JDスポーツファッション(11.2%高)が急騰したほか、住宅大手パーシモン(8.6%高)や物流施設大手セグロ(8.3%高)も買われた。好決算を発表した石油大手シェル(1.2%安)は売られた。


■ドイツ・フランクフルト株価指数
DAX 15509.19(+328.45)

2日のドイツ株価指数(DAX)は大幅に3日続伸した。前日に比べ328.45ポイント(2.16%)高の1万5509.19と、1年ぶりの高値で終えた。欧州中央銀行(ECB)がインフレへの警戒感を和らげたとの見方から、想定より早く金融引き締めが終了する可能性があるとの期待が強まった。米連邦準備理事会(FRB)の早期の利上げ停止観測も投資家心理を押し上げ、幅広い銘柄に買いが入った。

個別では、医療機器のシーメンス・ヘルシニアーズ(8.9%高)やポルシェ(8.1%高)、スポーツ用品大手アディダス(7.0%高)などが堅調だった。

 

 

■フランス・パリ株価指数
CAC40 7166.27(+89.16)

フランスCAC40種指数は1.26%高だった。
米欧の中央銀行の政策決定がいずれも予想通りの結果となったことを好感し、買いが先行した。



 
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