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株式投資で重要なこと

吉田兼好法師の「徒然草」。
学校などで習うひとつが「高名の木登り」。
これも実は株式投資に役立つことがあります。
高いところから降りてきて、もうすぐ地上というところまで降りてきた人に名人が初めてかけた言葉は「気をつけよ」。
その理由は「高く危ないところでは自分で注意しています。失敗は簡単ところになって起こるものです」。
例えば、株価の低迷時には相当気をつけてウリカイのタイミングや銘柄を選ぶのに、株価が上昇してくると「安易な売買」や「雑な銘柄選択」をしがちなもの。
あるいは持ち株の売りこそ神経質に行いたいもの。
そういう意味では戒めとして心に残しておきたい一節になります。
 
株式投資で重要なのは「ケア」あるいは「注意」。
それぞれの指標や動きを気にかけること。
株価材料は、平等に目の前を通り過ぎていきますが、其の意味に気がつくか気が付かないかの差は大きいもの。
この日々の材料吟味に指標のチエックという作業が加わります。
225採用銘柄のPER(株価収益率)や予想株式益回り。
移動平均線からの乖離。火曜発表の信用残、水曜発表の裁定残などの推移と比較。
単純な作業に過ぎませんが日々各種の数字を追いかけることで、見えてくるものがある筈です。
 
かつての証券界に生息していた先輩たちも鉛筆で罫線を引いてそこから得るものがきっとあったことでしょう。
今はパソコンで罫線は自由自在に操作できますから相当な時間の節約になります。
さらに言えば、「わからないことはわからない」として人に聞いたりして調べることも重要。
「わかったふりしていつまでもわからない」が最悪です。

実際、企業取材の現場では自分が納得いかない時はトコトン聞いてくることにしています。
結構突っ込んで聞くことで見えてくるものもあるような気がしてなりません。アッサリは格好良いのですが、貪欲なしつこさの方が株式相場では役に立ちます。
森羅万象が自分にも市場にも通じることになってくることでしょう。
 
そう考えると、株式市場というのは、こよなく楽しく面白い知的活動の場に変貌してくるに違いありません。もちろん、この楽しみの境地に至るまでには相当な時間の鍛錬が必要かも知れません。
 
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