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【注目】セルフレジが流通業界に革命を起こすか
【注目】セルフレジが流通業界に革命を起こすか
経産省、コンビニが「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」というものを発表している。
みなさんは、ご存知だろうか。

電子タグを利用すれば、レジや検品、棚卸し業務の高速化などが期待できるという。
コンビニ店内に電子タグに反応する防犯ゲートを設置して万引きを防止や消費期限管理を効率化して食品ロスを減らすなどの活用も見込んでいる。
さらに、電子タグの情報の一部を、メーカーや卸売り業者を含むサプライチェーンに共有することで、市場に流通している在庫量を踏まえメーカーが生産量を調整したり、商品を運ぶトラックの空き情報を共有して共同配送したりするなど、製造から流通までの効率化を目指すとしている。


画像出典:経済産業省 コンビニ電子タグ1000億枚宣言より

商品情報が埋め込まれた電子タグ装着を活用することで、消費者が購入した商品の会計を自ら行う「セルフレジ」設置の動きが本格的に進みそうだ。

セルフレジは無人レジともいう。
商品のスキャン・会計作業を全て買物客自身が行うシステムのことである。
または、店員がバーコードの読み取りまでを行い客は支払いのみを行うもの、客が商品の入ったかごをレジに置くだけで清算され支払いを行うものなどさまざまな種類があるが、流通業界で人手不足が深刻化していることを受けて、需要は増加している。

また、セルフレジの普及が進めば、レジ本体だけではなく、バーコードをスキャンするスキャナーや、商品情報を書き込んだICタグなどさまざまな分野にも需要の増加が期待できる。

ICタグ

バーコード
「コンビニ電子タグ1000億枚宣言」によりコンビニ業界に巨額設備投資が見込まれ、特需発生の恩恵を享受できるのが無人レジ関連、ICタグ関連企業が株式投資テーマで注目されるだろう。

注目するのは、バーコードスキャナのモジュールエンジン大手のオプトエレクトロニクス <6664>。
同社はレーザモジュールの販売台数は世界2位、国内シェアは9割以上を誇る。
モジュールとは、バーコードスキャナの心臓部分のことで、バーコードを読み取るために強い光を発する部品。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

RFIDタグ用ゴム製品を手掛ける朝日ラバー <5162>。
RFIDタグ用ゴム製品は、溶剤を使わずに接着させる"分子接着・接合技術"を応用し、IC チップやアンテナ部をゴム素材で覆い、折り曲げに強く、耐水性、耐熱性に優れた、柔らかい小型のIC タグを提供している。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

カード専業メーカーのカーディナル <7855>。
同社は、会員証カード、ICカード専業メーカー大手、ICタグ関連強化している。入会申込書とカード一体型の即時発行ポイントカードを拡大中。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

RFID関連システム大手のサトーホールディングス<6287>。
バーコード認識システムを製造している。セルフレジビジネスで大きな収益を上げられれば、成長速度が上がることが期待される。海外事業にも積極的で、国内新事業に成功すれば海外展開にもつながるだろう。

チャート出典:ストックウエザー株式会社

他には、無人レジを手掛ける東芝テック<6588>や、富士通フロンテック<6945>も注目だろう。
電子タグは、コンビニにとどまらず、多くの分野への波及効果も考えられ、今後流通の流れを変えることにつながるとの見方から注目度が高くなっている。

人材不足が深刻だ。そのため各企業は人件費の削減に頭を悩ませており、セルフレジ導入によりレジ人員を削減できることは企業にとって大きなメリットだ。
実現に向けての技術革新が進捗する過程で、株式市場においても折に触れてスポットライトを浴びそうだ。
また、政府が働き方改革を推進しているほか、若者を中心にサービス残業などの「ブラック労働」を含めた長時間労働に対する懸念が強いからだろう。


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