兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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2015年02月3週

【推移】

16日(月):
明るかったのは日曜日経の「上場企業の3割増配」の見出し。サブは「車や電機、好業績で還元」。配当額は7.4兆円で前期比5280億円増加。2年連続での最高額更新となる。NTTドコモの配当性向は53%→60%に上昇。クオカードなどのチマチマとした株主優待などよりよほど気が利いた株主還元だ。
依然物足りなさが募るのが全体の99.7%が終了した第3四半期決算発表。
売上高は5.1%増、経常利益は7.0%増、純利益は8.9%増。通期では売上高は3.6%増、経常利益は2.6%増、純利益は4.6%増。これを踏まえた日経平均株価のPERは16.17倍。EPSは1107円。3月決算でどこまで増やせるかの勝負だが、結構出し惜しみがありそう。10〜12月のGDPはプラス2.2%で3期ぶりの増加。市場予想(プラス3%台)には届かなかったが日経平均株価は91円高の18004円。TOPIXも反発。ファナック、関東電化が上昇、スカイマーク、アシックスが下落。

17日(火):
07年7月以来7年7か月ぶりの日経平均終値18000円台。「7」が4つも並ぶと何となく縁起だけは良い。因みに東証1部の時価総額は524兆円。こちらは07年6月29日の567兆円以来の水準まで増加してきた。その前の山はITバブルの頂点の2000年3月31日の446兆円。新規上場が加わっていますから当然時価総額は増えるだが、それにしても2000年の日経平均が4月12日の20833円。
まとめてみると
2000年:日経平均20833円:時価総額446兆円。
2007年:日経平均18261円:時価総額567兆円。
今回:日経平均18004円:時価総額524兆円。
今回の時価総額の物足りなさが浮き彫りになると同時に、
ITバブル時の日経平均株価は、値がさハイテク株の上昇に偏ったものだった加えれば裁定買い残だって2.6兆円程度。ボトム時の0.25兆円からみれば多いですがピーク時は6兆円。裁定買いで盛り上がった相場ではなく、現物株の吸収でジワジワ来た相場ということは言える。20年国債の入札が波乱なく通過したから株価は下げ渋り。というのが解釈。金利上昇は銀行の債券の含み益減少。一方で指数連動型ETFの時価総額の6割を保有しているという銀行。債券が儲からなくなって株高が銀行の業績の命運を握り始めた。「金利上昇リスクを株式投資で薄める動き」との指摘。
日経平均株価は17円安の17987円と小幅反落。ただしTOPIXは続伸で昨年来高値を更新。JPX日経400は7日続伸。日産自、JFEが上昇、トヨタ、ソフトバンクが下落。

18日(水):
株価上昇のJP(日本郵政)の秋以降の上場が控えていようか。
日経1面では「日本郵政、豪物流を買収」の見出し。6000億円を投資して一気に世界に拠点を築くのは成長戦略の一環。赤字のままでは人気も出ないだろうから、当然の動き。発行体も業界も総じて秋のJP上場を睨んだスケジュールで動いていることだけは確かだ。これを忘れてギリシャだ、ウクライナだと日ばかり材料に拘泥すると、見間違える。時間軸を1年以上に置く永田町と今日と明日しか見ない兜町。この兜町の狭い視野と時間軸の拡大は必要だろう。
バックトゥーザフューチャーほどの長さは必要ないが、せめて「今年」くらいの時間軸は欲しい。「もともと相場は何が起きるかわからないもの。来年のことなんて当然わからない」というのが兜町の逃げ口上。しかし、わかるかわからないは別にして時間軸の延長は必要だろう微分ばかりしている姿勢が、逆に他業界や海外から付け込まれるスキ。
経済指標と海外スケジュールだけで相場を判断するのはFX業界に任せておけばよかろう。株には株の尺度がある筈。
NYではS&P500が2100ポイントに乗せ今年2度目の過去最高値更新。
昨年は53回(歴代4位)、一昨年は45回(歴代6位)。
ちなみにトップは1995年の77回、以下1964年の62回、1929年の59回。
次はNASDAQの歴史的高値5000ドル台復活が楽しみとなってきた。
日経平均株価は212円高の18199円と大幅反発。メガバンク、レオパレスが上昇、Jパワー、ファンコミが下落。

19日(木):
07年2月の高値が18300円。(終値ベースでは18261円)。「ようやく射程圏」との声も聞かれ始めた。印象は「静かな新値」。ワイワイ騒ぐ新値は折れやすいから、むしろ良かろう。その証拠に東証アローズにTVクルーはいなかった。
2月13日現在の信用残は前週比売り残が499億円増加、買い残は1014億円減少。 買い残は4週連続の減少で昨年末以来の3兆円割れ。売り残は4週連続の増加で信用倍率は4週連続で低下。昨年12月中旬以来の水準まで低下した。裁定買い残も2844億円増加したとはいえ、まだ2兆8917億円程度。
騰落レシオの126.50%は過熱感ではない。
多少気になるのは東証1部の時価総額の538兆円くらいだろうか。
面白かったのは日経「スクランブル」。「海外勢が上値を買い進むのはいつものパターン」。外国人投資家に期待しながらもどこか小馬鹿にしたようなモードに読める。「上値を買わない国内投資家」が賢いとは限らない。バブル崩壊以降、売りで儲けてきたのは外国人投資家でもあった。それでも「パターン化した上値買い」と揶揄できるのならば、結構な進歩でもある。
日経平均株価は65円高の18264円と続伸。2000年5月の18439円以来の水準を14年9ヶ月ぶりに回復した。トヨタ、ソニーが上昇、日コン、ディップ下落。

20日(金):
日経朝刊1面の見出しは「気業の構造改革、原動力」。もうひとつが「日経平均15年ぶり高値」。優先順位は高値よりも構造改革にあるように感じる。「攻めの経営にカジ」もわかるが「欧米株の水準には遠く」。そう言われればそうではある。「財政出動ではなく、企業が新たな需要を創出する。これが経済成長と財政再建の両立につながる」。これもごもっともだが、30年もできなかったことが可能なのかどうか。日経1面ではまた「稼ぐ」が使用された。「長期のデフレと超円高、金融危機に翻弄された日本企業は地道な構造改革で『稼ぐ力』を取り戻した。やはり今年のキーワードは「変える」ではなく「稼ぐ」なのだろう。
日経平均株価が67円高の18332円と3日続伸。東エレ、ファナックが上昇、Fマート、ホウスイが下落。TOPIXは1500ポイント台乗せ、JPX日経400は10日続伸。日経ジャスダック平均は昨年来高値を更新。

(2) 欧米動向

あるストラテジスト氏の指摘。
「為替と日経平均との相関はほぼゼロになった」。
中身的には・・・。
これまでの株式相場は円相場や米国株価など外部のマクロ要因を気にする局面が多かった。
しかし最近の日経平均株価と米ドル円相場の、移動標準偏差は大きく低下している。
背景としては、
(1)2012秋までの円高は明らかに行き過ぎで、それが日本経済を傷めていた。
そこから円安方向に修正が入った。
円安→輸出主導の景気回復→株高という図式が成り立った。
しかし既に円相場は十分円安水準を確保している。
以前の行き過ぎた円高からの修正局面とは異なってきている。
(2)円安が期待したほど輸出数量増を産んでいない。
このため市場の関心は、各輸出企業それぞれの非価格競争力に向き始めている。
(3)「円安の弊害」が一時マスコミ等で大いに報じられた。
このため、今後は、余り円相場の動向に一喜一憂しても仕方がないと考える。
日銀総裁がどう話してもそれほど円相場はぶれないだろう。
日銀総裁は「景気の応援団長」の役割は降りられない。
ましてや国内株価への影響はさらに限定的だろう。
そのとおりの推移となってきた。

期を一にして海の向こうのNASDAQも15年ぶりの高値を更新してきた。
ということは、今起きているのは2000年ITバブルへの復帰戦。
ココを越えて始めて、今度は1989年ジャパンバブルへの復帰戦が始まる。
長い時間の取り戻し作業の途中。
「夢の途中」と言っても過言ではなかろう。

こうなってくると、上昇がどこまで続くのかというのが課題。
目先的には25日線の8%程度上の水準。
17609円×1.08=19017円。
ひょっとして2013年5月のように200日線の45%上までいくとすると
16017円×1,45=23224円。
問題はリズム感。
騰落レシオの138%台もジワジワ効いてこよう。
そして時価総額の542兆円もGDPの水準を越えた。
ただし、世界コンセンサスはおそらく日本株高。
もしも足踏みがあれば、それは押し目で買い場=飼葉になるのだろう。

(3)アジア・新興国動向

中国、台湾などは19日から春節の長期休暇。東京に登場した訪日観光客の爆買い、爆食が話題となった。

【展望】

スケジュールを見てみると・・・

23日(月)米中古住宅販売、独IFO景況感
24日(火)米消費者信頼感、イエレンFEB議長証言、ケースシラー住宅指数、米2年国債入札
25日(水)米新築住宅販売、中国HSBC製造業PMI、
26日(木)米耐久財受注、消費者物価指数、
27日(金)失業率、鉱工業生産、米GDP改定値、シカゴ購買部協会景気指数

2月のSQ値は17866円で通過。
1月SQ値が17341円。
昨年12月メジャーSQ値が17281円。
順調に右肩あがりを継続している。
07年6月のメジャーSQ値が17912円。
そして7月のSQ値が18177円。
あと数百円に迫ってきている。
奇妙なのは裁定取引の買い残。
07年には6兆円近くあったのが直近は2.6兆円程度しかない。
裁定中心の株価の上昇ではないということ。
ここ2週間の外国人の売り越し基調とあわせればそう考えられる。
他の作用とすれば、信託の買い越しから年金関連。
そして証券自己。
事業法人の自社株買いなどが背景となろうか。

2月13日(金)の日経の見出し。
「日経平均7年7ヶ月ぶり高値。
車・通信『稼ぐ力で牽引』。
リーマン危機乗り越え」。
結局正月元旦の日経朝刊の見出しの「変えるのはあなた」がキーワードではなかったのだろう。
おそらく12月30日の大納会までは「稼ぐ力」だったに違いない。
ところが、年末終わりの2日間の株価の軟調。
これを踏まえての変更だったような気がする。
こうなると、課題は「どう稼ぐ」だろう。
今年1年を通してのテーマは「稼ぐ」。
指数連動なのか、個別なのか。
輸出系なのか内需系なのか。
それでも悩みは尽きない。
言えることは、今期増益、来期も増益の方向。
足元日本企業は儲かっている。
邪魔をしているのは投資の心理。
それこそ「買えるのはあなた」と市場は呼びかけたいのだろうが・・・。

07年高値の18262円の先に見えるのはITバブル時の2000年4月高値20833円。
因みにバブル前の86年始値は13130円。
終値は18701円だった。
86年の13000円台から89年大納会高値の38957円までは4年の時間。
2015年から4年経過すると東京五輪の直前と重なるのだが・・・。  

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