兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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2015年02月4週

【推移】
23日(月):
午年は名実終わったものの「しり上がり」の展開。日経平均株価は最高値で15年ぶりの水準。前週は週間では418円上昇、週足は5週連続陽線。TOPIXは5日続伸で1500ポイント台。JPX日経400は10日続伸となった。トヨタは07年2月28日以来、約8年ぶりに8000円台を回復。静かな株高は継続している。
株価が「2.5.8」で動く法則でいけば
15000→18000円のレンジは18000円→20000円のレンジに移行。
細かくは18000→18200→18500→18800のレンジ。
節々を取り続けてきた。日経平均株価の25日移動平均は17658円。
5%プラス乖離が18540円。ここで一旦止まるのかどうか。越えられれば8%プラス乖離の19070円まで頑張れそうな気配。所詮は「一里塚」なのだろう。
日経平均株価は134円高の18466円と4日続伸。2000年4月以来15年ぶりの高値水準。ユーグレナ、JVCKWが上昇、スカイマーク、薬王堂が下落。

24日(火):
日経平均の2月2日の終値が17558円。このまま推移すれば2月は月足陽線。
アノマリーは10月高→2月高。
振り返ってみると10月1日終値16082円。
ところが最終日前日の10月30日終値は15658円。
誰もが月足陽線なんて言葉を忘れかけていた。
ところが10月31日は755円高で16413円。
日銀の追加金融緩和を受けて午後から大幅上昇。そう考えれば今月の月足陽線の影の立役者は日銀の追加金融緩和。論理的な整合性はありませんが、時間軸としてはそんな格好だろう。ワイワイガヤガヤという喧噪感が全くない新値路線。「21世紀の高値更新」とはいえ冷静というか、感動のない動きは逆に良いのかも知れない。下がって無感動、上がって無感動。株価は画面だけの存在で人間不在が長期にわたった市場の宿命なのだろうか。
日経平均株価は136円高の18603円と5日続伸し連日の昨年来高値更新。トヨタ、ソフトバンクが上昇、JT、ブリジストンが下落。

25日(水):
イエレンFRB議長は「利上げ急がす」。向こう数回のFOMCでは利上げは難しいとのコメント。低金利継続はややドル安傾向を招く。それでも景気が悪くない中でのゼロ金利延長方向。悪くはない。
国内でのヒットは日経1面トップの「銀行規制17年ぶり転換」。
銀行経営に創意工夫が生じれば、経済のオイル循環は良くなる筈。錆びた中古機を使いまわすような金融機関からの脱皮ともなろう。護送船団ではなく、競争原理の導入は明らかなプラスの方向転換。そもそも少子高齢化は否めないものの「資産大国」と言うテーマは不変。金融庁が頑張ったというところだろうか。「自分の老後は自分で守る」はリテールマター。国家マターではまさに「日本の経済は日本が守る」に他ならない。その根本に位置しているのが金融機関の不毛地帯だっただけに意義があろうか。金融庁が頑張った。
日経平均株価は18円安の18585円と6日ぶりの反落。JPX日経400は13日ぶりに反落。タカラレーベン、ライトオンが上昇、東洋建、SANKYOが下落。

26日(木):
日経では「緩和マネーで世界株高」の見出し。サブは「原油安・ギリシャ・・・懸念薄れる」。世界の株価の時価総額は73.3兆ドル(約8700兆円)と過去最大。こうなってくると必ず登場するフレーズが「持たざるリスク」。その代表が運用額7.6兆円の公務員年金の運用比率の変更だろう。
GPIFが株式比率を上げたのに合わせて、
国内株を8%→25%に引き上げた即日適用。
同時に海外債券2%→15%、海外株8%→25%。
逆に国内債券は74%→35%に引き下げた。
これは地方公務員共済(運用資産18.9兆円)、私学共済(同3.8兆円)も追随する。となると計30兆円の運用見直しで国内株は5.1兆円の買い増し。海外資産も8.8兆円の買い増し。「持つリスク」は債券で「持たざるリスク」は株式の格好。
「消去法的には株しかない」なんてフレーズも聞かれてきた。これは運用者の立場からのコメントでしかないし、市場を舐めている印象。
因みに単純計算では
GPIF8兆円、KKR1.2兆円、地共連1.7兆円、私学共済0.6兆円。
国内株式には約11兆円超の巨大な買い余力が発生した。
「大きな追い風」との声。増えてきたのは時価総額。日経平均株価があと8%上昇すると2万円。東証1部の時価総額は600兆円を越えるという。
1989年が611兆円。そんな実感はないが、GDPからの乖離は100兆円あまりとなる。怖いもの見たさは否定できず遭遇してみたいもの。
裁定取引の買い残は1417億円増加し3兆334億円。増加は5週連続。ほとんど増えてはいないし、所詮まだ3兆円レベル。
一方信用取引の買い残は1011億円減少し2兆8527億円。こちらは5週連続の減少。Quick調査の信用評価損率はマイナス7.41%。松井証券信用評価損益率速報は売り方マイナス11,622%。買い方マイナス4.881%。売り買いが相当離れてきた。
日経平均株価は200円高の18785円と反発。三菱UFJ、ソニーが上昇。トヨタ、Jディスプレイが下落。

27日(金):
日経の見出しは「東証時価総額550兆円、7年ぶり、バブル時の9割」。そして「海外投資家。株高牽引」。昨日発表の投資部門別売買動向。海外投資家は先物9685億円、現物1538億円、合計1兆1223億円の買い越し。 登場したクレディの株式営業本部長のコメント。「GPIFやKKRの株買い増しの報道。日本市場に参加しないと痛い目にあいかねないとの認識が広がった」。GSの日経平均目標は21700円、TOPIXは1700ポイント台。日経平均が19000円を越えTOPIXが1600ポイントを越えると多分、日本の機関投資家がようやく思い腰を上げてこようか。そして、日経平均が2万円を越え、1800ポイントを越えると継続して売り越してきた個人投資家買い越しに転じるような気がする。
日経平均株価は12円高の18797円と小幅続伸。東証1部の売買代金は3兆69億円と拡大。パナソニック、明治が上昇、日揮、ホンダが下落。

(2) 欧米動向

NYダウ、S&P500、ラッセル2000も最高値を更新した。
NYの2月相場は経験則ではあまりパフォーマンスは良くない。
しかしここ5年の2月は上昇相場。
しかも今年は戦後負けナシの大統領選挙の前の年。
1950年以降の大統領選挙の前年の平均上昇率。
NYダウ1.0%(通常の2月は0.1%)。
S&P500が0.8%(通常マイナス0.03%)。
NASDAQが2.4%(通常0.6%)。
今年は異常な強さでもある。

イエレン議長も言及していた原油安。
「家計の購買力の向上などを通じて経済的におおいにプラス」。
ただし、南部を中心にエネルギー関連産業の収益の悪化と設備投資の衰えは懸念。
一部には成長率の下方修正が避けられないと言う声も指摘した。
シェール革命がアメリカ復活の中核というノー天気なコメントはもはや聞かれない。
おおくの市場関係者はそれを修正しないから市場は不思議な場所でもある。
因みに、北米の掘削リグは12週連続で減少。
1019基は2010年1月以来5年ぶりの水準まで減った。
昨年10月比4割の減少。
昨年12月比では500基の減少という。
一方で、リグ1基あたりの生産量は増加する見通しだという。
背景は技術革新。
このままいくと夏頃までは増産傾向が続くという。
因みに米国の原油在庫は4億バレルを越えて冬としては過去80年ぶりの水準。
80年前は1935年。
ということは世界大恐慌以降の不況の真っ只中の水準まで積みあがったということ。
決して良い数字ではないが、見えないフリなのだろう。
シェールが増えればWTI原油先物は下落。
パラドックス以外の何物でもない。

(3)アジア・新興国動向
春節も終了したが中国株は堅調展開。来週5日開幕予定の全人代での金融政策や景気刺激策が話題になろうか。

【展望】
スケジュールを見てみると・・・
2日(月)10〜12月法人企業統計、新車販売、米ISM製造業PMI、個人所得、ユーロ圏失業率・消費者物価
3日(火)マネタリーベース、米新車販売台数
4日(水)米ADP雇用統計、ISM非製造業景況指数、ベージュブック、BOE金融政策委員会、豪GDP
5日(木)ECB理事会、中国全人代開幕
6日(金)1月景気動向指数、米雇用統計、貿易収支

3月。
過去25年間は13勝12敗で6位。
6日(金)満月、ポイントの日
8日(日)米サマータイム移行
13日(金)メジャーSQ
16日(月)土星逆行開始、日銀金融政策決定会合
17日(火)日銀金融政策決定会合、FOMC
18日(水)ポイントの日、FOMC、ECB理事会
19日(木)ポイントの日、ECBR理事会
20日(金)皆既日食(日本では見られない)、新月、米メジャーSQ
23日(月)ポイントの日
26日(木)月内最終日
29日(日)欧州サマータイム開始

2月の月足陽線基準は17558円。
1200円以上のアドバンテージを持って陽線。
そして3月弥生を迎える。
2月のSQ値は17866円そこからでも1000円の上昇。
12月メジャーSQ値からは1600円近くの上昇。
最近はSQに向けて高い時間軸。

もう一つ興味深かったのは「郵貯・簡保」の限度額引き上げの方向。
自民党が検討しているという。
郵貯の限度額が1000万円、簡保が1300万円。
「民業圧迫」との声も聞かれるが、これが増えるとすると秋の上場は楽しみになる。
もっとも統一地方選を控えての郵貯票集めが見え隠れ。
所詮、政策も選挙大事でしかないとすると空しいが・・・。
小泉氏の時は郵貯憎悪、安倍氏は郵貯握手。
時の移ろいと政策の変化の時間軸も早いものだ。

大和の企業業績見通しは若干の減額修正。
しかし理由は多額の総合商社の多額の減損と資源価格下落による石油セクターなど。
ただ中身は悪くない。
14年度6.2%経常増益。
15年度14.3%経常増益。
16年度7.5%経常増益。
会社予想では14年度は3.1%の経常増益。
市場見通しは会社見通しの2倍。
ということは3月決算を締めたあとの5月の決算発表が楽しみになってくる。


季節感は雪解けモード。
長い冬からの目覚めは、ようやく訪れたのだろうか。
資産効果という言葉があるが、市場心理としては「諦めていた株の株価が戻ってきた」。

その先にあるのは「今度こそ儲けてやろう」ではないのだろう。
「いいところで売って何を買おうか」ではなかろうか。
我慢の哲学を撤回し、消費の美徳の誘惑が蔓延してくるのだろう。
悪いことではない。
しかし、売却換金→消費では未来がない。
地中深くで、種のままであったがようやく実り始めた果実はまだ青い状態
それでも「そろそろ売ろうかな」。
このアンバランスが終わると「次は何で儲けようかな」になるのだろう。
そのためには買い場という名の飼葉が必要となる。
しかし格言は「押し目待ちに押し目なし」。
せつない世界ではある。
正月に「3月までに日経平均2万円はあるかも知れない」と言っても半信半疑。
というか、「おかしいのじゃないか?」的に扱われた。
2ヶ月経って見ると「そうかも」。
居場所が違えば、対応も違う。
「1月2月が上昇なら3月も上昇」なんて都合の良い解釈も出始めた。

東証再開以降65年のうち1月と2月の日経平均が連続上昇した例は過去に26回。
このケースで3月相場は21回上昇(約8割の確率)。
1〜2月の日経平均の上昇率合計が5%を上回ったのが20回。
うち19回で3月相場も上昇(確率95%)。  

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