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Eimei みちしるべ 2017年07月18日
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《Eimei「みちしるべ」》

(7月18日から7月21日の週)

週末の日経平均は19円高。
日中値幅は62円。
相変わらずの膠着相場だった。
しかもミニとはいえSQ当日の東証1部の売買代金が1兆9863億円と3日連続で2兆円割れ。
「新高値銘柄が117もあったのに日経平均が小幅なゾーンで推移するという奇妙な市場」との声が聞こえる。
ファーストリテ1銘柄で日経平均を60円余り押し下げたのにプラスだから全体は強気継続と見ても良かろう。
TOPIXは年初来高値を更新している。
日経平均は週間では約189円の上昇となり、週足では3週ぶりに陽線。
「1月18日の安値の信用期日通過」効果だったのかも知れない。
次は4月17日安値の信用期日がクローズアップされてこようか。
焦点は内外の決算発表に移行してくる時期。


日経平均想定レンジ

下限19997円(6月メジャーSQ値)〜上限20820円(2015年8月高目)

経済指標や政治日程などのスケジュールを重要視する風潮は以前から株式市場にもあった。
しかし先物両替取引が登場してからはこのスケジュールが妙にクローズアップされてきた。
そして指標などの発表もスピーディーになった。
でも欠如し始めたのは想像力だろう。
スケジュールには異様に詳しいが、その意味を探るという風潮はなくなったような気がする。
「小売売上高の発表があるから気を付けましょう」。
そうではなくて、その結果の及ぼす影響についてのコメントというのはほとんどない。
あるいは、通過した指標はすぐに次の指標を待つ姿勢に取って代わられる。
条件反射的な筋肉ばかりが鍛えられ、脳がつかさどる想像の世界からは遠のいていく。
常に先のスケジュールを追うから相場に満足感はなく疲弊するばかり。
そろそろこのスケジュール重視主義からの脱却が必要なのではなかろうか。
投資シナリオを狭めることは良いことではない。
自由な投資哲学が登場しないと相場はますます自壊するような気がする。
少なくとも無味乾燥で時間の無駄に思える相場スケジュールの解説。
これがなくなれば「少しはフリーでフェアでグローバル」になれるに違いない。

あちらもこちらも「ESG」という印象が醸し出されてきた投資市場。
もう何年も前から日本には上陸していたのにGPIFが1兆円投資したからといってなびく市場。
「この指とまれ」はいつの時代も市場の流れである。
今朝の日経朝刊では「ESG投資フォーラム、機関投資家・企業が変わる」の広告。
先日は日経ホールでのESGフォーラムの広告が連日掲載されていた。
「短期の業績にとらわれると研究開発や人的投資の効果を見逃す」。
あるいは「非財務情報を重視する流れは世界で広がる」。
これはもっともなことではある。
経済産業省はまもなくブランドなど無形資産への投資や評価についての報告書を出すという。
これって時価会計から簿価会計への復古に思えるのはきのせいだろうか。
ガバナンスを問題にして社外取締役が増えた。
その結果、社外取締役として就任したのはガバナンスを問題にした学者さんたちというパラドックス。
ESGを問題にして、ESG担当社外役員なんてものができたとしたらそれこそ滑稽の世界。
学者さんの世界も稼ぎが重要ということなのかも知れない。
でも本当に必要なのは学者さんたちの稼ぎではなく、企業の稼ぎ。
そして企業の所属する社員さんの稼ぎ。
環境に配慮して社会貢献を意識してガバナンスを強化すれば本当に儲かるのかどうか。
確かにESG投資の結果は悪くはない。
しかしその基準は本当にESGに由来するものなのかどうか。
この結論は時間が経過するまでわからないというのも面白い。
「社会貢献ファンド」が林立したこともあったが今は見る影もないという現実もあった。
本当にESGが有効であると考えるなら10年間解約禁止などという勇気ある投信が出てこないものだろうか。
投資の世界で求められるのは学問でも権威でもなくあくまで実績。
このごろの投資の世界はどうも違ってきたような気がする。
勉強すれば儲かるのなら、大学に投資家育成コースがあっても悪くはなかろう。
それが何十年もできないのだから察して知るべしだろう。
職人は学問では成長しないということかも知れない。
アカデミックに「欲望」の世界をオブラートに包んでも何も進歩しないような気がする。
もっとも、こういう形のお化粧や分厚い書物やレポートが大好きなのも市場。
しかし必要なのは適塾や懐徳堂ではなく、石田梅岩に代表される心学の世界。
西洋難解最先端ではなく町民・平易・実践的だと考えたいもの。

ボストンコンサルテュングの2016年末の世界の運用資産残高の調査。
前期比7%増の69.1兆ドル(7808兆円)だったという。
約8000兆円が株式運用されているという現実。
ココを忘れて相場を眺めることはできない。
世界のマネーサプライは約9000兆円。
ここ10年で2倍近くに膨張した。
しかし、これが金融緩和縮小で減少しても、ファンドの運用資産は減らないと読むべきなのだろう。

株価とラグビー。
一見関係はなさそうに見える。
しかし「ゲインライン」という観点に立つと、日ばかりであれば寄り付きがゲインライン。
もっと長い目で見れば過去の高値がゲインラインという考え方もできるような気がする。
ゲインラインとはプレーが始まった場所から見て、ボールが前に進んだかどうかの基準。
スクラム、ラインアウト、ラック、モール。
これが攻撃の起点。
起点となる密集の真ん中からゴールラインと平行に架空の横線を引いたものがゲインラインだ。
「攻撃権を維持するには、できるだけ前で密集をつくった方がいい」というのがラグビー理論。
攻撃側はゲインラインを超えた地点での、マイボールでの再開を狙う。
防御側はタックルラインで相手を倒し、ボールを取り返す。
(ア)ゲインラインを越えて、ボールも保持している
(イ)ゲインラインを越えたが、相手ボールとなった
(ウ)ゲインラインを越えなかったが、ボールは保持している
(エ)ゲインラインを越えず、相手ボールとなった
これは株価にも通じるような気がする。

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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