みちしるべ 19年07月01日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》
(7月1日から7月5日の週)

Quick調査の6月21日時点の信用評価損率は▲15.90%と3週ぶりの悪化。
6月21日時点の信用買残は222億円減の2兆1762億円。
昨年12月7日は3兆275円がピーク。
同信用売残は594億円増の9693億円と3週連続増加。
3月22日の1兆636億円が近づいてきた。
ボトムは12月28日の6539億円。
信用倍率は前週の2.42倍から2.24倍に低下。
ピークは12月14日の4.0倍だった。

6月21日時点の裁定売り残は300億円増の7266億円。
(当限6949億円、翌限以降は316億円)。
9月限は921億円増、翌限以降は620億円減少。
同裁定買い残は1462億円減の3963億円。
(当限3963億円、翌限以降ゼロ)。
当限は530億円減、翌限以降は931億円減。
昨年12月28日の5620億円を遥かに下回り2016年9月以来の低水準。
2007年以降の裁定買い残は3000億〜6000億円程度まで減少すると増加に転じた。
2009年のリーマンショック後の安値、2016年のブレグジットショック後の安値。
裁定残は3000億〜6000億円まで減少してから株価も底を打っていたのが歴史。


2016年以来の水準まで買い残が減少した裁定残の推移。
金額で3963億円。
東日本大震災直後に外資系が裁定残を投げ売ったときが約2500億円だからほぼ近似値だ。
今は金利がマイナスだから裁定機会が少ないという理由もあろう。
それよりも裁定すら行う価値がなくなった市場とみるのか。
あるいは、ここまで減ったのだから後は増えるのみと考えるのか。
結構重要な分水嶺であるように思える。
おそらくいずれ後者であったことになるとは予測しているのだが・・・。
となると、目先底打ち反転狙いというシナリオになる。

興味深いのは日経朝刊の「大機小機」。
「金利が水中に沈んでしまうと債券市場での売買は低下。
売買は為替の次元か、株式の次元しか残らない。
クレジット市場は残存しても金利全体が沈んでしまえば、一緒に沈む。
今日の日銀の超低金利政策は金利を水没させ、海外に資金をシフトさせて円安を実施。
同時に株式市場や不動産市場などに資金をシフトさせるポートフォリオバランスを狙ったものだ。
金利がなくなっても賃料がなくならないなか、不動産市場の加熱もいまのところ自然なこと。
目先で環境が変わる見込みがない異常、水中生活にも耐えられる種に進化するしか選択肢は残っていない」。
結構含蓄がある。
因みに火曜の「大機小機」では「企業の採算ドル円レートは99.80円」と紹介されていた。


日経平均想定レンジ

下限21275円(6月終値)〜上限21923円(5月7日マド明け水準)


氏素性とか育ちの違いというのは相場観にも少し影響するのかも知れない。
マスコミは人の不幸を人の幸福よりも優先する傾向があるから株高よりも暴落が好き。
東証アローズのカメラクルーを見ていると、下落時は上昇時の5倍は多い。
証券畑は、株高の方が投資家も商いも増加。
増資もIPOも増加するから、どうしても株高傾向に育ちがちだ。
かつては「株安を唱える証券マンは天に唾するようなもの」と称された。
一方で商社系・商品先物系の畑。
よくよく考えてみると、金の上昇が金科玉条のような世界。
あるいは原油にしても穀物にしても世界情勢の不安定が価格上昇につながる可能性が高い場所。
だから、常に世界中の警戒要因を探し出す傾向にあるようだ。
株が上がっても商品にはほとんど関係ない。
世界不安の拡大こそがベストな世界。
そういう世界で育つと景気・経済にはネガな見方が当たり前になってくるのだろう。
株の世界の対極の育ち。
ところが世界は株よりも商品優勢の傾向。
ここが東京の苦しいところでもあろうか。


大和のクオンツレポートは「パッシブ型ETFの決算日における分配金拠出」。
結論は今年7月は現物約3300億円、先物約3000億円で合計6300億円のポジション解消売りを想定。
理論的には7月8日に1500億円、10日に約1800億円の現物株 の売りが発生と想定。
先物は7月8日に1300億円、10日に約1700億円のポジ ション解消売りが発生と想定。
内訳は・・・。
現物株では7月8 日にはTOPIXが約400億円、日経平均が約1100億円。
7月10日にはTOPIXが約1500億円、日経平均が約300億円。
合計で約3300億円だ。
先物では7月8日にはTOPIXが約500億円、日経平均が約800億円。
7月10日 にはTOPIXが約1500億円、日経平均が約200億円。
合計で約3000億円のポジ ション解消売りが想定されている。

MMT(現代貨幣理論)に関する学者さんのコメントが電子端末に載っていた。
「世界の金融は一体化したことでリスクが伝染するようになった。
投資家はリスクが分散できないようにもなった。そうなると安全資産つまり国債への需要が異常に高まる。運用マネーの大きさに比べ、安全資産が足りない」。
「株式や不動産などの資産の収益率と経済成長率がほぼ等しいと考えれば、金利が成長率を下回れば、人々はお金を借りて資産を保有する」。
「自国通貨建ての国債は無限に発行できる。それを使って政府が需要を生み出せというMMT派の主張は注目を集める。これは需要創造の役割を民間だけに頼れない低金利時代の必然とも言えるだろう。あながち荒唐無稽とは言い切れない」。
「主流派経済学は高金利がモデルの前提。借金が膨大なのに金利が低くそれが財政の持続性を担保している日本経済をうまく説明できない」。

主要企業の想定為替レートと感応度。
コマツ(6301)今期想定為替105円、感応度50億円
日立(6501)同110円、同35億円
日電産(6594)同105円、同11億円
パナ(6572)同110円、同24億円
トヨタ(7203)同110円、同400億円
ホンダ(7267)同110円、同120億円
任天堂(7974)同105円、同非公表
上場輸出企業の採算レート99円80銭


過去を振り返る相場人は多い。
数日前、1週間前、1ヶ月前、1年前など時間軸は縦横無尽で過去への比類なき想像力だ。
でも、未来の時点を想定して今日を振り返るコメントは滅多に遭遇しない。
1週間先の時点で今日を振り返ったらどうなのだろう。
G20大阪サミット真っ盛りでみんなが待っていた米中首脳会談も通過。
結論は出ていて「待ったこと」の正否が証明されている。
あるいは、日銀短観が発表されて景気の悪化が証明されているかも知れない。
スケジュールを語る相場人も多いが、そのスケジュールの意味する所や結果を論じる相場人は少ない。
今の時点で過去を振り返るのは容易だ。
でも未来の時点で過去を振り返るクセを付けることは重要だ、
そうすることで相場のアヤや虚しさ、あるいは謙虚さが見えてくるに違いない。
そして相場自体が訴えたかった声も聞こえてくるかも知れない。


(兜町カタリスト 櫻井英明)

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