みちしるべ 19年11月05日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》
(11月5日から11月8日の週)

Quick調査の10月18日時点の信用評価損率は▲12.63%。

10月25日時点のQuick調査の信用評価損率は▲11.64%と3週連続の改善。
昨年12月21日時点の▲19.21%をボトムに今年の最低水準となってきた。
10月25日時点の信用売り残は330億円増の9878億円。
同信用買い残は31億円増の2兆860億円。
昨年12月14日時点で4.00倍だった信用倍率。
9月20日時点で1.82倍まで低下し直近は2.11倍。
1兆円を超えていた信用売残の減少が寄与した格好だ。
売り残のアローワンスあと2000億円程の度減少。
一方買い残のアローワンスはあと1兆円の増加と見込まれよう。
10月25日時点の裁定売り残は1702億円減の1兆3687億円。
減少は7週連続。
当限は1917億円減の1兆1906億円。
翌限以降は215億円増の1780億円。
同裁定買い残は571億円増の5729億円。
増加は2週連続。
当限は655億円増の5331億円。
翌限以降は84億円減の397億円。
結局9月6日時点から裁定売り残の解消が約1兆円。
日経平均の同期間の上昇(21199円→23008円)は1809円だった。
売り残解消1兆円で日経平均2000円高。
5000億円減で日経平均1000円高と計算できようか。

10月の日経平均は1171円(5.4%)上昇。
月足は2ヶ月連続陽線。
「10月高→翌年2月高」への布石となった。
ハロウィーン効果からサンタクロースラリーという理想が実現するかどうか。
因みにアノマリーは「11月3連休明けは高い」。
そして「11月最終週の株高」となっている。

日経平均想定レンジ
下限22648円(10月23日高値)〜上限24016円(週足のボリンジャーのプラス3σ水準)


JPモルガン証券は9日付と21日付のリポート。
「足元で急伸した日本株は、弱い中間決算に焦点が当たり一旦頭打ちとなるリスクがある。
その後は『年末ラリー』となるのが通例。
再度日本株は上昇する可能性が高い」との見方だ。
にわかに強気が支配し始めた市場。
「年末にかけて一段」は2000年代までのような気もするのだが・・・・。
もっとも・・・。
「年末では新たな買い主体の動きが期待できるかもしれない。
債券からの資産配分」という声もある。
今年、日本の10年債利回りは恒常的に0%を下回るマイナス利回り。
過去に発行された国債は定期的に償還。
12月には約7兆円の償還を控えているが12月に償還を迎える10年305回債の利率は1.3%。
この借り換えは、というか乗り換えの動きに期待というところか。
「銀行の資金運用は、株や債券、その他資産の明確な配分目標が決まっていないところが多い。
株の先高観が強まれば一時的にも株式に運用資産を振り分ける動きが加速する可能性はある」。
久々に聞かれたグレートローテーションである。

日経では「次のワークマンを探せ」の記事。

株高の流れに乗り遅れていた中小型株が息を吹き返している。
相場全体が持ち直し、大型株が個別業績に反応しにくくなる中、機関投資家の関心は中小型株に向かう。
投資余力の回復してきた個人投資家も再び参戦する。
時価総額が年初から2倍強になった作業服販売のワークマンに続く銘柄はどこか。
海外投資家の間で「次のワークマン」を探す動きが広がれば、日本株全体への関心を取り戻すきっかけになりそうだ。

これに対して投資家さんのコメント。

第2、第3の○○(大きく上がったような銘柄)と言われる場合もあります。
しかしなかなか第2、第3の○○はないように・・・。
ワークマンの次は、やっぱりワークマンとも・・・。

「大型株中心だったヘッジファンドも割安に気がついて中小型株に」
「出遅れ感のある中小型株」
「個別要因で手掛けやすい」
「中小型のリビジョンインデックスは1年1日月ぶりにプラスに浮上」
「中小型株は内需関連が多いが、消費増税という山を越えた」。
礼賛ばかりが聞こえてくる。

確かチャートは今年も右肩上がりだ。
個人的にも何度か注目株に上げた。
GWのセミナーでは「現場の作業着がファッションになると誰も考えていなかったと思う。
ファッショナブル、プライベートブランドも出してきている。
今、ワークマンのFCをやりたい人が非常に増えている。
とても売れているため。新形態のワークマンプラスで業績が安定した上昇になってきている。
ものつくり等々を絡めて面白い動きをしてくる会社かなと思っています」とコメント。
株価は5000円水準(分割換算後)だった。
昨年12月12日のメルマガ。
「ワークマンに注目する。
同社は作業服、関連用品の専門チェーン。
アウトドア等向けPB需要旺盛で客数拡大。
アウトドアやスポーツ、雨具のPBに特化した専門店を東京・立川にオープン。
11月度の売上高は、既存店が前年同月比20.1%増で、全店は同24.1%増。
「フィールドコア」「ファインドアウト」「イージス」の主力3ブランドが大幅に伸びた。
防寒の「ヒートアシスト」などPB商品も好調」。
株価は3000円水準だった。
結果論としては株価が長期上昇だから悪くはない。
しかし・・・。
株価が動意づいていないかった頃も一生懸命、地道にIRを行っていた姿勢が脳裏には浮かぶ。
確か昨年の秋。
確か福岡だったと思うが、同社の製品を展示しながらトップが一生懸命アピールしていた。
「これが売れているんですよ」と聞きながら黄色い作業衣や雨具を見たことを思い出す。
そしてそこにたくさん集まっていた投資家さんの姿も・・・。
こういう地道なIR活動がきっと今年の瞠目するべき株価動向に繋がったのだろうと思う。
IFRSだ、ESGだ、企業価値の算定だ、統合報告書だ。
学問チックに横文字に流れる高尚なIRも重要かも知れない。
でも・・・。
やはり現場でのIR行動が一番大切だと思われる事例でもある。
ワークマンの動向は忘れていたものを思い出させてくれたような気がする。

一方で、SBG(9984)のPBRは1倍割れ寸前の水準。
株式分割考慮後で1月23日以来約9カ月ぶりの安値まで売られた。
1倍を割り込むと03年5月以来16年半ぶりとなる。
足元の信用買い残(18日時点で2303万株)は08年7月以来約11年ぶりの高水準。
「年末にかけては処分売りがかさむリスクはある」という見方だ。
直接の原因はウィーワークスへの追加出資の問題ではある。
しかし・・・。
ソフトバンク・ビジョン・ファンドの約1080億ドル(11兆円)第2号追加募集が報じられたのは7月26日。
「本来、利益独り占めの筈の私募ファンドなのに広くカネ集めをするのはおかしい」。
当時の思考法だったが、株価は5800円台。
7月29日に5886円の年初来高値を更新した。
だが週末は3900円割れまで売られた。
違和感とか、「変だ」という感情は理性に勝るような推移となった。

「株価が上がる」。
「時価総額が増える」。
意味していることはほぼ一緒なのに全く違う世界のことのように聞こえてくるから表現というのは不思議なもの。
ここにフツーの夢と希望が加わると・・・。
「株価が上がって欲しい」は利を求める銭ゲバ的守銭奴みたいな言葉にも聞こえる。
「時価総額が増えて欲しい」は理を求める学者さんのような言葉のように聞こえる。
さらに意思が加わると・・・。
「株価を上げたい」は法令違反の犯罪者の言葉に聞こえる。
「時価総額を増やしたい」は清純な聖職者の言葉のように聞こえる。
表現というのは本当に面白いものだ。



日銀が保有ETFの貸し出しをする方向だとの報。
背景は流動性の拡大だというのがお題目。
しかし、証券会社が在庫不足だけを理由に動くのかどうかは微妙だ。
見方を変えればETFの2階建て、3階建て、場合によっては無限級数建てだって可能になる。
まさに仮需の創造の極地の印象。
空売りのための株手当にも使えるし、業界としては望む方向に違いない。
そして日銀のコメントがまた面白い。
「我々は銀行の行動原理はつぶさに把握しているが、証券会社については理解が足りない部分もある」。
まさにその通り。
農耕と狩猟は違うことを理解するべきだろう。

相場格言に「売り期日が再騰の好機」というのがある。
独眼竜石井久氏が出どころとも聞く。
ちなみに・・・。
信用取引制度が開設されたのは昭和26年(1951年)。
戦後の取引所再開のわずか2年後だ。
当時は期日が3か月だったという。
6ヶ月期日になったのが昭和43年(1968年)。
だから高値期日の6ヶ月後、安値期日の6ヶ月後は転換点になりやすくなった。
検証してみると・・・。
TOPIXの高値が4月17日。
10月17日が高値期日だった。
4月17日のTOPIXは1630ポイント。
それが直近1660ポイントまで戻してきたのは需給の改善という背景もあるだろう。
「昨年12月の底値時点での空売り玉はその後に利食いの機会が無かった。
結果、6月頃には制度信用の期日が到来することで、踏み上げ的に買戻さざるを得なかっただろう。
ただし、踏みが入れば相場は天井を形成しやすい。
4月に信用で買い建てた玉は、その後利食いの機会がなく、期日と共に投げ売りされることが懸念される。
ただ相場は投げが出れば底入れすることが期待できる」という指摘もある。
もっとも今回は期日の「お迎え」(期日向かい)で定石通りに期日の約1か月前から値を戻してきた。
3月4日に高値を形成した日経JASDAQ平均は、半年後の9月5日から14連騰。
やはりリズムは重要だ。



それにしても・・・
証券界の不毛の手数料下げ競争は始まってから約20年しても決着がつかない。
SBIは「3か年計画で手数料の完全無料化」を打ち出した。
証券会社は完全に装置産業となりトレードの付加価値はないということだろう。
取り扱い商品に価値があるから収益があるということ。
手数料ゼロということは取り扱い商品が無価値という発想に読めなくもない。
一方でマネックスは「従来は安価で多様な商品が重要だった。
これからは顧客の資産が増えていく付加価値を提供しないといけない」。
こちらの声の方が旧来的かもしれないが理解できる。
付加価値=利益。
装置に飽きた投資家さんが付加価値になびく時代になって欲しいものだ。
もっとも、市場外で見えない利益を稼ぐ証券会社が増えてくるのはいかがなものかという気もしないでもない。
「タダより怖いものはない」は忘れてはいけないし「私だけにいい話は絶対に来ない」ことが多い。
商品先物会社がFX会社になった歴史を見つめなおすことも必要かも知れない。
「砂糖やトウモロコシ、原油やプラチナ」と買う個人投資家さんがどれだけ存在したのだろうか。
そしてどれだけ存在するのであろうか。
顧客ニーズがないところで仮需を創造しても長続きはしないものでもあろう。
「株で儲けたい。株で運用したい」という人がいるからこそ、市場は存在している。
これが原則だろう。




(兜町カタリスト 櫻井英明)


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