みちしるべ 20年03月30日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(3月30日→4月3日の週)

Quick調査の3月19日時点の信用評価損率は▲31.372%(前週▲31.02%)と2週連続の悪化。
3月19日時点の信用売り残は679億円増の8182億円。
3週連続の増加。
同信用買い残は1240億円減の1兆8440億円。
2週連続の減少。
信用倍率は2.25倍(前週は2.62倍)。
3月19日時点の裁定売り残は344億円減の1兆7158億円。
4週ぶりの減少。
当限は640億円減の1兆6008億円。
翌限以降は295億増の1149億円。
同裁定買い残は6億円減の2420億円。
2週連続の減少。
当限は43億円増の1886億円。
翌限以降は50億円減の533億円。
統計のある1991年4月以降で史上最低水準だ。

今年の曜日別勝敗(3月27日まで)

月曜3勝7敗
火曜6勝5敗
水曜7勝5敗
木曜5勝7敗
金曜5勝6敗

「市場では日本株は先週で底入れしたとの期待が生まれている」との記事。
政府の大型経済対策への期待。
安倍晋三首相は参院予算委員会でコメント。
「前例にとらわれることなくマグニチュードに見合う強大な経済財政政策で日本経済を成長軌道に戻す。
効果的なものを与党・地方の声にも耳を傾けて練り上げていく」。
市場からは「経済対策の効果が大きいとみられる銘柄はここでは売りにくい。
輸出株劣勢、内需株優勢は自然の流れだ」という見方だ。
そして個人投資家の買い出動。
「個人の動きは追い証発生で退場を余儀なくされる投資家が多い。
一方、中長期狙いで現物を安値で買おうとする動きが出てきた。
SQ後から個人富裕層がキャッシュを窓口に預け買う態勢を整え始めた。
配当金の権利付き最終日までにこうした大口の個人が買う可能性が高い」。
確かにそんな動きもあるのだろう。
一方で「落ちたナイフは拾うな。
刺されるぞ!
切り返して市場が安定してから信用取引買いですよ。
かなり個人投資家気持ちがふらついています。
先物は板が薄いのに気にしすぎです」と老練な投資家さん。
キャッシュでの押し目買いの動きと追証で退場の展開。
どちらも対極に見えるが、実は、この真逆の同居は底打ちサインであることが多い。


日経平均想定レンジ

下限16690円(3月13日安値)‐上限21918円(52週線)



「株式相場は3カ月先を見て動くもの」とよく言われる。
となると、今の悪材料はどう考えても新型コロナウィルス。
その終焉を見越した動きが連日の日経平均1000円高と考えたいところ。
そしてその先にあるのは、巨大な金融緩和というセーフティネットと多額の財政出動を伴う経済対策。
今を憂うのか未来を先取りするのか。
気分的には後者の方が快い。
人の心理を考えてみれば・・・。
引き籠りも約2か月。
そろそろ啓蟄の虫も動き出してくる頃だろう。
ウイルス感染について万全の注意は必要だが、スカッと明るい報道も欲しいところだ。

格言は「月満つれば則ち虧く」の出展は「史記」。
出展は「日中すればすなわち移り、月月満つれば則ち虧く」。
物事が盛りに達した後は、必ず衰え始めることのたとえ。
また、栄華をきわめたことにおごることへのいましめ。
「満潮ごとに退潮あり」というのもある。
「栄枯盛衰」「盛者必衰」も同様だ。
通常は、株価の天井圏などで思い起こされる言葉だが、今回は違う。
コロナウィルスだって栄枯盛衰。
どこかで天井を打って過去のペストのように知らぬ間に衰退しているのだろう。
そもそも「史記」は紀元前の中国の書物。
人の行動はそんなに変わらないものだ。

新型ウイルス問題と同時並行で世界中で起きているのは外出自粛。
都知事のコメントも「不要不急の外出は避けて欲しい。
平日はできるだけ仕事は自宅で行い、夜間の外出も避けて欲しい」。
自宅で仕事が可能な人ばかりではないが、少なくとも可能な人は「なんだできるじゃん」となろう。
当方も原稿を書くだけなら自宅だけで事足りることは間違いない。
この流れで起きているのはテレワークなどの持薬的拡大だろう。
そしてAIの進化、ロボットの業務代替。
IT化のスピードが速まったことは間違いない。
奇しくも明らかになったのは日本の労働人口が今までいかに無駄な時間を過ごしてきたかということ。
会社に行って時間が過ぎればまた明日が来るというような古き良き姿勢は完全に否定された。
成果がでれば場所も時間も関係ないということが明らかになってきたということだろう。
「残業が減る」なんて文句ももう過去の遺物。
「いつでもどこでも誰でも」仕事が出来る時代の到来が早まってきたということだろう。
早い話がデイトレーダー的に自宅で働くことも不可能ではないということだ。
となると会社員もデイトレーダーも仕事の進め方はそんなに変わらないのかも知れない。
その昔、兜町に行けば情報が何でもあると言われた時代もあった。
しかし、今は対面で話すことなどほとんどない。
これは、兜町に限らず日本中、世界中で起こっていることだろう。
営業はテレワークでは無理だろうという声もあるが、メールとTV会議で事足りる。
呻吟して日参して名刺の数が100枚を超えたら会ってやろうなんて某大手電気メーカー創業者のようなことはもう聞かない。
表現は悪いかも知れないが「奇貨居くべし」という印象だ。

そういえば・・・。
埼玉県知事は県民に対し「週末は東京都への不要不急の外出を控えるよう呼び掛ける方向で調整」との報道。
千葉県も県民に対し「今週末は東京都への不要不急の外出をしないよう呼び掛けることを検討」との報道。
神奈川県知事は「今週末は不要不急の外出を自粛するよう県民に呼び掛ける方針」。
昨年ヒットした映画に「翔んで埼玉」というのがあった。
結構ヒットして興行収入は31億円。
舞台は架空世界の日本の東京都区部の名門校・白鵬堂学院。
東京都と埼玉県の間には関所があり、埼玉県民は通行手形がないと関所を通過できない。
そんなシチュエーション。
まさかそんな可能性に遭遇するとは思わなかった。
ちなみに作中での神奈川県。
知事が東京都に追随する路線を貫いていることから関東各県で最も東京都と蜜月関係という設定だった。
現実の埼玉・千葉・神奈川の外出自粛の表現の微妙な違いがあるようにも思えるから不思議だ。
とはいえ、結局1都3県は首都圏という括りになるのだろう。
それにしても・・・。
「東京五輪延期決定から東京の感染者数が増えて来たのは偶然なのだろうか?」という声も聞こえる。

興味深かったのは日経朝刊の「科学と心理・市場急変に迫る」。
「高速取引業者が売買注文を止めた可能性がある」という市場関係者の指摘。
背景は「参考にできるデータは長くても10年が限度。
過去の暴落時のデータが使えないので急落でどう稼げば良いか機械は判断できなくなった。
アルゴリズムを手掛ける投資家にとって下げ相場を学ぶチャンスは少ない。
ゆっくり上昇して急落するからだ。
参考にできるデータ量が少ない」。
加えて大学教授氏の指摘。
「アルゴリズムはパターンを認識するだけ。
株価を動かす論理まで分析するわけではない。
今回はもろさが出てしまった。
想定外の動きが続くと人間なら仮説を修正して行動を改める。
ある後はそれができず運用成績が悪化した。
機能しなくなった既存のパターン認識モデルの修正にあと2週間ほどは必要だろう。
多くのアルゴが一斉にモデル修正に動けば、それ自身が相場変動の一因になり得る」。
結局アルゴも市場関係者が畏怖するほどには大したことがないということなのかも知れない。
ある意味で「幽霊の正体見たり枯れ尾花」という印象。
しかしスイッチを切ったり売買停止にしたりと指摘されているが、東証1部の売買代金は減っていない。
空売り比率の40%割れはその証左かも知れないがどうも売買停止には違和感が残る。
ということは「5%下落で買い」という経験則を持った人間の経験則の方が勝っているのかもしれない。


(兜町カタリスト 櫻井英明)


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