みちしるべ 21年03月22日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(3月22日→3月26日の週)


QUICK調査の3月12日時点の信用評価損率は▲8.10%(前週▲10.21%)。
3月12日時点の信用売り残は278億円増の8367億円。
2週連続の増加。
同信用買い残は242億円減少の2兆9599億円。
4週ぶりに減少。
2兆円台は44週連続。
金額ベースでの信用倍率は3.54倍(前週は3.69倍)。
8週連続の3倍台。
3月12日時点の裁定売り残は1644億円減の1兆377億円。
(当限は1兆377億円)
2週連続で減少。
裁定買い残は7088億円減の7022億円。
(当限は7022億円)。
4週ぶりに減少。
結局買い残と売り残はまた逆転した。


今年の曜日別勝敗(3月19日まで)

月曜7勝3敗
火曜7勝3敗
水曜6勝5敗
木曜6勝4敗
金曜3勝8敗

3月第2週の海外投資家動向。
現物3008億円の買い越し(2週連続の買い越し)。
先物1058億円の売り越し(4週連続売り越し)。
合計1949億円の買い越し(4週ぶりの買い越し)。

明るい材料は2つ。
一つは法人企業統計での設備投資。
2021年度に企業が見込む設備投資は全産業の合計で7.6%増。
非製造業は7.4%増の見通し。
低迷していた企業の設備投資に持ち直しの兆しが出ている。
年度が始まる前に増額を見込むのは現行調査になった2004年度以降で初めて。
「20年度はコロナウィルス禍で20年度に計画していた分の繰り越しが押し上げる」と。
1-3月の業況判断指数は▲4.5。
一方4-6月期は△5.2。
そし土曜日経朝刊の「上場企業、純利益市場予想比35%増」の見出し。
会社予想と比較すると59%増になるという。
背景はコスト構造見直し効果。
上場企業458社が対象だが時価総額の9割にあたる。
自動車・部品、精密機器は中国や欧米の景気回復を背景に純利益は2.1倍の見通し。
鉄道・バスは今期赤字予想だが、来期は黒字化。
因みに・・・。
上方修正企業から下方修正企業を差し引いた銘柄数の比率はプラス22.7%増。

大和のクオンツレポート。
「3月期末権利配当落ち分が日経平均で179円。
TOPIXで16.9ポイント」。
配当落ちに伴う先物買いにはマックスで「日経平均先物で1000億円強。
TOPIX先物で6500億円程度の買い需要が発生する」と予想。

週末の日経平均の日足は上に上下に長いヒゲを伴う「小陰線」。
5日移動平均線(2万9922円24銭)、 25日移動平均線(2万9654円15銭)をいずれも下回って弱気ムード。
「前日に引いた長い上ヒゲが浮き立つ格好で戻り相場に強い一服感」との解釈。
一方9連騰で連日のバブル後最高値を更新となったTOPIXの日足。
最強の買いサインとなる「並び赤」を形成。
「さらなる上値追いが期待できそうだ」との解釈。

日経平均想定レンジ

下限28960円(3月10日安値)―上限30485円(3月18日高値水準)


大和のレポート。

株式時価が上昇したことで、年金などは当初設定の株式ウエイトを超えてしまった分を毎週売って いるとの指摘。
いわゆるヘアカット。
3月末に向け持ち高調整に拍車がかかっている可能性がある。
SQにまぶして売っていることもあり得るだろう。
一方で信用売残銘柄の買戻しに期待できよう。
3月末には貸株はややタイトになりやすい。
配当分の売りコストもかさむ。
4月になると昨年10月末までのやや停滞した相場の中での信用売り玉が期日を迎えてくる。
となると・・・。
4月末まで売残銘柄の買戻しが期待できる。

興味深いのはみずほ証券のレポート。

例年3月は株式持合解消が多い季節。
同時に、年度で株式が上がっていると、国内金融機関や年金が目標とする資産配分比率を維持するために、日本株を売却する傾向がある。
こうした売りは3月中旬に一巡する。
一方、年度初めには金融機関の新年度の利益を確保するための、益出しの売りが出ると言われる。
過去10年に4月初営業日の日経平均変化率は平均マイナス1.0%。
4月第1週の都銀・地銀の日本株売却額は過去10年平均219億円。
3月最終週比で37億円増えるという。
特に、2020年度は株価が大きく上昇したので、含み益がある株式を益出しやすい環境にある。
一方で年度の株価見通しが明るければ、4月初めに需給要因で下落する局面は良い買い場を提供する。

株価見通しというのはいろいろある。
「上がる」「下がる」そして「動かない」。
いずれも結論がある。
しかし一見結論のようで韜晦のような印象のコメントもなくはない。
たとえば「条件付きの見通し」。
25日線を上回っていれば上昇。
5日線を下回れば下落。
信用買い残が増えれば上昇。
それぞれ当たり前のような条件のついた結論。
しかもそれなりに条件が付いているので一見立派に飾られている印象。
屁理屈が高級感のある市場観測という風に誤解や錯覚を招くことも多い。
たとえ結論が間違ってもそれは見通しの間違いではなく条件を充たさなかった相場のせい。
結論への責任ではなく、条件が悪者と化してしまうことになる。
そういう見通しは一見理路整然としている。
だから、このすり替えや誤魔化しにはなかなか気が付かないもの。
結局、条件付けは間違うのだが結論を間違っても決して傷つかない。
ある意味潔くなく卑怯でもある。
でもそういうコメントをする方もこのことには気が付いていないのかも知れない。
相場だから見間違えることもある。
逆に当たることもある。
間違い続けない見通しなどある訳はないと思うのは不遜だろうか。

先週月曜に一時日経平均は3万円台を回復。
取引時間中としては2月25日以来約3週間ぶりに3万円台に乗せる場面があった。
TOPIXも続伸し一時1980.24ポイントまで上昇。
取引時間中としては1991年5月以来約29年10カ月ぶりの高値を付けた。
日経平均はまさに「裏を返した」恰好。
「裏を返す」は古い言葉。
語源は・・・。
そのむかし吉原の遊郭には「一度指名した遊女を変えてはいけない」というしきたりがあったという。
同じ遊女を指名することを、江戸の吉原では「裏を返す」と言ったという。
指名するとその遊女の名前が書かれた木札を裏返すことから来ている隠語。
「遊里で初めて会った遊女と二度目に来てまた遊興する。
転じて、同じことをもう一度する意」。
あまり良い語源ではないが、証券業界はどういう訳か「大引け」とか「玉」など遊里言葉が多い。
落語などでは「馴染み」という言葉も使われる。
「裏を返さないのは江戸っ子の恥」とも言ったらしいからスマートなこと。
一方では「馴染み」という言葉もあった。
三度目に会うのを『馴染み』といったという(日本語源大辞典)。
今回で戻り2回目の3万円。
まだ裏を返しただけに過ぎない。
早く馴染みになりたいものだ。

2月17日まで7日続伸。
昨年11月12日までが8日続伸。
2019年9月17日までが10日続伸。
バッケンレコードは2017年10月24日までの16連騰。
因みにTOPIXは昨日まで3日連続高値引け。
19年9月13日までが8日続伸。
17年10月24日までが12日続伸。
16年11月28日までも12日続伸。
振り返り始めると途絶えるのが記録だが・・・。

空売り比率が40%を割れた。
2月前半はほぼ39%台だっただけに重い印象はある。

過去を見てみると・・・。
今年3月6日 ▲52.1%
昨年3月12日 ▲51.7%
19年8月5日 ▲51.5%
19年7月18日 ▲51.2%
18年10月23日▲50.8%
18年3月23日
19年3月8日
19年8月2日 ▲50.3%
20年1月28日 ▲50.2%

興味深いのは空売り比率は高まっても信用売り残が増加していないという点。
このところ40%超が続いたが、それでもこの1週間で信用売り残は278億円しか増えていない。
年初からは226億円の減少。
昨年末からは391億円の増加だ。
2兆円―3兆円の売買の4割近くが空売りだというのに変動幅は1週間で数百円程度。
大半が日計りか翌転の玉としか考えられない。
ということは目先の方向感には使えても中長期的には当てにならない指標ともいえる。
目先筋に相場観はほとんどないことが多い。
その日に動けばいいだけのことだからだ。
もっとも、刹那的には昨年3月12日のように大底を示現してくれることもたまになくはない。
50%を超えてバッケンレコードに近づけは反転という恰好で使うのが一番だろう。

(兜町カタリスト 櫻井英明)



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