みちしるべ 22年06月06日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(6月4日→6月8日の週)

5月27日時点のQuick調査の信用評価損率は▲12.40%(前週▲12.16%)。
2週ぶりに悪化。
5月27日時点の信用売り残は798億円増の7744億円。
2週連続で増加。
同信用買い残は223億円減の3兆589億円。
2週連続で減少。
信用倍率は3.95倍(前週4.44倍)。
8週ぶりに3倍台(8週前は3.02倍)。
5月27日時点の裁定売り残は261億円増の3108億円。
2週連続で増加。
裁定買い残は63億円減の7078億円。
2週ぶりに減少。
日経掲載の数字では裁定売り残が193億円増の1878億円。
裁定売り残が166億円減の5053億円。
これは当限だけの数字。
翌限以降は売り残が1230億円、買い残が2024億円だ。

5月第4週の週間海外投資家動向。
現物368億円売り越し(2週ぶりに売り越し)。
先物2924億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
合計2556億円買い越し(3週ぶりに買い越し)。
個人は現物1497億円売り越し。
先物227億円買い越し。
合計1270億円の売り越し。
信託銀行は現物85億円売り越し。
先物149億円売り越し。
合計234億円の売り越し。

5月第3週の週間海外投資家動向。
現物336億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
先物2387億円売り越し(2週連続で売り越し)。
合計2050億円売り越し(2週連続で売り越し)。
個人は現物389億円売り越し。
先物805億円売り越し。
合計1194億円の売り越し。
信託銀行は現物566億円買い越し。
先物35億円売り越し。
合計531億円の買い越し。

今年の曜日別勝敗(6月3日まで)

月曜8勝11敗
火曜11勝10敗
水曜12勝8敗
木曜9勝12敗
金曜11勝9敗

2日日経朝刊のマーケット総合面が持ち出してきたのが5日移動平均騰落レシオ。
「1日に200%を超え買われ過ぎの目安である120%を大きく上回った」。
6日移動平均で見ると161.72%。
ピークは3月23日の277.43%。
日経平均は28040円だった。
確かに短期的には過熱かも知れない。
でも3月17日に238.10だった時の日経平均は26652円。
200%を超えていてもその後約1500円上昇していたからあながち過熱とも言えない。
そもそも5日移動の騰落レシオを持ち出してくることはあまりない。
通常は25日移動平均を使う。
こちらはまだ98.35%だ。
「日経平均は5月26日から850円ほど上昇しており短期的には過熱感が漂う」。
予断に基づいて都合の良いデータが5日移動の騰落レシオだったのだろう。
「27000円程度までは調整する可能性がある」。
分母が27000円の水準での400円と言うのは1.4%。
これは調整というよりは誤差の範囲ではなかろうか。
「日本株短期の過熱サイン、プライム移行以来最大」。
見出しのセンセーショナルさは業界紙並みだ。
「何もない時の大袈裟さ」というのは市場コメントの特長でもある。
些末にこだわりメインストリームを見逃すのはよくあること。
相場の肥やしのような記事に思えてならない。

★日経平均想定レンジ

下限26759円(25日線)−上限28149円(3月25日高値)

デスクの前に座ってただひたすら考えるだけの相場観というのも決して悪くはない。
知識と経験の豊富な老齢市場関係者でもできる。
というか、シニアは時間があるからいろいろな場面局面を想定して相場シナリオを構築できるだろう。
でも、きっと大切なのは現場感覚。
決算書からは読めないし、チャートからも読み取れない。
現場が何を考えどこを向いて動いているのかが大切。
沈思黙考も尊重するべきかも知れないが相場も現場も動いている。
千思万考、百術千慮のちょっと先は好謀善断、熟慮断行。
考えるだけでなく、実行が大切という四字熟語が控えている。
逆になると「軽慮浅謀略」や「皮相浅薄」「軽佻浮薄」ともなりがちだが、でも行動こそ最優先。
考えているだけでは市場コメントに緊張がないように思える。
現場を見ること、感じること。
話を聞くこと。
行ったことも見たこともない世界をアレコレ論じて時間を費やすよりはよほど有効だと思う。
そもそも・・・。
競馬評論家だってデータだけを見て語る人は少ないだろう。
追切りや過去のレースを見てパドックを見て思索し予想するだろう。
多くの関係者は親や祖先のレースまで覚えている。
そういう観点から言うと・・・。
数字だけを見て現場を見ずして未来を予想するなんて行為はある意味冒とくになる。
「現場見ずして見積もりは出せず」。
シャーロック・ホームズのように推理だけでシナリオを構築できる天才はマレ。
でもホームズだって観察は怠らないというのが現実だ。

市場関係者の出自を考えることも重要だ。
商品先物出身者の重大事は金や原油、穀物。
これらが上昇するためには世界的緊張感が高まらなければならない。
だからいつもおどろおどろしいシナリオを持ち出しては「大変なことがやってくる可能性」の論調。
それらのシナリオを聞き続けると世界経済は何度も崩壊し、地球は消滅したような気になる。
でも、現実は違う。
とはいえ・・・。
世界のマネーは昔から実は株ではなく、資源(=エネルギーや食糧など)を巡るパワー争いをしている。
コこれは重要な事だ。
資源の付帯物あるいは二次的現象として株式市場がある。
ただ株式市場は上がるか下がるかのFXや商品先物とは違って企業を応援するという大義名分がある。
如実に表現されているのは配当の有無。
配当という形で毎年投資に報いてくれるのはほとんど株式の世界だ。
これは投資の進化だ。
商品やFXが原人の状態とすれば株は人類と言うと叱られるだろうか。
でも、単なるアップダウンだけではないある意味貴重な世界が繰り広げられている。


「オオカミが赤ずきんちゃんの祖母のベットに寝ている」というのは妥当な表現ではないかも知れない。
日経朝刊の見出しは「新生銀、定期金利10倍」の話だ。
SBIHD傘下となったのを機に6カ月物定期金利を年率0.1%とするという。
定昇はネット専用顧客。
預入額が30万円以上の6カ月物と3カ月物は年0.1%。
大手銀行が年0.002%程度だから換算すれば50倍だ。
1か月ものは年0.2%。
実質でみると年率0.1%は6カ月では0.05%。
3か月では0,25%だ。
仕組み債の分配金などでもこの「年率」に騙されることは多い。
3月末に比べて75万口座増加の880万口座を25年に目指すという。
オオカミに見えるのは「顧客を増やしSBIグループの他の商品の販売再起広げる狙い」。
預金は0.1%かも知れないが、投信や仕組債、保険や不動産などはその何十倍の手数料収入になる。
その上で、新生銀の指揮運用は当然SBIであろうから、勘定は合う。
「銀行と証券をシームレスに連携させ、顧客基盤と預金量の増加を目指す」。
言葉は綺麗だ。
他の表現を変えると「SBI証券の手掛ける不動産関連や投資一任サービスも提供する見通し」。
要は「クロスセルで収益を確保するビジネスモデル」。
クロスセルという言葉は綺麗だがどうも小土呂驚感じる。

証券コードが自動車のナンバーのようになるという。
2024年1月から国内上場企業の証券コードは英文字入りになる。
例えば「9A99」「999A」「9A9A」など。
英文字はB(8に類し)やI(1に類似)O、Q、V、Zを除く19文字。
一度上場して証券コードを与えられた企業が上場廃止になってしまった場合、新たに別の企業がその番号を受け継ぐことはなかった。
その番号は欠番。
また、一度発行された証券番号は、永遠に変わることはない。
近年は番号が不足。
新規上場株には、業種に関係なく2000ー40000番台が与えられることが多い。
現在4ケタの証券コードを持っている企業はそのまま変わらず使用されるという。

因みにだいぶ乱れてしまったが以下が基本だった。

銘柄コードの分類
コード 業種
1300番台 水産・農業
1500番台 鉱業
1600番台 鉱業(石油/ガス開発)
1700番台~1900番台 建設
2000番台 食品
3000番台 繊維・紙
4000番台 化学・薬品
5000番台 資源・素材
6000番台 機械・電機
7000番台 自動車・輸送機
8000番台 金融・商業・不動産
9000番台 運輸・通信・電気・ガス・サービス

移動平均のパラドックスというのを考えてみた。
「移動平均が上向きでなければ株は上がらない。
下向きならば下落、上向きならば上昇」という論理だ。
しかし鶏と卵の世界だが「株価が上昇して初めて移動平均は上向く」というのが物理的に正しい解。
移動平均が上向いたから株価が上昇するのではない。
もともと上がっているのだから移動平均が上昇することになる。
時間軸を間違えると誤った解釈に陥ってしまう例だ。
似たような話だと「買えば下がり売れば上がる」。
これも多分当然で「時価より下の指値が買えたら株価は下落トレンド。
時価より上の指値で売れたら株価は上昇トレンド」。
これが正しいだろう。
自分だけ天底で売買できるなんて言うのは錯覚。
「長期上昇基調だが短期調整もあるかも知れない。
長期下落基調だが短期リバウンドもあるかもしれない」。
評論家の解釈なんてレトリックに満ちていて間違ったり言質を取られないようにできているものだ。

株価が上昇してくると「注意しましょう。警戒しましょう」。
株価が下落して来ると「大変だ。株には手を出さない方が良い」。
どの局面でも「株はリスク。株はアブナイ」の発想が背景となる。
株がそんなに嫌いだったら・・・
あるいは株式投資は危険で儲からないと考えているのなら・・・。
株式市場を語ることを止めれば良いだろう。
戒めと警戒を生じさせることが「志」なのだろうか。
むしろ市場参加者は素人と見下しているようにも思える。
でも投資家さんの方が専門家よりもよほどプロだというケースは多い。

6月に閣議決定する「新しい資本主義」実行計画。
新しい資本主義計画原案のポイント

【人への投資】

・成長分野に労働移動100万人支援
・少額投資非課税制度(NISA)の拡充
・男女間賃金佐野公表義務付け

【科学技術】

・量子、人工知能(AI)、バイオ、再生医療など重点支援
・首相の助言する化学技術顧問設置

【スタートアップ】

・産業革新投資機構の年限を2050年まで延長
・創業融資の個人保証不要に
・事業担保に資金調達しやすい制度新設
・M&A(合併・買収)目的の公募増資円滑化へ23年までにルール見直し

【DX/GX】

・GX(グリーントランスフォーメーション)に10年で150兆円超投資
・GX経済移行債(仮称)発行、カーボンプライシング具体化
・再生可能エネルギーや原子力を最大限活用

土曜の日経朝刊での指摘。

★PER
株価の割安・割高度合いを測る予想PER(株価収益率)で見ると、株価の調整はかなり進んだように映る。
PERは株価のEPS(1株当たり純利益)の何倍の価値になっているかを示し、ダウ工業株30種平均は現在19倍。
20年末の26倍から修正が進んでいるが、過去10年間の平均(17.5倍)からはまだ割高。
ハイテク株が占める割合が高いナスダック総合株価指数は25倍と過去10年平均(25.7倍)を下回りコロナ前の水準に戻った。
金融引き締めで景気後退に向かえば、企業業績は悪化しかねない。
企業のEPS予想が切り下がれば、EPSとPERの掛け算である株価も支えを失う可能性がある。

★国債との利回り差(イールドスプレッド)

イールドスプレッドは1株当たりの純資産を株価で割った「益利回り」から、米10年債の利回りを引いて算出。
イールドスプレッドは大きいほど、債券に対して投資妙味があると判断できる。
ナスダックのイールドスプレッドは24日時点で1.39%と、過去10年平均のイールドスプレッド(2.05%)に比べて低い。
10年平均と同水準にするには、直近の米10年債利回り(約2.75%)で計算すると、株価は足元から約2割安い水準となる。
ダウ工業株30種平均でも同様の結果に。
「株価だけで見た場合、ナスダックは調整が終わったように見える」との声もある。

★日経平均

日経平均株価の予想PERは足元で13倍弱。
過去10年平均(約15倍)に比べれば割安な水準。
2012年頃も11倍前後で推移していた。


週末の兜町での株式セミナー。
終了後にやってきた参加者の質問。
「セミナー資料を作ってから今日までに変えたシナリオはありますか?」。
配布用の資料は印刷やコンプラの関係上数日前までに作る。
しかしシナリオは変わることはないし話す内容は直前までの動きを踏まえている。
だから怪訝な質問だった。
聞いてみると「この間出席した出たセミナーで聞いてみました。
実はシナリオは大分変ったんです、と演者に言われました」。
そんなことがあるんだという印象。
というか、そんなにコロコロとシナリオが変わるものでもなかろう。
臨機応変と言えば聞こえは良いが、コロコロとシナリオが変わるほど相場に対して覚悟がないとも言える。
自分軸がないから周囲環境の変化が相場観の変化につながってしまう可能性があるということ。
これはいつまでたっても相場観が信用されないということにつながってしまいそうだ。
「高ければ強気、安ければ弱気。
上昇すると懐疑、下落すると逆安堵」ではいけない。
そして過去から未来へと続く相場を日々の動きで微分するから余計に無責任になるのかも知れない。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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