みちしるべ 23年04月10日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》




(4月10日→4月14日の週)

3月31日時点のQuick調査の信用評価損率は▲10.03%(前週▲10.46%)。
2週連続で好転。
3月31日時点の信用売り残は2142億円減の7485億円。
2週ぶりに減少。
同信用買い残は1418億円減の3兆2504億円。
4週ぶりに減少。
信用倍率は4.34倍(前週3.52倍)。
1月20日時点以来10週ぶりに4倍台。
3月31日時点の裁定売り残は560億円増の3356億円。
3週連続で増加。
同裁定買い残は777億円減の1兆3617億円。
当限は売り残が556億円増の3173億円。
買い残が795億円減の1兆2863億円。
翌限以降は売り残が4億円増の182億円。
買い残が17億円増の754億円。

3月第5週(3月27日─3月31日)の週間海外投資家動向。
現物70億円買い越し(6週ぶりに買い越し)。
先物1088億円買い越し(2週ぶりに売り越し)。
合計4156億円売り越し(3週連続で売り越し)。
個人は現物2720億円売り越し。
先物2453億円売り越し。
合計5173億円買い越し。
信託銀行は現物180億円売り越し(20週連続で売り越し)。
先物9721億円買い越し。
合計9541億円買い越し(2週連続で買い越し)。

3月第4週(3月20日─3月24日)の週間海外投資家動向。
現物4617億円売り越し(5週連続で売り越し)。
先物1088億円買い越し(2週ぶりに買い越し)。
合計3528億円売り越し(2週連続で売り越し)。
個人は現物2217億円買い越し。
先物953億円売り越し。
合計1263億円買い越し。
信託銀行は現物205億円買い越し(19週ぶりに買い越し)。
先物370億円買い越し。
合計576億円買い越し(11週ぶりに買い越し)。

今年の曜日別勝敗(4月7日まで)

月曜7勝5敗
火曜8勝4敗
水曜9勝5敗
木曜5勝8敗
金曜10勝4敗
米国市場での金利と景気の綱引きは過去1年に渡る金利優先から景気優先に変化した格好。
いずれにしても刹那的な解釈の応酬の反復。
いい加減に「ニワトリとたまご」のような不毛の観測に飽きないものだ。
これが結論のある「ひよことたまご」論争になれば市場はまた不毛のテーマを見つけ出すのだろう。
無益で徒爾な時間の消費はそれこそ無駄なもの。
しかし市場はこの時間の無駄もまた大好きな場所である。
そしてその時間の無駄を経て顧みてみるとそれこそ「滑稽と悲惨」だけが残るものだ。

高邁と低俗。
市場では高邁な意見が尊重されるが、知的で格好良いだけでほとんど役に立たない。
欲望に素直に直結したドロドロとした低俗な相場観は敬遠されるが実はこれが本質。
市場は高級感という鎧でおおわれているが本当は欲望の塊の世界だからだ。
その延長線上で市場関係者の多くは欧米の世界経済動向を語りたがる。
そしてそれを聞く方も世界経済を語ることが格好いいし上等だと考える。
しかし、東京市場はNYの専属物ではない
そして市場は世界経済の影響は受けるがそれだけで完結するものではない。
耳にきれいに響く全体経済でなくできれば格好悪いので避けたいような個別株動向の集積こそが市場なのである。
だから世界経済に逃避せずに足元を熟視することが重要になる。
そして市場は勉強や学習が大好き。
そうではなく体験や経験、実務こそが大切なのは言うまでもない。
知識や理論が先行し、無知と空理空論、究極的には床屋政談の世界になる。
そこに果実はなく時間の浪費だ。
「市場では頭でっかち尻すぼみでなく現実と実務にマッチョに」と言いたいところ。
テネシー・ウィリアムズ の有名な戯曲は「欲望という名の電車」。
言い換えれば「市場は欲望という名の電車に皆が乗っている」を避けてはいけない。
ひょっとするとドストエフスキーの「賭博者」こそ、最適のテキストなのかもしれない。

「スギHD、3期ぶり増益」。
「アダストリア53%増益」。
「ハイディ日高、営業黒字」。
「クスリアオキ純利益5%増」。
「東洋建、38円増配」。

見出しだけは明るく、特に非製造業の堅調が目立つ。
それでも、心血を注いでおそらく不眠不休で作られたであろう中期計画など「物足りない」というのが市場の声。
現実の延長線で鉛筆を舐めたような目標かも知れないが、それでも携わった人たちが可哀そうな気がする。

相場を読むときに必要なのがさまざまなデータ。
あまり触れられないが重要なのは「誰もが見ているもの」ということだろう。
PER、PBR,ROE、あるいは25日線、200日線など。
多くの人が見て知っているからこそ予測も会話も成立する。
ROICとかEBITDAなど浸透するまでの相当時間がかかった。
ROEやROAだって日本に上陸してから30年は経過しているだろう。
罫線にしたって誰も見ないような「23日線」とか「195日線」など持ち出しても何の意味もない。
ところが、なぜか市場というのは「私だけの」というのが好きな場所。
「秘伝」とか「奥義」、「ヒミツの」、「門外不出」とかいうおまじないチックな言葉を好む場所だ。
相場は誰もが見ている指標やデータを使って正々堂々ちと推理を行う場所。
言い換えればポピュリズムの世界だ。
実は市場は大衆優先の社会ということ。
エリート優先=専門家の場ではない。
そこにシャーマニズム(巫術)を持ち込んだところで「変人のたわごと」としか聞こえない。
だから誰もが知っていることで会話することが大切になる。
これはIR活動も一緒。
アルファベット3文字とカタカナでは市場はなかなか理解できないものだ。
呪術語ではなくフツーの言葉でファンつくりをすることが大切になる。
呪文や符牒は必要ない。
それが欲しいのは市場関係者という専門家でしかなかろう。
あるいは専門家でさえも「わかったフリ」をしていることが多い。

★日経平均想定レンジ

下限27376円(200日線)−上限28734円(3月9日高値)

QUICKが調べた国内設定追加型株式投信(ETFを除く)の3月の資金流入額.
海外株を投資対象とした投信への資金流入額が4230億と日本株の310億円を大きく上回った。
海外株投信への資金流入は33カ月連続.
「国内投資家の海外株選好が鮮明」との解釈だ。
2020年以降追加型株式投信の累積資金流出入額。
海外株型は17.5兆円の資金流入。
一方、日本株型は6320億円の資金流出。

JPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)が4日に公開した株主への書簡でのコメント。
「金融不安はまだ終わっていない。
今回の金融不安は08年の危機とは全く異なる。
現在の金融規制で監視しきれない未知のリスクがある。
金融機関が保守的になり、金融環境の引き締めが起きるのは明らかだ」。

ところで、JPモルガンの3日付リポート。
「過去2週間の資金流入のほとんどはシステマチックな投資家、空売り、VIX(変動性指数)の下落によって引き起こされたものだ。
債券利回りの低下は我々の見方では、FRBがハイテク株にパンチボール(刺激策)を投げようとしている兆候ではない。
むしろ景気後退の可能性が高まっていることを示している。
今後数か月でリスクセンチメントが反転し、市場が昨年の安値を再テストする。
投資家は『アンダーウエート 株式』(対キャッシュや固定利付債)、『ディフェンシブ対シクリカルズ』、『クレジットで高格付け対低格付け』を支持すべき。

またJPモルガン証券の4日付のリポート。
「米国株に対して日本株の強気姿勢を維持する。
3月10日にシリコンバレーバンクが経営破綻。
欧米の金融不安を受けて3月は日本株も売られる展開となったが、日本の銀行システムは、3月10日前の日米金利水準においても、日本国債10年物で1%までの金利上昇を想定しても耐性がある。
日本の金融株は売られ過ぎ圏内にある。
その上で、中国のリオープン(市場予想対比強いPMI)、東証の企業改革(株価純資産倍率・PBR1倍割れ企業対象)によるカタリストもあることから、日本株に強気の姿勢を維持。
一方でゴールドマン・サックス。
「FRBの利上げ局面の終了を織り込み、投資家は株式相場の上昇に備えるべき局面を迎えている」との見解。
「多くの投資家はFRBの利上げの打ち止めが近いことを想定しており、歴史的に利上げサイクルの終了直後の数カ月は株価が上昇していることが理由。
ゴールドマンのデービッド・コスティン氏らは3月31日付のリポートで1982年以降の利上げの打ち止めと、その後の米株式相場の動きを分析。
米S&P500種株価指数は利上げ終了後の6回のうち5回で上昇。
終了後の3カ月間は平均8%上昇した。
ゴールドマンは6月FOMCで利上げが打ち止めになると予想している。
米経済が景気後退入りした場合、相場上昇の程度は限られる傾向があるものの、ゴールドマンは今回の金融引き締めによる景気後退入りの確率は市場予想より低めにみている。
ゴールドマンは23年末時点のS&P500種の予想水準を4000(3日時点は4124)としている。
過去の動きはこの予想に対し相場のアップサイドリスクが高まっていることを示唆。
一方、企業業績の悪化などで今回は過去の利上げ終了後にみられたような強い相場展開にはならない可能性があるとも指摘した。

弱気のモルガン、強気のGSの対立の構図が継続した格好で興味深い。

BofAセキュリティーズの4日付の顧客フローリポート。
同社の顧客は先週(3月27?31日)の1週間に米株を32億900万ドル売り越した。
5週ぶりの売り越し。
主体別動向ではヘッジファンド(HF)が3100万ドルの買い越し。
3週連続の買い越し。
機関投資家は15億1700万ドル売り越して売り越しに転じた。
個人投資家は10億1500万ドルの売り越して、売り越しに転じた。
企業の自社株買いは4億5200万ドル。
自社株買いは過去9週間、典型的な季節的傾向を下回っている。
個別株やETFについては、ハイテクと資本財を除く全てのセクターで個別株が買い越し。
ETFは08年以来のデータ史上初めて流出を記録した。
いっそのこと財務至上主義から脱却することも必要なのかも知れない。
東証が求めている流通時価総額100億円とかPBR1倍などの課題は、数値でしか企業を見ないということ。
自社株買いや売り出しなど小手先でかわす企業も多いが、翻訳すれば「株高にしなさい」ということを暗に求めているということ。
きれいごとでESGとかSDGsとか言っている場合ではないということかもしれない。
戦術を考えたがるから見えなくなりやすい。
戦略で考えることだ。
行きつく先はROA向上などは補助エンジン。
メインエンジンは「株高」だ。
そしてそのための本当の成長策ということ。
加えれば「なぜ上場しているのか」とトコトン突き詰めることだ。
市場関係者たちは「無形資産」の数値的評価が難しいから話題にしない。
しかし特許や職人さんの技術、仕入れ網などだって評価しても良いだろう。
大谷選手の「今日はあこがれるのは止めよう」はここでも通用すると考える。
そして、東証プライム上場維持やPBR1倍問題に向けての「目標シート」をつくってみることだ。
いわゆる「曼荼羅」に書き込んで落とし込んでみること。
目標は「PBR1倍実現」でも「東証プライム上場維持」で良いだろう。
計画シートにすることで無駄なものが見えてくる。
おかしなものも見えてくる。
本質だけを抽出して進むことだ。

https://www.kaonavi.jp/dictionary/otanishohei_mokuhyosetteisheet/

(兜町カタリスト 櫻井英明)

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