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【経済&マーケット展望】
アメリカの金利引上げ判断は3月のFOMCで時期明確化

米国の雇用は堅調な伸びを示している。先週末発表の1月の雇用統計によると、非農業部門の雇用者数は事前予想を上回り前月比25万7000人増加したうえ、昨年11〜12月の数字も大幅に上方修正した。

すなわち、昨年11月の雇用者数の伸びは42万3000人で、これまでの35万3000人から7万人の増加、同12月の増加幅も25万2000人から7万7000人アップの32万9000人に修正された。

エネルギー価格の低下が消費の追い風となり、昨年11月から今年1月までの3カ月でみた雇用者数の伸びは月平均で33万7000人を越え、経済活動が順調に拡大していることがわかる。この点だけから見れば、利上げ前倒しの可能性も考えられよう。

しかし、1月28日のFOMCの声明内容を詳細に見ると、足元の低インフレ率を警戒する文言が加わってきたのが注目される。

新たに物価連動国債の動向やブレークイーブン・インフレ率(名目国債金利―物価連動国債金利)の動向に着目し、市場における期待インフレ率がこの数ヵ月大幅に低下した点を指摘している。

FRBの金融政策の目標は雇用の最大化と物価安定(消費者物価上昇率2%)の両立にあり、前者では利上げは射程圏に入ったと言えるが、後者が満足できる状況にはないのだ。

期待インフレ率は現在、10年国債を基準にして1.5〜1.6%前後で推移し、これが2%に向け上昇してこないと利上げの判断は難しいものと予想される。

1月28日の声明では利上げに際し「国際金融情勢」にも留意するとの文言が追加された。FRBによる具体的な言及は示されていないが、反緊縮派の急進左派連合が勝利したギリシャ新内閣の政策いかんで、国際金融市場(ウクライナ情勢も含まれよう)が揺さぶられるリスクを念頭に置いたものと推察される。

3月中旬の次回FOMCの声明内容により利上げの時期はより判りやすくなろう。

(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
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