爆発的ブームの予感「大豆ミート」
爆発的ブームの予感「大豆ミート」
消費者の健康志向を追い風に、大豆でできた人工肉である「大豆ミート」が注目を集めている。
株式市場で話題になったのが、植物性タンパク質で作る人工肉の米ビヨンド・ミートが米国ナスダック市場に上場し、初日の取引で株価は急騰した。
代替肉の製造を手掛ける新興企業としては初の新規株式公開(IPO)となった。
ビヨンド・ミートは、10年前に創業され、マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏や、俳優のレオナルド・ディカプリオ氏らが上場前に出資したことで知られている。
IPO価格を1株25ドルに設定し、2億4060万ドル(約264億円)を調達している。上場時の時価総額は14億6000万ドルとなった。上場初日のこの日、売り出し価格の2.6倍まで急上昇、65.75ドルで取引を終えた。その後7日には一時85ドル台まで上げた。
NHKの ニュースウオッチ9 でも米ビヨンド・ミートが紹介された。
米国では、「健康志向の人などの間で、肉を一切使わずに野菜などで作った代替肉の消費が増えていて」「牛肉などの生産に大量の水や穀物が使われるとして、環境保護を重視する若い人たちの間でも植物由来の代替肉の消費が増えている」とのことだ。
日本企業で関連する会社として、大塚ホールディングス(4578)の大塚食品が取り挙げられていた。2018年11月から肉は使わず、大豆などでできてレトルトハンバーの販売がスタートしている。
また、大塚製薬では、「ソイジョイ」を06年に発売。当時は、大豆を使った菓子はほとんど市場に無かった。近年は豆乳を使った商品も含めて大豆で健康性をうたった商品が増えている。さらには、ソイプロテインや大豆ミートも話題となるなど、さまざまな意味で大豆や植物性の食品に注目している。
市場関係者は、「日本じゃ、もう10年近く前から大豆たんぱくで作ったハンバーグをスーパーで売っている。メタボ解消に愛好しているよ」とのことだった。
私たち消費者が一番気になるのは、健康への寄与だろう。より健康で、より環境に優しい食品を求めているからだろう。
今後、代替肉の市場は日本でも拡大し、2022年には254億円にのぼると予想されている。
日本での類似銘柄では、ズバリ「大豆ミート」の不二製油グループ本社(2607)だろう。消費者の健康志向を追い風に、大豆でできた人工肉である「大豆ミート」の需要が増えている。大豆ミートはまるで肉のような食感を持った食品素材だ。油を抜いた後の脱脂大豆を粉末状にし、水と一緒に特殊な機械で熱と圧力を加えてできる。
ポップコーンのように水蒸気爆発させることで、肉のような繊維状の組織が形成される。調理の際にはこれを水戻しして使う。肉と同じように揚げたり焼いたりして、様々なメニューができる。同社はこれを外食など企業向けに販売するそうだ。
かつてギョーザなどのかさ増しに使われていた大豆ミートを付加価値品として打ち出す顧客企業が増えているそうだ。18年の国内生産量は約3万1000トンと10年前比5割超増えた。
このうち不二製油はシェア約5割の最大手だ。使い方も様々で、例えばカルビーはシリアル「フルグラ」の一部に水戻し前の大豆ミートを「パフ」として入れているそうだ。
世界的な人口増加による肉不足は必ず起こる。そのときに向けて長期的に育てる必要がある」。ようやく出てきた大豆の芽を大事に育み、チョコに続く収益の柱にしたい考えだ。
豆腐関連の食品メーカーでは、三光マーケティングフーズ(2762)、やまみ(2820)、旭松食品(2911)、篠崎屋(2926)などがある。
他では、日清食品HD(2897)は以前、ネット上でカップ麺の「ナゾ肉」(なぞの肉)が話題になったとのこと。2017年9月に日清食品はこの謎肉の正体を「大豆と肉由来の原料に、野菜などを味付けしたミンチ肉」だったと明かしている。
カゴメ(2811)も大豆のミートソースを製造している。
味の素や明治HD、ハウス食などはすぐにでも参入できそうなイメージがある。
三井物産(8031)は、数年前にビヨンド・ミート社に出資をしている。
持ち株比率は少ないものの、ビヨンド・ミートの株主であることもあり、2018年のビヨンド・ミートの日本進出も三井物産が担っている。
大豆ミートは、メニューが増え、味も向上している。まず中年太りの腹を引っ込めるため食生活に取り入れてみるのも一つではないか。日本でも爆発的な人気が来る予感がする。
健康ブームの今、次なるヒットを狙っている企業は幅広そうである、投資も新たな視点が必要になるだろう。