月の初日は高い
結果、日経平均株価の大引けは6銭安だった。
一時プラスになる場面もあったが、それでも良く戻したという印象だった。
日銀のETF買いへの期待もあっただろう。月の初日が高いのは、昨年7月以降16ヶ月連続になる。
このアノマリーの連想からの月末買いというのがあったのかも知れない。
東証1部の騰落銘柄数は、値上がり1073。
値下がり864だから、感覚はプラスでも間違いないだろう。
ただ形式上は、4日ぶりのマイナスとなった。
10月の日経平均が下げたのは、31日と97円安となった25日だけ。19勝2敗で通過した。
月間19勝というのは、週休2日制になった89年2月以降で最多という良好な成績になる。
月間の上昇幅は1655円35銭(8.1%)。
15年10月の1694円95銭(9.7%)に次ぐ記録となった。
25日線(21117円)からの乖離は、プラス4.2%(前日プラス4.6%)まで低下した。
騰落レシオは125.33%。
サイコロロジカルラインも10勝2敗で83.3%となった。
空売り比率が39.7%(前日44.0%)と40%割れとなったのは好感されよう。
日経平均採用銘柄のPERは、15.24倍でEPSは1444.33円と記録を更新している。
日経朝刊では「上昇企業7割が増益」の見出し。
肌感覚で利益の増加が感じられる水準だ。
特に、ソニーの20年ぶりの最高益更新などが目につこう。
2003年春の「ソニーショック」などは、昔日の面影と化してきた。
むしろ「逆ソニーショック」に期待する声も登場している。
10月27日現在の信用買い残は、4週ぶりに増加し219億円増の2兆5948億円。
信用売残は、348億円増加の1兆1019億円。
信用倍率は、2.35倍(今年1月が2.27倍→4月3.13倍)。
16年2月に5.22倍→2016年12月に2.13倍だったことなども過去の話。
ただそろそろ好取組も限界水準だろうか。
「日本株の下げない相場」を演出している日銀の存在感の大きさを指摘する声もある。
17年累計の日銀によるETF購入額は、設備・人材支援型を含め4兆7132億円。
年間約6兆円ペースとする日銀の買い入れ額は17年末までの残り2カ月間で約1.3兆円の買い余力がある。
200日線(19732円)からの乖離はプラス11.63%と拡大している。
「勝手雲」はぶっちぎりの右肩上がりになっている。
ボリンジャーのプラス2σの22275円が蓋となるかどうかが課題だろう。
プラス1σの21696円は、依然としてサポートだろう。
「月の初日は株高」のアノマリーは、17ヶ月連続の可能性大の日だ。
1日の日経朝刊マーケット面では、「株、先高予想広がる」。
どれだけ広がったのかと思えば、中心はせいぜい年末23000円レベル。
平均すれば22500円レベルだ。
ここから300円程度の上昇が「株高」というのも変な感じだが、高いことは高い。
年度末に、25000円というのが突出している。
日銀がETFの購入枠6兆円を使い切れば、日経平均は500円上がるという試算もチマチマしている。
興味深いのは、「年内に22800円まで上昇後に、来年3月末にお2万円に下落」というシナリオだろう。
根拠は不明だが、22800円まで行けば弾みで23000円は達成しよう。
そもそもほとんどバブル崩壊後の半値戻りを達成すれば風景は変わるだろう。
来年3月に、2万円という根拠も聞いてみたいが下落の根拠などやまほど出て来るのだろう。
不思議なのは、こういう見通しが多いことだ。
簡単に言えば「長期上昇基調だが短期調整はある」。
あるいは「長期下落基調だが短期リバウンドはある」。
こういう小刻みな時間軸でのシナリオは間違ってもケガはしない。
でももっと大局観とか壮大な時間軸で相場を考えることの方が重要ではなかろうか。