切り札になるかQR決済
世界では、キャッシュレス化がどんどん進んでおり、様々な支払い方法が出てきています。そんな中、中国で急速で普及にした支払い方法「QRコード決済(QR決済)」です。
QR決済は、2016年より中国で急速に普及したことで注目を集めている決済手法です。
中国で急速に普及した要因は、偽札の存在により現金の信用が低いことや、スマートフォンの普及、中国で広く利用されている「WeChat」や「Alipay」などのツールでQRコード決済機能が実装されたことなどが挙げられています。
中国の都市部では、QRコード決済が利用できないと生活ができないと言われる程、浸透しているようです
更に導入コストが安かったこと、現金の利便性や信頼性が低い割にクレジットカードも一般的ではなかったことなど、店舗経営者にとってQRコードが非常に魅力的な決済手段だったことが挙げられています。
さて、我が日本でもQRコードを使ったスマートフォンによるキャッシュレス決済が急速に広がりつつあります。
QR決済は、暗証番号の入力の必要がなく、読みとりあるいは表示をスムースに行うことが可能です。そのため、会計業務の簡素化に役立ちます。
現金よりもスピーディに、クレジットカードよりも手軽に会計を行うことができるからでしょう。
日本能率協会総合研究所(JMAR)による調査では、日本国内のQRコード決済市場は、2023年に8兆円規模になると市場規模を推計しています。
日本政府も2020年東京オリンピックまでにキャッシュレス化を推進する意向を示しており、QRコードを使った決済は、キャッシュレス化を推進する切り札として期待されます。
LINE<3938>の「LINE Pay」や楽天<4755>の「楽天ペイ」などは既に多く利用されており、最近ではメルカリ<4385>の「メルペイ」、みずほフィナンシャルグループ<8411>の「J−Coin Pay」が登場。
三菱UFJフィナンシャルグループ<8306>・三井住友フィナンシャルグループ<8316>・みずほフィナンシャルグループ<8411>の三大メガバンクがQRコードの規格を統一し、新たな決済サービス「BankPay」を開始することで合意しています。
5月から日本郵政<6178>傘下のゆうちょ銀行が「ゆうちょPay」のサービスを開始されています。
7月1日、コンビニ大手のセブン-イレブンが、QR決済への対応を開始しました。また、セブン-イレブンが7pay(セブンペイ)、ファミリーマートがFamiPay(ファミペイ)というコンビニ独自のコード決済サービスの提供も開始しています。
NTTドコモ<9437>が提供している決済サービス「d払い」は、QRコードやバーコードを使って決済できるスマートフォン向けのサービスです。
ドコモのサービスではありますが、dアカウントを持っていればドコモユーザーでなくても利用が可能。ドコモユーザーのみが利用できる「ドコモ払い」と違い、d払いはドコモユーザーでない方も利用できるため、決済の代金をクレジットカードでの支払いも選択でき、便利で様々なサービスで利用できると人気を集めています。
メディアシーク<4824>は、カメラ付きモバイル端末向けのQRコード読み取りアプリ、ビリングシステム<3623>はインバウンド向けスマホ決済対応で、ビックカメラ<3048>に「微信ペイ」を導入、メタップス<6172>はみずほフィナンシャルグループ<8411>と決済アプリを共同開発しています。
QR決済のデメリットも考えなくていけません。
QRコードというものは、クレジットカードの磁気に比べて複製しやすいようです。
例えば、利用者がQRコードを利用する際に誰かがQRコードを複製すると勝手に買い物をされてしまう可能性も考えられます。
現在はQRコードを一定期間ごとに変更することでセキュリティを確保していますが、それでも穴があることに変わりはありません。
また、お店側のQRコードが偽造されることも考えられます。
セキュリティ面の課題はまだまだ改善の余地がありそうですね。