株高で消費者の行動変化が観測
衆院選を機に、株式市場では「アベノミクス再始動」への期待が高まっている。
高額商品関連銘柄が注目されている。
百貨店は、訪日客と富裕層の需要拡大により上半期は2年ぶりに増収となった。
百貨店の売り上げは回復基調になっている。4〜9月の全国百貨店売上高は既存店ベースで約1%増加した。足元の株高により、国内の富裕層の需要も回復してきた。
「宝飾品、インポートブランドなど全般好調だ。なかでも高級時計の動きが非常に強い。インバウンドの部分を除いても、高額品全般について売れ行きは良い」と言う。
「インバウンド(外国人旅行者)だけではなく、日本人の顧客にも非常に動きが出てきている。特に富裕層の顧客と、若い20代の顧客も消費にもう一度目が向いてきているという状況もある」と言う。
チャート出典:ストックウエザー株式会社
また、松屋 <8237>も好調継続している。2月に時計売り場を改装した松屋銀座では、直近3カ月の時計の売り上げが前年の5割増。「スイスの100万円以上の商品などがよく売れている」と言う。婦人服のジャケットやロングコートが好調、紳士服の売上高も前年超えするなど衣料品の売上高が全体を牽引した。さらに、インバウンドも引き続き好調で、化粧品、時計の売上高が大幅に前年を上回った。
また、日経平均株価上昇との関係性については「百貨店の売り上げは、株価に比例するといわれ、特に高額品の部分については顕著だとなっている。
ただ、その影響は、株価上昇後の1〜2ヵ月後に出てくる」という。同社の10月度店頭売上高は3ヵ月連続で前年を上回るなど好調だ。ここでも高額品の売り上げが伸長している。
株価は、6月23日に年初来高値1167円をつけて以降調整、ここ1000〜1100円近辺でもみ合う展開となっている。
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三越伊勢丹ホールディングス<3099>は、11月1日発表した10月度の国内百貨店事業売上速報で、三越伊勢丹合計の既存店売上高は前年同月比0.6%増と小幅ながら5カ月連続で前年実績を上回った。インバウンド売り上げは、前月からの好調トレンドが国慶節期間中・期間後を含めて継続し、特に基幹3店(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)では、勢いのあった2015年の実績も上回った。
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インバウンド消費も、「爆買い」から「お土産需要」へとシフトしているようだ。
百貨店株については、相対的に出遅れ感も指摘される。9月以降の日経平均株価の強調展開のなか、年末商戦突入に伴い再びスポットライトが当たる場面も近そうだ。