為替相場の変動メカニズム
為替相場の変動メカニズムはなんでしょうか?
24時間休みなく取引が行われている外国為替市場では、さまざまな市場の参加者が、それぞれの目的を持って通貨の売買を行っています。
では、そうした通貨の売買が為替相場にどういう影響を与えているのか、その変動のメカニズムについてご説明します。
基本的な要因は大きく2つに分けることができます。
ひとつは、国境を越えたモノやサービスの売り買いの動向です。
たとえば、日本の輸出が拡大すれば(日本のモノを買う外国人が増えれば)、代金を支払うためにドルなどを円に交換する動き(=円の需要)が増えると考えられる。このため、輸出の増加は円高を導きやすいです。
同じように、日本に訪れる外国人旅行者や、インターネットを通じて日本の情報サービスを利用する外国人などが増えれば、やはりドルなどを円に交換する動きも増えるので円高になりやすいです。
これとは反対に、日本の輸入の拡大や、日本から海外に向かう旅行者の増加は、円安を導く要因だといえます。
為替変動の最大の要因は、国境を越えた投資の動きです。
円高や円安を導くもうひとつの要因は、国境を越えたお金の貸し借りや投資の動きになります。
もし、日本の金利がアメリカに比べてはるかに高かったり、日本の株価がアメリカに比べてどんどん上昇していたら、日本に預金したり、日本の株式を購入しようとするアメリカ人が増えるはずです。この場合、ドルを円に交換する動き(=円の需要)が増えるので、円高を導くと考えられています。
反対に、アメリカの金利や株価が高ければ、日本よりもアメリカに投資したいと考える日本人が増えるので、為替相場は円安になりやすいです。
対ドルレートは、ある通貨の米ドルに対する通貨レートのことです。
対ドルの「ドル」は、アメリカ合衆国の通貨である「米ドル」を指すことが多いです。
対ドルの代表的な通貨ペアには、ユーロ/米ドル、英ポンド/ドルなどが挙げられます。
円高・ドル安とは、アメリカのドルに対して、円の価値が上がる(高くなる=「円高」)ことで、円に対してドルの価値が下がる(安くなる=「ドル安」)ことでもあります。円の価値が上がると、1ドルで交換できる円が少なくなります。
現代では、輸出や輸入などモノの売り買いの動向よりも、国境を越えたお金の貸し借りや投資の動きのほうが規模は大きいため、為替相場を左右しやすいと言われています。
しかも投資の専門家たちは、世界各国の政治・経済・社会のあらゆる情報を収集・分析して、いつ、どの国に、どれだけお金を投資するかなどを決めています。
長期的に資産を形成していきたい場合、日本と比べて金利や経済の成長性が高い国々への国際分散投資が不可欠といえるでしょう。
まずは少額からでも、それぞれのニーズに合った外貨投資を始めてみてはいかがでしょうか。