英明コラム 10月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》10月 第3週
6日(月):
週末のNY株式で主要3指数はマチマチの展開ながらNYダウとS&P500は過去最高値を更新。大手ハイテク銘柄が下落したことからナスダック総合は6日ぶりに反落。雇用統計の発表は見送り。9月のISM非製造業総合指数は50.0。市場予想は51.7への低下だった。
日経平均株価は2175円高の4万7944円と過去最高値を更新。上昇幅・率とも米相互関税の一時停止で急反発した4月10日(2894円、9.13%高)以来の大きさだった。TOPIXも続伸。伸終値は96ポイント(3.10%)高の3226ポイントと最高値を更新。東証プライムの売買代金は7兆8899億円。アドテスト、東エレクが上昇。良品計画、しずおかFGが下落。
7日(火):
週明けのNY株式で主要3指数はマチマチの展開。ナスダック総合とS&P500は終値で史上最高値を更新。「政府機関の閉鎖が6日目に入ったがAI関連の取引が投資家心理を刺激した」との解釈。NYダウは7日ぶりに反落。半導体大手AMDが23.7%急伸。対話型AI「チャットGPT」を手がける米オープンAIにAI半導体を供給する複数年契約を結んだと発表した。フィラデルフィア半導体指数が2.89%高。
日経平均株価は6円高の4万7950円と4日続伸。わずかながら連日で過去最高値を更新。トヨタなど輸出関連株にとっては円安・ドル高も買いを誘う要因。「200日移動平均からの上方乖離率は20%を上回り、相場の過熱感が意識されやすかった」との声もある。朝方には前日比約580円高の4万8500円台まで上昇した。TOPIXは3日続伸し連日の過去最高値更新。東証プライムの売買代金は6兆6084億円。第一三共、日東電が上昇。ファナック、トレンドが下落。信用倍率は4.60倍(前週2.78倍)。
8日(水):
火曜のNY株式で主要3指数は揃って下落。「S&P500は7日続伸していた。軟調なニューヨーク連銀の調査が利益確定の口実になった」と言う見方。EV大手テスラが4%超下落。半導体大手AMDは証券会社による投資判断や目標株価の引き上げを受けて3.8%上昇。IBMが1.5%高。カナダの資源探査会社トリロジー・メタルズの米上場株は207.8%急伸。9月のニューヨーク連銀消費者調査で1年後の失業率が上昇するとの見方が前月よりも高まった。
日経平均株価は215円円安の4万7734円と5日ぶりに反落。前日の米ハイテク株安が重荷となったとの解釈。TOPIXは4日続伸。東証プライムの売買代金は5兆8674億円。フジクラ、東京海上が上昇。東エレク、富士フイルムが下落。
9日(木):
水曜のNY株式で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は反発し、終値ベースの過去最高値を更新。NYダウは小幅に3日続落。米政府閉鎖は8日目。9月FOMC議事要旨は利下げ容認方向で好感。AMDが11.4%高で3日続伸。週初からは43%超上昇。SOX指数は3.40%高と反発。
日経平均株価は845円高の4万8580円と反発。終値で4万8000円台に乗せたのは史上初。前日の米ハイテク株高を背景に、ソフトバンクグループが大幅高。1銘柄で日経平均を470円程度押し上げた。1ドル153円台に下落し日経平均は一段高。TOPIXは5日続伸し連日で最高値を更新。東証プライムの売買代金は6兆2829億円。時価総額は初めて1100兆円の大台に乗せた。中外薬、ディスコが上昇。トヨタ、テルモが下落。
10日(金):
木曜のNY株式で主要3指数は揃って下落。「第3四半期決算シーズンを前に様子見」との解釈。政府機関の閉鎖は9日目に入ったが、進展の兆しはほとんどない。経済指標の発表がないだけに株式市場としては不協和音にならずまともな姿勢に戻った印象。デルタ航空が4.3%上昇。会員制量販店コストコホールセールは9月の売上高を発表した後、3.1%上昇。
日経平均株価は491円安の4万8088円と反落。短期的な過熱を警戒した利益確定や持ち高調整の売りが優勢。4万80000円を下回った場面もあった。一方、日経平均への寄与度が高いファストリが6.6%高。1銘柄で日経平均を260円ほど押し上げた。オプションSQ値4万8779円は上回れず「幻のSQ値」。TOPI)は6日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は6兆3382億円。安川電、資生堂が上昇。トヨタ、SBGが下落。
(2)欧米動向
週末のNY株式で主要3指数は揃って大幅続落。
トランプ大統領が中国に対する関税を大幅に引き上げることを検討していると警告したことを警戒。
中国の習近平国家主席と会談する「理由はない」とした。
NYダウは約878ドル(1.9%)安。
ナスダック総合は約3.5%安。
S&P500は約2.7%安。
ナスダック総合とS&P500の1日の下落率は4月10日以来最大。
フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は6.3%下落。
CBOEボラティリティ指数 (VIX)は6月19日以来の高水準。
(3)新興国動向
中国交通運輸省は米国企業・個人が所有・運航する船舶、米国で建造された船舶、または米国籍船に対し、
14日から追加の港湾使用料を課すと発表した。
同省は米国が導入を予定する入港手数料への対抗措置だと説明した。
(兜町カタリスト 櫻井英明)