英明コラム 7月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 07月 第1週
23日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合指数が続落。イランとイスラエルの紛争への米介入問題が足かせ。週間ではNYダウがほぼ変わらず、S&P500は0.2%下落。ナスダックは0.2%上昇。食料品チェーンのクローガーは上方修正を好感し9.8%上昇。ITサービスプロバイダーのアクセンチュアが6.9%下落。先物決済の「トリプルウィッチング」で合算出来高は209億1000万株と増加。
日経平均株価は49円安の38354銭と3日続落。米国がイランの核施設への攻撃に踏み切ったのを受け、幅広い銘柄に売りが先行。下落幅は一時300円を超えた。ただ売り一巡後は為替の円安進行などを背景に急速に下げ渋り。TOPIXは3日続落。東証プライムの売買代金は3兆8328億円。中外薬、バンナムHDが上昇。レーザーテク、TDKが下落。
24日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。FRBのボウマン副議長の次回会合で利下げを支持すると発言。
「中東情勢の混乱激化を巡る不透明感を相殺した」という解釈。イランの報復措置にホルムズ海峡を通過する石油・ガスタンカーの通行を妨害する措置が含まれていなかった。原油価格は7%下落。テスラが8.2%高。サーバー大手スーパー・マイクロ・コンピューターが9.8%下落。VIX(恐怖)指数は20%割れ。
日経平均株価は436円高の38790円と4日ぶりに反発。トランプ米大統領がイスラエルとイランが「完全な停戦で合意した」と自身のSNSに投稿。FRBが早期に利下げに動くとの観測も好材料視。日経平均の上昇幅は一時600円を超えた。TOPIXは4日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は4兆2040億円。フジクラ、リクルートが上昇。
菱地所、INPEXが下落。
25日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超続伸。パウエルFRB議長の議会証言とイスラエルとイランの停戦を歓迎した。ナスダック100指数は過去最高値を更新。S&P500は2月19日に付けた終値での最高値に迫った。半導体大手ブロードコムが3.9%上昇し過去最高値を更新。フェデックスは時間外取引で4%超下落。
日経平均株価は151円高の38942円と続伸。2月19日以来の高値。東証プライムの売買代金は4兆2028億円。任天堂、信越化が上昇。オリンパス、ファストリが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2509円、NTレシオは14.00倍。
26日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。S&Pは2月19日に付けた終値ベースの最高値を前に上昇一服。ただ半導体大手エヌビディアが4%超上昇し過去最高値更新。「AIの黄金の波」という予測が聞かれる。時価総額は3兆7600億ドル。マイクロソフトの時価総額3兆6500億ドルを抜いた。テスラがは3.8%下落。フェデックスが3.3%安。メモリー半導体製造のマイクロン・テクノロジーは時間外取引で5%以上上昇。
日経平均株価は642円高の39584円と3日続伸。1月24日(39931円)以来約5カ月ぶりの高値水準。3万9000円を上回ったことで海外短期筋による株価指数先物への買いに弾みがつき最大上昇幅は670円まで拡大した。TOPIXは3日続伸し2800ポイント台乗せ。東証プライムの売買代金は4兆9217億円。ファナック、リクルートが上昇。第一三共、花王が下落。日経平均採用銘柄のEPSは2527円。
27日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。S&P総合500とナスダック総合は過去最高値に迫った。「2025年への利下げ前倒し観測が明らかに大きな要因の一つ」との声もある。S&P500の銀行株指数は1.6%上昇。通信サービスセクターの上昇率が最大だった。下落率トップは不動産。
日経平均株価は566円高の40150円と4日続伸で4万円台回復。1月7日の40083円を上回り、年初来高値を更新。TOPIXは4日続伸。終値は35.85ポイント高の2840.54。3月27日以来3カ月ぶりに年初来高値を更新。東証プライムの売買代金は5兆9221億円。信越化、トヨタが上昇。
ニデック、オリンパスが下落。
(2)欧米動向
第1四半期の国内GDP確報値は年率換算で前期比0.5%減。
改定値の0.2%減から下方修正された。
個人消費の伸びは0.5%。
改定値の1.2%から下方修正。
国内需要の伸びは1.9%。
2.5%から 下方修正。
米経済がマイナス成長に陥るのは2022年第1四半期以来3年ぶり。
2024年第4四半期は2.4%のプラス成長だった。
(3)新興国動向
中国株式市場は週間では約2カ月ぶりの大幅上昇。
イスラエルとイランの停戦で投資家心理が改善。
金融株中心に買われた。
CSI300は週間で2.0%上昇し5月5日の週以来の上昇率。
香港ハンセン指数は3月3日の週以来の上昇率となる3.2%高。
(兜町カタリスト 櫻井英明)