英明コラム 6月第4週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 6月第4週 マーケットストラテジーメモ」 |
《マーケットストラテジーメモ一覧へ》
《マーケットストラテジーメモ》06月 第4週
24日(月):
週末のNY市場で主要3指数はマチマチの展開。S&P500とナスダック総合が小幅続落。エヌビディアが3.22%安。半導体株のクアルコム、ブロードコム, マイクロン・テクノロジーが軟調。先物決済日のトリプルウィッチングであったことから利食いの売りが膨らんだとの解釈。
日経平均株価は208円高の38804円と反発。円安・ドル高が進行したのを支えに自動車など輸出関連株に買いが優勢だった。ただ日経平均は朝方を中心に下げる場面もあった。東証プライムの売買代金は3兆4666億円。中外薬、ファナック上昇。信越化、ダイキンが下落。「引き付けてからバットを振るタイミング」という声も聞こえる。
25日(火):
週明けのNY市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは5日続伸で1カ月ぶりの高値水準。一方、ナスダック総合は1%超下落。S&P500とナスダックは今年の株高を主導してきたハイテク株への売りに押された。エヌビディアが6.68%安で3日続落。出遅れていたNYダウが買われ、先行していたナスダックが利食われた格好の循環物色。
日経平均株価は368円高の39173円と続伸。39000円を上回り、4月15日(39232円)以来およそ2カ月ぶりの高値水準。大引けにかけて一段高となり、上昇幅は一時400円を超えた。TOPIXは1.72%高と続伸。東証プライムの売買代金は3兆9594億円。TOPIXバリューバリュー指数の上昇率は2.22%とTOPIXグロース指数の上昇率(1.20%)を上回った。日立、IHIが上昇。ニデック、村田製が下落。新安値0銘柄。信用買い残は4兆9117億円と2006年6月以来およそ18年ぶりの高水準。
26日(水):
火曜のNY市場で主要3指数はマチマチの展開。ナスダック総合が1.3%上昇。3日続落だったエヌビディアは6.8%高。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.8%上昇。4日ぶりに反発した。アルファベットが2.7%高。メタが.3%高、ウォルマートが2.2%安。物流大手フェデックスは引け後の時間外取引で15%急伸。
日経平均株価は493円高の39667円と3日続伸。米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数が1.26%高。これを受けて買い物優勢の展開。一方、前日まで上昇が目立ったトヨタや日本製鉄など時価総額の大きいバリュー株の一角は利益確定売りに押された。東証プライムの売買代金は4兆2538億円。アドバンテスト、日立が上昇。KDDI、ニトリHDが下落。
27日(木):
水曜のNY市場で主要3指数は揃って上昇。ただ米大統領選の第1回討論会を翌日に控えて小動き。エヌビディアが引けにかけてプラスに転じた。アップルは約2%高。アマゾンは3.90%上昇し、時価総額が2兆ドルを超えた。 ダウ輸送株指数は1カ月超ぶりの高値。
日経平均株価は325円安の39341円と反落。東証プライムの売買代金は3兆9859億円。東証プライムの値上がり896銘柄。値下がり677銘柄とアンバランス。太陽誘電、ソニーが上昇。ダイキン、スクリンが下落。
28日(金):
木曜のNY市場で主要3指数は揃って上昇。アルファベットが0.83%、メタが1.25%上昇。前日に時価総額が初めて2兆ドルを超えたアマゾンも2.19%高。一方マイクロン・テクノロジーが7.11%下落。エヌビディアは1.90%安。薬局チェーン大手のウォルグリーン・ブーツ・アライアンスが22.16%急落。
日経平均株価は241円(0高の39583円と反発。東エレクやアドテスト、レーザーテクといった半導体関連などがけん引役。上昇幅を440円ほどに拡大する場面もあった。円相場は一時1ドル=161円台に下落。トヨタなどが円安進行に伴って強含んだ。TOPIXは反発し一時年初来高値を更新。JPXプライム150指数も反発し、算出以来の高値を上回った場面があった。東証プライムの売買代金は4兆2833億円。東証プライムの値上がり660銘柄。値下がり924銘柄と連日のアンバランス。ファストリ、ファナックが上昇。花王、オムロンが下落。
(2)欧米動向
6月の米総合購買担当者景気指数(PMI)速報値は54.6。
2022年4月以来2年2カ月ぶりの高水準となった。
5月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.6%上昇。
前月の2.7%から鈍化した。
いずれも事前に騒ぐ割には株価的にはノーインパクト。
(3)新興国動向
中国は党の重要会議である第20期中央委員会第3回全体会議(3中全会)を7月15─18日に開催予定。
政策期待を支えに、上海香港ともに週末はしっかり。
「国家隊」による買い支え観測も支援材料になった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)