英明コラム 11月第1週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》11月第1週
《マーケットストラテジーメモ》 11月第1週
28日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数はマチマチ。ナスダック総合は続伸。エヌビディアは5.29%高で時価総額がアップルを抜いて世界首位となった。テスラが3.36%高。9月の耐久財受注統計で航空機を除く非国防資本財(コア資本財)受注は0.5%増加。市場予想は0.1%増だった。日経平均株価は728円高の3万8642円と反発。朝方は国内政治の不安定化を警戒した売りが先行。ただ与党の過半数割れは前週末までの報道で織り込みが進んでいたとの見方もあり、その後は買い戻しの動きが優勢だった。
日経平均は前週に1000円あまり下落していたため、自律反発狙いの買いも入りやすかったという見方もある。円相場が153円台後半まで下落したのも追い風。東証プライムの売買代金は3兆8858億円。中外薬、アドテストが上昇。信越化、オリンパスが下落。日経VIは32.14→25.86。
29日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウ前週末までの5営業日で1161ドル下落。「短期間で大きく下げた後で、ハイテク株や金融株を中心に持ち高調整の買い」との解釈。ナスダック総合株価指数は3日続伸。サイコロは10勝2敗。一時7月10日に付けた過去最高値(18654ドル)を上回った。
日経平均株価は298円高の3万8903円と高値引けで続伸。イベント通過で買い戻す動きが続いた。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は3兆5920億円。三菱UFJ、日東電が上昇。中外薬、TOTOが下落。
30日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。ナスダック総合は終値ベースで過去最高値を更新。S&P500は続伸。NYダウは不安定な取引の中で下落した。アルファベットは引け後に発表した決算が市場予想を上回った。SOX指数は2.31%高と反発。9月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は41.8万件減の744.3万件。2021年1月以来、約3年半ぶりの低水準。市場予想は800万件だった。
日経平均株価は373円高の3万9277円と3日続伸。日経平均の上昇幅は一時500円を超えた。東証プライムの売買代金は7兆9625億円と8月5日以来の大きさ。TOPIXのリバランスが影響した。フジクラ、テルモが上昇。中外薬、村田が下落。日経平均は上向きの25日線(38747円)を6日ぶりに上回った。
31日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。半導体セクターはAMDとコルボのさえない見通しを受けて軟調。SOX指数は3.35%安。10月のADP全米雇用報告で民間部門雇用者数は23万3000人増。ハリケーンやストライキによる一時的な混乱への懸念にもかかわらず急増。市場予想は11万4000人増だった。
日経平均株価は196円安の3万9081円と4日ぶりに反落。下落幅は400円を超える場面があった。日銀は金融政策決定会合で政策金利の据え置きを決めた。据え置きは想定内との受け止めから株式市場での反応は限定的。東証プライムの売買代金は4兆9740億円。フジクラ、信越化が上昇。ファストリや、トヨタが下落。
1日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続落。マイクロソフトとメタがAI向け投資の資本費用が増加していると明らかにしたことで、利益率を不安視する見方が広がった。メタは4.1%安、マイクロソフトは6%安。アルファベットは1.9%下落。エヌビディアが4.7%安。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は4%下落。9月の個人消費支出(PCE)価格指数は前年比2.1%上昇。前月の2.3%から鈍化、2021年2月以来3年7か月ぶりの小幅な上昇となった。前月比は0.2%上昇で市場予想と一致、変動の大きい食品とエネルギー成分を除いたコアPCE価格指数は前年比2.7%上昇。
日経平均株価は1027円安の3万8053円と大幅続落。前日の米ハイテク株安や、日銀による追加利上げの思惑から、半導体関連株を中心に幅広い銘柄に売りが先行。東京市場は3連休控え。米国では重要イベントが相次ぐとあって、午後は株の買い持ち高を手じまう動きが強まった。東証プライムの売買代金は4兆4905億円。パナ、富士電機が上昇。アドテスト、レーザーテクが下落。
(2)欧米動向
第3四半期の米国国内GDP速報値は年率換算で前期比2.8%増。
市場予想は3.0%増。第2四半期は3.0%増だった。個人消費は3.7%増。
2021年第1四半期以来の高い伸び。
第2四半期は2.8%増だった。設備投資は11.1%増。
2023年第2・四半期以来の急成長となった。
航空機部門がけん引した。
ソフトウェアへの投資は鈍化した。
(3)新興国動向
IMFのアジア地域の経済見通し報告書。
「貿易摩擦の激化、中国不動産業界の低迷、さらなる市場混乱の可能性によりリスクが高まり、見通しが不透明になっている」。
中国からの持続的なデフレ圧力が、同様な輸出構造を持つ近隣諸国の産業に打撃を与え「貿易摩擦を引き起こす」可能性があると指摘した。
(兜町カタリスト 櫻井英明)