英明コラム 2月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》02月 第2週
10日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。トランプ大統領が「来週にも多くの国に対する相互関税を発表する」とコメント。これが警戒された格好。1月の雇用統計で非農業部門雇用者数は14.3万人増と伸びは前月から減速。市場予想の17万人増も下回り失業率は4.0%と昨年5月以来の低水準。ただ株価インパクト薄く通過。
日経平均株価は14円高の3万8801円と反発。前週末の米株安や米国の関税政策をめぐる懸念から安く始まったが、その後は決算発表銘柄の個別物色などを手掛かりに上昇に転じるなど、前週末終値近辺で方向感の乏しい展開。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は4兆2299億円。村田製、川重が上昇。第一三共、大成建が下落。日経平均採用銘柄のEPSは2551円(前日2525円)と過去最高更新。
12日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウとS&P500は続伸。ナスダック総合は反落。パウエル議長は上院銀行委員会で証言。「利下げを急ぐ必要はない」とコメント。またトランプ大統領は「鉄鋼・アルミニウム輸入に例外なく25%の関税を課す。米国製品に関税を課す全ての国に対する相互関税を今後2日間で発表する」とコメント。ただいずれも特に材料視された形跡は窺われない。好決算のコカ・コーラが4.7%上昇。スーパーボウルはNFC側の勝利でアノマリー的には今年の米株は高い。
日経平均株価は1621円高の3万8963円と続伸。前日のNYダウの上昇を支えに値がさ株が買われた。TOPIXは3営業日ぶりに反発。 東証プライムの売買代金は5兆4101億円。アドテスト、フジクラが上昇。第一三共、クラレが下落。
13日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。S&P500とNYダウが反落。エヌビディアとアマゾンが1%超下落。配車大手リフトは8%安。ヘルスケア大手CVSヘルスが15%急伸。1月の消費者物価指数(CPI)は前年比3.0%上昇。前月比では0.5%上昇し、2023年8月以来、約1年半ぶりの大幅な伸び。ともに市場予想を上回った。金利先物が織り込む年内の0.25%利下げ確率は約70%。
日経平均株価は497円高の3万9461円と3日続伸。想定外の大幅な上昇となったため、ショートカバー(売り方の買い戻し)も巻き込んでさらに強含む展開。上昇幅は一時600円を超えた。154円台の円安・ドル高水準で推移したことも追い風。翌日のSQ算出に向けた、短期筋の仕掛け的な買いが日経平均の上昇をけん引したとの見方もある。東証プライムの売買代金は4兆9684億円。三菱UFJ、トレンドが上昇。SBG、リクルートが下落。日経平均は25日線(39140円)を8日ぶりに上回った。
14日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。テスラは5.8%、エヌビディアは3.2%、アップルは2が上昇。石油大手シェブロンは0.6%高。トランプ米大統領は米国の輸入品に関税を課している全ての国に相互関税を課すと発表。ただ上昇の背景は国債利回りの低下という解釈だ。1月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.5%上昇。伸びは前月の3.3%から加速。市場予想の3.2%も上回った。前月比では0.4%上昇。
市場予想は0.3%上昇だった。
日経平均株価は312円安の3万9149円と4日ぶりに反落。ただ好業績銘柄の物色が活発だった。TOPIXは3日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は4兆9570億円。日産自、ホンダが上昇。大塚HD、三菱重が下落。2月SQ値39432円に対しては0勝1敗。
(2)欧米動向
2月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は67.8。
7カ月ぶりの低水準。
1年先の期待インフレ率は4.3%。
前月の3.3%から上昇し2023年11月以来の高水準。
5年先の期待インフレ率は3.3%。
前月の3.2%から上昇し、08年6月以来の高水準。
(3)新興国動向
中国人民銀行(中央銀行)が14日発表した1月の新規人民元建て融資は5兆1300億元(7064億ドル)。
市場予想を上回り過去最高を記録した。
人民銀行が景気支援に動いており、追加緩和観測が強まっているとの見方。
中国の銀行は質の高い顧客を確保し、市場シェアを勝ち取るため、年明けに融資を前倒しで実施する傾向があるという。
(兜町カタリスト 櫻井英明)