英明コラム 7月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 07月 第4週
14日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「通商政策を巡る不確実性が一段と高まっている」との解釈。メタが1.3%安。エヌビディアは0.5%上昇し過去最高値を更新。時価総額は4兆0200億ドル。食品大手クラフト・ハインツは2.5%高。ジーンズ大手リーバイスが11%高。
日経平均株価は110円安の3万9459円と3日続落。日経平均の下落幅は一時300円に迫った。一方、147円台の円安・ドル高を背景に自動車や医薬品などは上昇。TOPIXは小幅反落。東証プライムの売買代金は3兆6610億円。ファストリ、三菱重が上昇。東エレ、任天堂が下落。10年国債利回りは1.575%と3か月半ぶりの高水準。
15日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。「関税問題よりは経済指標や決算シーズン開始に注目が集まっている」との解釈。ナスダック総合は終値ベースで過去最高値を更新。6月27日以降7回目の最高値更新となった。17日に決算を発表するネットフリックスが上昇。「スーパーマン」新作が週末の北米興行収入でトップに立ったワーナー・ブラザース・ディスカバリーも上昇。ビットコインが初めて12万ドルを突破したことを受けて関連株が買われた。
日経平均株価は218円高の3万9678円と高値引けで4日ぶりに反発。エヌビディアが中国向けAI半導体の輸出再開を表明。東エレクなど半導体関連に買いが入り日経平均を押し上げた。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は4兆1219億円。ファストリ、ディスコが上昇。ニトリ、安川電は下落。
16日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウとS&P500は反落。一方、ナスダック総合は連日の過去最高値更新。ナスダックの最高値更新は過去5営業日で4回目。6月27日以降では8回目。エヌビディアが4%高。AI半導体「H20」の中国向け販売を再開すると発表したことを好感。AMDとスーパー・マイクロ・コンピューターがともに6.4%超上昇。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.3%上昇して1年ぶりの高値水準。
日経平均株価は14円安の3万9663円と小幅に反落。経平均は上昇する局面も目立った。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆3945億円。東宝、アサヒが上昇。資生堂、ロームが下落。10年国債利回りは1.595%と08年10月以来の高水準。日経平均採用銘柄のEPSは2542円。
17日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。ナスダック総合は3日連続で過去最高値を更新。トランプ大統領がパウエルFRB議長を解任する可能性があるとの報道を受けて下落する場面もあった。トランプ氏が報道を否定したため、再び買いが優勢になった。総利益が22%増加したゴールドマン・サックスは0.9%高。半導体株は軟調。6月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は、前月比横ばい、前年比2.3%上昇。エコノミスト予想の0.2%上昇を下回った。
日経平均株価は237円高の3万9901円と反発。TSMCの決算が良好な結果だったとの受け止めから大引けにかけて急速に上げ幅を拡大した。参院選の情勢を巡る不透明感、米国との関税交渉の難航が投資家心理の重荷となった。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は4兆981億円。中外薬、ソニーが上昇セブン&アイ、ダイキンが下落。
18日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とナスダック総合は過去最高値を更新。ナスダックの最高値更新は過去7営業日で6回。S&Pは6月27日以降で6回となった。TSMCは第2四半期決算が過去最高益となりAIの需要が一段と拡大していると指摘。TSMCの米上場株は3.4%高。マーベルは1.6%、エヌビディアは1%上昇。6月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.6%増。5月の0.9%減から予想以上に回復。「利下げを延期できる根拠が示された」との解釈。
日経平均株価は82円安の3万9819円と反落。朝方は4万円台に一時乗せたが、3連休を前に持ち高整理や利益確定の売りが次第に優勢になった。参院選の投開票も手控え要因。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆45億円。中外薬、日立が上昇。住友不、セブン&アイが下落。
7月SQ値4万0004円はザラ場で上回ったが終値では0勝6敗。
(2)欧米動向
6月の消費者物価指数(CPI)は前月比0.3%上昇。
前月の0.1%上昇から加速し1月以来の大幅な上昇となった。
前年比は2.7%上昇。
5月は2.4%上昇だった。
市場予想は前月比0.3%上昇、前年比2.6%上昇だった。
利下げ観測は遠のいた格好。
(3)新興国動向
中国国家統計局が17日発表した6月の16─24歳(学生を除く)の若年失業率は14.5%。
1年ぶりの水準に低下した。
25─29歳(学生を除く)の失業率は前月の7.0%から6.7%に低下。
一方、30─59歳の失業率は3.9%から4.0%に上昇。
(兜町カタリスト 櫻井英明)