英明コラム 2月第4週 マーケットストラテジーメモ
![]() |
「英明コラム 2月第4週 マーケットストラテジーメモ」 |
《マーケットストラテジーメモ一覧へ》

《マーケットストラテジーメモ》02月第4週
25日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は大幅続落。「経済指標の悪化を再認識した」との解釈。S&P500は1日として、昨年12月18日以来の下落率。NYダウの下落幅は週間では昨年10月中旬以来の大きさ。フィラデルフィア半導体(SOX)は2%超下落。週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。ナスダック総合は1%超下落し3日続落。1%超の下落は今月4回目。エヌビディアの決算発表を控えAIを支える技術への需要を巡る懸念が台頭。大型ハイテク株が売られた。日経平均株価は539円安の38237円と反落。米ハイテク株安やトランプ米政権による対中半導体規制の強化観測で値がさの半導体関連株が大幅安。ウォーレン・バフェット氏が投資拡大に意欲を示した商社株は上昇した。TOPIXも反落したものの、下落率は日経平均より限定的。東証プライムの売買代金は4兆8611億円。ニトリ、中外薬が上昇。SBG、リクルートが下落。NTレシオは14.03倍とNY同様に指数の股裂きが起きている印象。前週末までグロース250指数は5週続伸(累計8.7%上昇)。
26日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。消費者信頼感指数が低下。「景気を巡る不透明感の高まりが浮き彫りになった」との解釈。S&P500とナスダックはいずれも4日続落。NYダウは続伸した。エヌビディアは26日引け後の決算発表を前に2.8%下落。
日経平均株価は95円安の38142円と続落。米景気減速の懸念や円高・ドル安進行も重荷となり下げ幅は一時500円に迫ったが、大引けにかけて急速に下げ渋った。東証プライムの売買代金は4兆5360億円。キッコーマン、ファーストリテイリングが上昇。 レーザーテック、ディスコが下落。大商い株専有率(先導株比率)は26.0%(前日30.6%)。ボリンジャーのマイナス3σ(37731円)で下げ止まった。
27日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。エヌビディアの第1半期(2─4月)の売上高は430億ドル(プラスマイナス2%)の見通し。市場予想の417億8000万ドルを上回った。同社の主力AI向け半導体に対する旺盛な需要が続く見通し。引け後の時間外取引で、エヌビディアの株価は不安定な展開の中、約2%上昇。通常取引は3.7%高だった。
日経平均株価は113円高の3万8256円と3日ぶりに反発。もっとも、米景気減速懸念や円相場の上昇傾向など特段の好材料は乏しいなかでの先物主導の展開が続くなか、日経平均は戻り待ちの売りで下げに転じる場面もあるなど、上値は限定的だった。TOPIXも3日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は4兆3399億円。フジクラ、伊藤忠が上昇。セブン&アイ、ニトリが下落。NTレシオは13.98倍(前日14.04倍)。
28日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って急落。半導体大手エヌビディアの8%超の下落が重しとなった。米景気減速を示唆する経済指標も意識された。ブロードコムやアドバンスト・マイクロ・デバイセズが売られ、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は6%下落。トランプ大統領はメキシコとカナダに対する25%の関税措置を予定通り3月4日に発動させると表明。また、今月4日に発動した中国に対する10%の追加関税にさらに10%を上乗せする措置も3月4日に実施すると述べた。セールスフォースが4%安。恐怖と欲望指数は21→18。
日経平均株価は1100円安の3万7155円と反落。昨年9月月19日(37155)以来、約5カ月ぶりの安値。下落幅は昨年9月30日(1910円)以来、5カ月ぶりの大きさだった。米ハイテク株安で国内でも半導体関連が軟調。トランプ米大統領の関税政策をめぐる不透明感から自動車など輸出関連も下落。下落幅は一時1400円を超えた。 東証プライムの売買代金は6兆2109億円。月末要因とMSCIによる指数構成銘柄の入れ替えの影響で膨らんだ。東京海上、セブン&アイか上昇。ファストリ、TDKが下落。
(2)欧米動向
週間ベースでNYダウは1.0%安、2週続落(累計1.6%下落)。
ナスダック総合指数は3.5%安、2週続落(同5.9%下落)。
S&P500指数は1.0%安 2週続落(同2.6%下落)。
フィラデルフィア半導体指数(SOX)指数は7.2%安、2週続落(同7.6%下落)。
2月月間ベースでNYダウは1.6%安、2カ月ぶりに反落。
ナスダック総合指数は4.0%安、4カ月ぶりに反落。
S&P500指数は2.6%安、2カ月ぶりに反発。
SOX指数は1.4%安、2カ月ぶりに反落。
(3)新興国動向
2月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.2に上昇。
3カ月ぶりの高水準。
市場予想中央値は49.9だった。
サービス業と建設業を含む非製造業PMIは50.4。
1月の50.2から上昇。
5日に開幕する全国人民代表大会(全人代=国会)を控えているという理由もあるのかもしれない。
中国政府は全人代で2025年の成長率目標を約5%に据え置く見通し。
(兜町カタリスト 櫻井英明)