英明コラム 9月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》09月第2週
2日(月):
週末の株式市場で主要3指数は揃って上昇。NYダウは連日で終値ベースでの過去最高値を更新。アマゾンやテスラなどが上昇。前日6.4%下落していたエヌビディアは1.5%高。月初からの上昇率はS&P500が2.3%、NYダウが1.8%、ナスダック総合が0.6%。個別銘柄では、アマゾンとテスラが3%強上昇。
日経平均株価は53円高の38700円と小幅続伸。約1カ月ぶりの高値水準。米株式市場の上昇円安・ドル高が追い風。取引時間中としては一時およそ1カ月ぶりに39000円台に乗せた。TOPIXは小幅に5日続伸。東証プライムの売買代金は3兆3216億円。クレセゾン、川重が上昇。中外薬、ヤマトHDが下落。ただ5日ぶりに日足陰線。
3日(火):
週明けのNY株式市場はレーバーデイで休場。
日経平均株価は14円安の38787円と3日ぶりに反落。円相場が一時1ドル=147円台前半まで下落。国内長期金利の上昇(債券価格は下落)を受け金融株も買われた。
ただ心理的節目の39000円に近づくと上値が重くなった。後場はマイナス転換。TOPIXは6日続伸。東証プライムの売買代金は3兆3167億円。ファストリ、ダイキンが上昇。太陽誘電、伊藤園が下落。上向きの25日線(37174円)から4.07%プラスかい離。
4日(水):
3連明け週明けの株式市場で主要3指数は揃って大幅反落。「1950年以降9月は株価パフォーマンスが悪いことも警戒」との見方。ハイテク7銘柄「マグニフィセント・セブン」が下落。エヌビディア10%近く下落。アルファベットが3.6%、アップルが2.7%、フィラデルフィア半導体指数(SOX)は7.8%安。VIX(恐怖)指数は33.2%上昇の20.72。
日経平均株価は1638円安の37047円と大幅続落。前日の米欧株式相場が軒並み下落した流れを引き継いだ。円相場が一時1ドル=144円台に上昇すると、株価は下げ足を速め下落幅は一時1800円を超えた。TOPIXは3.65%安と大幅反落。東証プライムの売買代金は5兆1062億円。ニトリHD、花王が上昇。ファストリ、リクルートが下落。日経VIは27.05。25日線も200日線も下回った。
5日(木):
水曜の株式市場で主要3指数はマチマチの展開。「9月は常に不安定だが、経済は持ちこたえている」という声が聞こえる。前日に時価総額が2790億ドル減と大幅な落ち込みを記録したエヌビディアは1.7%下落。米司法省から召喚状を受け取ったという報道は否定した。アップルが0.9%安、マイクロソフトが0.1%安。ダラー・ツリーが22%の大幅安。テスラは4.2%上昇。
日経平均株価は390円安の36657円と3日続落。8月14日(36442円)以来およそ3週間ぶりの安値水準。下落幅は一時700円近くに達した。前日の米市場ではエヌビディアが下落したことからハイテク株が軟調。東証プライムの売買代金は4兆2056億円。三菱倉、花王が上昇。ファストリ、中外薬が下落。
6日(金):
木曜の株式市場で主要3指数はマチマチの展開。9月のS&P500の平均騰落率は1928年以降で約1.2%安。同指数は今週これまでで2.5%以上下落している。テスラが5%近く上昇。通信大手フロンティア・コミュニケーションズは10%の大幅安。
日経平均株価は265円安の36391円と4日続落。米雇用統計の発表を控え、雇用情勢と発表後の円相場や米株の動きに対する警戒からは売りもの優勢の展開。東証プライムの売買代金は3兆8553億円。エムスリー、資生堂が上昇。 東エレク、ダイキンが下落。
(2)欧米動向
7月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.5%上昇。
前月と変わらずだった。
いずれにしても9月FOMCでの4年ぶりの利下げになる見通し。
8月のISM製造業景気指数は8カ月ぶり低水準だった7月の46.8から47.2に上昇。
分岐点の50は5カ月連続で下回った。
8月のISM非製造業総合指数は51.5と前月の51.4からほぼ横ばい。
50を上回り、市場予想の51.1よりも好調だった。
(3)新興国動向
中国株式市場は7カ月ぶりの安値水準。
中国人民銀行(中央銀行)前総裁の易綱氏は6日、上海で開催された「外灘金融サミット」に出席。「中国はデフレ圧力との闘いに注力すべき」だと述べた。
人民銀行は前日、追加緩和を示唆したが、市場関係者は当局が景気低迷を認めたと受け止めている。
(兜町カタリスト 櫻井英明)