英明コラム 6月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》06月第2週
10日(月):
週末のNY市場で主要3指数は揃って下落。5月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比27万2000人増。市場予想の18.5万人を大きく上回った。ただ3月と4月の増加数は合計1万5000人下方修正。失業率は3.9%から4.0%に上昇。4%割れの連続記録は27カ月で途切れた。時間当たり平均賃金は前月比0.4%上昇。4月は0.2%上昇だった。経済の基調的な健全性が注目されS&Pは切り返し。取引時間中の最高値を更新する場面もあった。日経平均株価は354円高の39038円と反発。円安・ドル高の進行を背景に輸出関連株などが上昇。TOPIXも反発し1%超の上昇。
東証プライムの売買代金は3兆3195億円と今年最低。日立、トヨタが上昇。日本M&A、メルカリが下落。
11日(火):
週明けのNY市場で主要3指数は揃って反発。ナスダック総合とS&P500は過去最高値を更新。アナリストが投資判断を引き上げたウォルマートとハネウェル・インターナショナルが上昇。アマゾン、マイクロソフトなど主力ハイテク株の一角も堅調。ホーム・デポ、ウォルト・ディズニー、ユナイテッドヘルス・グループも高かった。年次開発者会議を開いたアップルは1.9%下落。ビザ、マクドナルド、ナイキも売られた。 米半導体大手エヌビディアは10対1の株式分割を受け、NYダウに採用されるとの観測が浮上。
日経平均は96円高の39155円と続伸。一時300円近く上昇する場面もあったがその後は伸び悩み。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は3兆5422億円。東エレ、ディスコが上昇。塩野義、日立が下落。信用買い残は1171億円増の4兆8260億円。
12日(水):
火曜のNY市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は連日の終値ベースでの過去最高値更新。背景はアップルの7.3%高。音声アシスタント「Siri(シリ)」などのアプリに生成AI技術「アップルインテリジェンス」を導入すると発表。これが好感された。
日経平均株価は258円安の38876円と反落。FOMCの結果公表などを控え、利益確定売りが出やすかったとの解釈。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は3兆3653億円。ディスコ、TDKが上昇。ファストリ、リクルートが下落。空売り比率は3日連続で40%割れ。
13日(木):
水曜のNY市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は3日連続で終値ベースの過去最高値更新。FOMCの経済見通しでは年内の利下げが1回のみと予想された。CPIを好感し、FOMCを警戒した格好。オラクルが13.3%急伸。アップルは続伸し2.9%高。時価総額が一時、マイクロソフト超えて一時的に世界首位の座を取り戻した。
日経平均株価は158円安の38720円と続落。米ハイテク株高を受けて半導体関連などに買いが先行。買い一巡後は利益確定や戻り待ちの売りに押され下落に転じた。TOPIXも続落。東証プライムの売買代金は3兆9883億円。三菱重、太陽誘電が上昇、住友化、デンカが下落。日経平均採用銘柄のEPSは2379円で過去最高まであと8円。
14日(金):
木曜のNY市場で主要3指数はマチマチの動き。S&P500とナスダック総合は4日連続で終値ベースの過去最高値を更新。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は1.5%上昇。終値で最高値を更新した。ブロードコムが12.3%伸。エヌビディアが3.5%高。アップルが0.5%高。SKEW指数が162.25まで上昇。
日経平均株価は94円高の38814円と小幅反発。米株式市場でハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数やS&P500株価指数は連日で過去最高値を更新。これを受けてハイテク株の一角は堅調だった。TOPIXは反発。東証プライムの売買代金は5兆3191億円。メジャーSQでやや膨らんだ格好。暫定SQ値38535円は上回り「幻」脱却。逆に「下に幻」となった。ダイキン、三井物が上昇ファストリ、トヨタが下落。
(2)欧米動向
世界銀行の最新の世界経済見通し。
2024年の世界経済成長伸び見通しを2.6%とし、1月時点の予測から0.2%ポイント上方修正。
好調な米国が主導し、3年連続での成長率縮小を回避する見通し。
(3)新興国動向
5月の新規人民元建て銀行融資は9500億元(1309億3000万ドル)。
前月から増加したが市場予想を大幅に下回った。
マネーサプライの伸び率は過去最低。
5月のマネーサプライM2の前年比伸び率は7.0%。
市場予想の7.2%を下回り、過去最低。
4月は7.2%だった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)