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英明コラム 9月第3週 マーケットストラテジーメモ
「英明コラム 9月第3週 マーケットストラテジーメモ」


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《マーケットストラテジーメモ》09月第3週

 
 9日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は続落。エヌビディアが4%安、テスラが8.4%安、アルファベットが4%安、半導体大手ブロードコムは10.4%下落。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は4.5%下落。週間ベースではS&P500とNYダウが2023年3月以来最大の下落。ナスダックの下落は22年1月以来最大となった。
 
日経平均株価は175円安の36215円と5日続落。米国の景気減速懸念から、投資家のリスク回避目的の売りが優勢だった。日経平均の下落幅は一時1100円を超え、取引時間中としては約1カ月ぶりに35000円台になった。大引けにかけて日経平均は急速に下落幅を縮小。TOPIXは4日続落。東証プライムの売買代金は4兆626億円。第一三共、コナミが上昇。アドテスト、レーザーテクが下落。
 
10日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の反発。「安値拾いの買い」との解釈。「投資家が割安優良株に再び注目している」という指摘もある。
前週15.3%下落したエヌビディアが3.5%上昇。アップルは生成AI(人工知能)機能を搭載した新型スマートフォン「iPhone16」を発表。ただ株価は0.04%高とさえず一時2%近く下落する場面もあった。
 
日経平均株価は56円安の36159円と6日続落。持ち高調整の売りが優勢だったとの解釈。TOPIXは5日続落。東証プライムの売買代金は3兆7829億円。ソニー、コナミが上昇。第一三共、太陽誘電が下落。
 
11日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの展開。NYダウは反落。S&P500とナスダック総合は小幅続伸。大統領選挙候補のTV討論を待つ姿勢だった。「銀行の今四半期業績予想引き下げへの懸念が材料」という見方もある。自動車・住宅金融サービスなどを手がけるアライ・ファイナンシャルが17.6%下落。JPモルガンは5.2%安、ゴールドマンは4.3%安。ヒューレット・パッカード・エンタープライズが8.5%下落。一方、オラクルは11.4%上昇。
 
日経平均株価は539円安の35619と7日続落。一時1ドル=140円台と、約8カ月ぶりの高値を付けたのを受け売り物優勢の展開。下落幅は900円を超える場面もあった。値ごろ感に目を付けた国内投資家などからの買いが入り、下げ幅を縮小する場面もみられた。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は4兆1993億円。信越化、三井物が上昇。ファストリ、KDDIが下落。7日続落での下落幅は3081円(8%)。
 
12日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は大幅高。8月のCPIを受けFOMCでMの0.5%利下げ観測が後退。NYダウは一時700ドル超下落し4万ドルを割れた場面もあった。ただエヌビディアが8%急伸。全体のブルモードを刺激した格好。「9.11の株高アノマリー」も支援材料となった。NYダウの騰落レシオは164,89。
 
日経平均株価は1215円高の36833円と8日ぶりに反発。日経平均は前日までの7日続落で3000円超下落。「相場が底入れしたとの見方が買い安心感につながった」という見方もある。TOPIXは7日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は4兆2134億円。川重、村田製が上昇。第一三共、日清粉が下落。
 
13日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。各種経済指標が予想通りだったことを好感。「今週のデータで経済がハードランディングする可能性は低い」という見方が台頭した。より景気動向に敏感な小型株で構成するラッセル2000指数が1.2%高。8月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比(季節調整済み)0.2%上昇。サービス価格の上昇を背景に、伸びは市場予想(0.1%)を上回った。
 
日経平均株価は251円安の36581円76銭と反落。1ドル=140円台後半まで円高・ドル安が進み、トヨタなど主力の輸出関連株に採算悪化を懸念した売りが優勢になった。円高進行に歩調をあわせて海外短期筋とみられる株価指数先物への売りも膨らんだ。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆2171億円。ディスコ、日東電工が上昇。ファストリ、SBGが下落。暫定SQ値36906円は下回った。
 
(2)欧米動向
 
8月の雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比14万2000人増。
市場予想は16万人増だった。
もっとも8月の雇用者数は過去13年で10回上方修正されたというのがアノマリー。
7月分は11.4万人増→8.9万人増に下方修正。
失業率は4.2%で前月の4.3%から小幅低下。
市場予想は4.2%だった。
8月のCPIは前年比2.5%上昇。
前月の2.9%から鈍化し、2021年2月以来の小幅な伸びとなった。
食品とエネルギーを除くコアCPIは前年比3.2%上昇と前月と変わらず。
 
(3)新興国動向
 
中国の習近平国家主席は政府関係部局に対し経済・社会の発展の年間目標達成に向けて取り組むよう求めたとの報道。
国外の証券会社が2024年の中国の経済成長率が政府目標である5%前後に届かないとの見通し。
習氏は北西部の蘭州市で開かれたシンポジウムで、年末まで全ての地域が経済活動を「しっかり実行する」必要があると強調した。
不動産不況の長期化や失業率の高止まりで中国経済が低迷。
債務問題や貿易面での緊張の高まりといった課題も抱える。
中国政府がさらなる政策措置を取る必要があるとの見方も出ている。
習氏は雇用を重視する姿勢。
成長が見込まれる産業分野を拡大していくよう呼びかけた。
 


(兜町カタリスト 櫻井英明)
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