英明コラム 4月第3週 マーケットストラテジーメモ
![]() |
「英明コラム 4月第3週 マーケットストラテジーメモ」 |
《マーケットストラテジーメモ一覧へ》

《マーケットストラテジーメモ》04月 第3週
14日(月):
週末のNY株式市場主要3指数は揃って反発。ボストン地区連銀のコリンズ総裁が「FRBは金融市場の機能を維持する準備がある」とコメント。安心感が拡大したとの解釈。週間上昇率はS&P500とNYダウが2023年11月以来、ナスダック総合が22年11月以来の大きさ。
日経平均株価は396円高の33982円と反発。目先の株価の戻りに期待した海外投機筋が株価指数先物に断続的な買いを入れたとの解釈。週末に1000円超下落したため自律反発狙いの買いも入り、上昇幅は一時700円を超えた。東証プライムの売買代金は3兆8791億円。日経平均の日中値幅(高値と安値の差)は437円89銭と4月2日以来の小ささだった。ソニー、松竹が上昇。ファストリテ、イオンが下落。
15日(火):
週明けのNY株式市場主要3指数は揃って続伸。スマートフォンやコンピューターが相互関税の対象から除外されたことを受けた格好。ただ、今後の関税を巡る不透明感から3指数はいずれも日中高値から押し戻された。
日経平均株価は285円高の3万4267円と続伸。自動車を中心に幅広い銘柄に買いが先行。ただ買い一巡後は利益確定売りや戻り待ちの売りが出て伸び悩み。TOPIXも続伸。東証プライムの売買代金は3兆5147億円。1月21日以来2カ月半ぶりの低水準。塩野義、富士フイルムが上昇。東ガス、安川電が下落。信用倍率は8.60倍(前週9.63倍)に低下。
16日(水):
火曜のNY株式市場主要3指数は揃って3日ぶりに反落。関税を巡る不透明感が依然として高く消費者関連株やヘルスケア株が下落。銀行の好決算が支援材料となった格好。
日経平均株価は347円安の33920円と3日ぶりに反落。トランプ米政権による追加関税や対中輸出規制を通じた半導体関連企業の業績悪化を懸念した売りが優勢。後場はオランダの半導体製造装置大手ASML決算発表を受けて半導体関連への売りが一段と強まり、日経平均の下げ幅は一時600円を超えた 東証プライムの売買代金は3兆8316億円。セコム、エーザイが上昇。ファストリ、SBGが下落。
17日(木):
水曜のNY株式市場主要3指数は揃って大幅に続落。半導体大手エヌビディアが対中国半導体輸出に対する米国の新たな規制で多額の費用負担が生じると警告。FRBのパウエル議長が米経済成長は減速しつつあるという見解を示したことで売りが加速した。パウエル議長の発言後に下落幅を拡大。半導体株の下げが目立ち、フィラデルフィア半導体指数(SOX)が4.1%下落。ただ大幅安ながら恐怖と欲望指数は19?14と低下。
日経平均株価は457円高の34377円と反発。円安進行に歩調をあわせて株価指数先物に断続的な買いが入った。14時30分に台湾積体電路製造(TSMC)が発表した1−3月期決算で純利益が市場予想を上回ったことも材料視。大引けにかけて一段高。 東証プライムの売買代金は3兆7410億円。TDK、ファナックが上昇。ニトリ、花王が下落。日足は5日ぶりに陽線。
18日(金):
木曜のNY株式市場主要3指数はマチマチの展開。関税を巡る日本との協議についてトランプ米大統領は「大きな進展」があったとコメント。一時楽観に傾いたが、金利見通しへの懸念が重しとなった。グッドフライデーの祝日で3連休となる週末を控ていることも慎重な展開の背景となった。イーライ・リリー、アップルは上昇。一方、医療保険大手ユナイテッドヘルスが22%急落。
日経平均株価は352円高の34730円と続伸。中外薬が大幅に上昇するなど医薬品株に買いが向かい、投資家心理を支えた。もっとも上値追いの動きは限定的。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は3兆3015億円。昨年12月25日以来4カ月ぶりの低水準。バンナム、セブン&アイが上昇。アドテスト、東エレクが下落。
(2)欧米動向
4月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)は50.8。
3月確報値の57.0から低下。
市場予想の54.5を下回った。
2022年6月以来の水準に低下した。
1年先の期待インフレ率は6.7%。
前月の5.0%から急上昇。
1981年以来の高水準。
4カ月連続で毎月0.5%ポイント以上上昇した。
(3)新興国動向
中国とカンボジアはサプライチェーン(供給網)の構築や輸送インフラでの協力関係を強化することで合意した。
中国の習近平国家主席によるカンボジア訪問は、ベトナムとマレーシアを含めた東南アジア3カ国歴訪の締めくくり。
米中関税問題を「相手にせず」に着々とアジア歴訪を続けた中国の方が一歩進んでいる様相。
(兜町カタリスト 櫻井英明)