英明コラム 6月第4週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 6月 第4週
16日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って1%超の急落。イスラエルによるイランに対する大規模攻撃を受け、中東情勢の緊張が高まったことを警戒。「ホルムズ海峡が封鎖されれば、 世界的に市場に極めて深刻な影響が及ぶ」との解釈。原油価格先物が約7%急騰。エクソンモービルが2.2%、ダイヤモンドバック・エナジーが3.7%上昇。ロッキード・マーチン、RTX、ノースロップ・グラマンが3%超上昇。エヌビディアは2.1%安、アップルは1.4%安。
日経平均株価は477円高の38311円と反発。アドバンテストは一時10%超上昇し日経平均を217円押し上げた。TOPIXは3日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は4兆712億円。ディスコ、ファナックが上昇。HOYA、資生堂が下落。
17日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反発。「原油価格が下落。エネルギー価格の上昇でインフレが押し上げられるとの懸念が和らいだ」との解釈。AMDが証券会社による目標株価引き上げを好感して8.8%高。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は3%超上昇。ナスダック総合は5月27日以来の上昇率となった。
日経平均株価は225円高の38536円と続伸。2月21日以来、約4カ月ぶりの高値水準。終値ベースで38500円台キープした。中東情勢を巡る過度な警戒がいったん後退。値がさのハイテク株を中心に上昇。TOPIXは続伸。東証プライムの売買代金は4兆412億円。アドテスト、任天堂が上昇。ニトリ、中外薬が下落。日経平均の75日線は上向いた。
18日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反落。「中東懸念が再燃」との解釈。恐怖指数(VIX)は21.6と5月23日以来の高水準。防衛関連株が買われロッキード・マーチンが2.6%上昇。製薬大手イーライ・リリーが2%安。5月の小売売上高(季節調整済み)は前月比0.9%減少。1月以来4カ月ぶりの大幅な減少となった。
日経平均株価は348円高の38885円と高値引けで3日続伸。2月19日以来の高値水準。TOPIXは3日続伸。東証プライムの売買代金は4兆541億円。任天堂、ファストリが上昇。中外薬、フジクラが下落。
19日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。FOMCは金利据え置きで通過。イスラエルとイランの衝突に米国がより直接的に軍事介入する可能性に懸念も出ている。ステーブルコイン発行のサークル・インターネットが33.8%急伸。鉄鋼大手ニューコアが3.3%高。
日経平均株価は前日比396円安の38488円と安値引けで4日ぶりに反落。前日までの上昇の反動による利益確定目的の売りがでたとの解釈。東証プライムの売買代金は3兆6462億円。三越伊勢丹、三菱重が上昇。トヨタ、ダイキンが下落。
反落でも新高値は110銘柄。
20日(金):
木曜のNY株式市場はジューンティーンス(奴隷解放記念日)で休場。
日経平均株価は85円安の38403円と小幅続落。日経平均の下落幅は一時100円を超えた。逆に個人投資家の押し目買いやアドテストなど値がさの半導体関連株への買いが支えとなり、日経平均は150円ほど上昇した場面もあった。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は6兆6964億円、売買高は27億7289万株とそれぞれ4月7日以来の高水準。膨らんだ背景はFTSEの銘柄入れ替え。TDK、太陽誘電が上昇。任天堂、ファストリが下落。
(2)欧米動向
米国防省近くのドミノピザ2店で6月16日夜、注文数急増との報道。
「ペンタゴン・ピザ・レポート」が伝えたという。
しかも配達のために交通量まで増加したという話。
「夜通し何かの作戦会議?」と市場関係者。
世の中には「ペンタゴン近くのピザ屋が忙しいと、株価が暴落するかもしれない」というアノマリーもあるという。
時代がどんなに進化しても人間のやることにそう成長はない。
そして観察眼にも大きな変化はないようだ。
(3)新興国動向
5月の台湾の輸出受注は、前年同月比18.5%増の579億3000万ドル。
4カ月連続で増加した。
市場予想は18.9%増だった。
人工知能(AI)を中心とするハイテク製品の需要が急増。
米国による関税を避けるための注文の前倒しも影響した。
中国からの受注は2.4%減。
4月の5.7%増から減少に転じた。
米国からの受注は40.1%増と前月の30.3%増からさらに拡大。
(兜町カタリスト 櫻井英明)