英明コラム 1月第3週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》01月 第3週
14日(火):
週末のNY株式市場で主要3指数は大幅下落。雇用統計が好調だったことでインフレ懸念が再燃。
「FRBが今年の利下げに慎重になる」との見方。VIX指数は3週間ぶりの高水準。週明けのNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。ナスダック総合は4日続落。一方、S&P500は2カ月ぶりの安値から反発。AI半導体の輸出規制強化を懸念し、エヌビディアは1.97%、マイクロンは4.31%下落。
日経平均株価は716円安の3万8474円と4日続落。終値は前週末比昨年11月29日以来、1カ月半ぶりの安値水準。日米の長期金利の上昇も相場の重荷となり、日経平均の下落幅は900円に迫る場面もあった。TOPIXは4日続落。東証プライムの売買代金は4兆5554億円。良品計画、中外薬が上昇。ファストリ、リクルートが下落。プライム市場の騰落レシオは82.31。
15日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数はマチマチの動き。終日、プラス圏とマイナス圏を往来。ナスダック総合は5日続落でサイコロは2勝10敗。12月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前年比3.3%上昇。伸びは前月の3.0%から加速。上昇率は2023年2月以来最大となった。特に前年のエネルギー製品の価格低下が計算から除外されたことが背景との解釈。12月のPPIは前月比0.2%上昇。市場予想は0.3%上昇だった。
日経平均株価は29円安の3万8444円と5日続落。一時上昇幅が300円を超えた場面もあった。TOPIXは5日ぶりに反発。東証プライム市場の売買代金は3兆8740億円と今年最低水準。ファナック、第一生命が上昇。第一三共、村田製作が下落。
16日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って上昇。主要3指数はいずれも昨年11月6日以来の上昇率となった。12月の消費者物価指数(CPI)がインフレ懸念をやや和らげる内容となったことを好感。小型株指数であるラッセル2000も1.99%上昇した。ドル円は156円台半ば。日銀植田総裁の一般的な「利上げ検討」発言に反応した格好。
日経平均株価は128円高の3万8572円と6日ぶりに反発。前日の米ハイテク株高の流れを引き継ぎ、東京市場でも朝方からハイテク株や半導体関連株が買われた。買い一巡後は外国為替市場での円高・ドル安進行などを背景に伸び悩み、午後には下げに転じる場面もあった。TOPIXは反落。東証プライムの売買代金は4兆1347億円。信越化、ニトリが上昇。トヨタ、コナミが下落。1月10日時点の信用買い残は2616億円増の4兆2269億円
17日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って下落。「前日の大幅高の反動」との解釈。モルガン・スタンレーが決算を好感して4.03%高。一方、バンク・オブ・アメリカは0.98%安。アップルが4.04%安。
日経平均株価は121円安の3万8451円と反落。トランプ次期米大統領の就任を控えたリスク回避目的の売りのほか、外国為替市場での円高・ドル安の進行も重荷。午前は日経平均の下落幅が500円を超える場面があった。午後は一方的に下げ渋り。「3万8000円接近で自律反発を見込んだ押し目買いが入りやすかった」との解釈。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は3兆9481億円。安川電、資生堂が上昇。ファストリ、任天堂が下落。
(2)欧米動向
12月のCPIは前年比2.9%上昇。
伸びは前月の2.7%から加速し。
7月以来の大幅な伸びとなった。
ただ、変動の大きい食品とエネルギー成分を除くコアCPIは、前年比3.2%上昇、前月比0.2%上昇。
伸びはともに11月の3.3%上昇、0.3%上昇から鈍化。
「物価上昇圧力が緩和されつつある兆候」と解釈された。
(3)新興国動向
中国国家統計局が発表した2024年第4四半期の国内総生産(GDP)は前年同期比5.4%増加。
市場予想の5.0%増を大幅に上回り、23年第2四半期以来の高水準。
第3四半期は4.6%増だった。
24年通年の成長率は5.0%。
政府が目標に掲げていた5%前後を達成した。
市場予想は4.9%だった。
(兜町カタリスト 櫻井英明)