英明コラム 10月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》10月第2週
7日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。NYダウは終値ベースの過去最高値を更新。ナスダック総合は1%超上昇。9月の雇用統計で非農業部門雇用者数が想定以上の伸びとなったことを好感。恐怖と欲望指数は67→74。主要3指数は4週続伸。
日経平均株価は697円高の3万9332円と3日続伸。円相場の下落を受け自動車や機械といった輸出関連株を中心に幅広い銘柄に買いもの優勢の展開。終値で9月27日以来の39000円台円台回復。石破茂首相は午後の衆院代表質問で、「デフレ脱却を確実なものとするべく、岸田内閣の経済政策についてさらに加速させ、賃上げと投資がけん引する成長型経済の実現を図っていく」と強調。
日経平均はその後上昇幅を900円に拡大する場面があった。東証プライムの売買代金は4兆4765億円。アドテスト、リクルートが上昇。ディスコ、ニトリが下落。上向きの25日線(37618円)から4.56%プラス乖離。
8日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って反落。週末の上昇をほぼ消した格好。FRBの利下げ観測が後退・中東紛争が原油価格に与える影響への懸念。グーグルがモバイルアプリ事業の全面的な見直しを求める判決が下されたことも悪材料視。大型ハリケーン「ミルトン」の週内フロリダ州に上陸予想まで警戒された。10年国債利回りは4.027%と約2カ月ぶりに4%を上回った。
日経平均株価は395円安の3万8937円と4日ぶりに反落。米長期金利の上昇(債券価格は下落)を受けた前日の米株安や中東情勢の悪化懸念が背景。香港ハンセン指数が大幅に反落。連休明けの中国・上海株式相場は買い一巡後は急速に伸び悩み。東証プライムの売買代金は3兆9410億円。アドテスト、テルモが上昇。TDK、ファナックが下落。信用倍率は6.88倍。
9日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って反発。ハイテク株への買い戻しが強まり、前日の下落分を取り戻した。エヌビディアが4.1%高と1カ月ぶりの大幅高。アップル、テスラ、メタが上昇。中国の刺激策を巡る楽観的な見方が弱まり、金属価格は下落。米上場の中国企業株も売られ、アリババ集団、京東集団、PDDホールディングスが軟調。
日経平均株価340円高の3万9277円と反発。円相場が1ドル=148円台まで下落しているのも好材料視。TOPIXは小幅続落。東証プライムの売買代金は3兆6430億円。ファストリ、セブン&アイが上昇。三井物、任天堂が下落。
10日(木):
水曜のNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。S&P500とNYダウは終値ベースで過去最高値を更新。S&P500の最高値更新は今月初。年初来では44回目。NYダウは今月4日以来。10年債入札が軟調だったこともあり国債利回りは上昇。11月FOMCで0.25%利下げ確率は83%。金利据え置きが決定される確率は17%。
日経平均株価は102円高の3万9380円と続伸。木曜は過去5連勝となった。前日の米株式市場で主要3指数がそろって上昇した流れを引き継いで買いもの優勢。149円台の円安トレンドも追い風。東証プライムの売買代金は3兆5288億円。トヨタ、三菱UFJが上昇。イオン、東エレクが下落。
11日(金):
木曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日ぶりに反落。9月の消費者物価指数(CPI)は前年比2.4%上昇。食品価格の上昇を背景に市場予想の2.3%を小幅に上回った。「2021年2月以来約3年半ぶりの小幅な伸びにとどまりFRBは11月も利下げを継続する」との観測。
日経平均株価は224円高の3万9605円と3日続伸。ファストリが前日に発表した好決算と増配を手掛かりに大幅高。ただ戻り待ちや利益確定の売りが上値を抑えた。TOPIXは3日ぶりに反落。東証プライムの売買代金は3兆7755億円と4日連続で4兆円を下回った。東エレク、フジクラが上昇。信越化、アサヒが下落。SQ値39701.93円は上回れず「幻」のまま。
(2)欧米動向
9月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比25万4000人増。
市場予想(14万人増)を大幅に上回り、過去6カ月で最大の伸び。
「うれしいサプライズ。
ただ今後の利下げペースが鈍化する可能性も示唆する」との見方。
(3)新興国動向
中国人民銀行のいわゆるPKO。
機関投資家の保有する株式や投信と国債を好感するという。
機関投資家は流動性の高い国債を担保にして株式買い増し能力を高めるという解釈。
国債ならば元手いらずの振興策になるというのだが、結構微妙なところ。
(兜町カタリスト 櫻井英明)