英明コラム 10月第2週 マーケットストラテジーメモ
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《マーケットストラテジーメモ》 10月 第2週
29日(月):
週末のNY株式市場で主要3指数は揃って4日ぶりに反発。8月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇。個人消費支出は前月比0.6%増。7月の0.5%増から加速。市場予想の0.5%増を上回った。トランプ大統領は10月1日から大型トラックの輸入に25%、ブランド医薬品および特許取得済みの医薬品に100%の関税を課すと表明。トラックメーカーのパッカーが5.2%上昇。製薬大手イーライリリーが1.4%上昇。
日経平均株価は311円安の4万5043円と続落。9月末の配当権利落ち分で300円程度下押しされた格好。下落幅は一時450円を超え、4万5000円を下回る場面があった。TOPIXは5日ぶりに反落。配当当落ちによる下押し影響は約30ポイントだった。東証プライムの売買代金は5兆1248億円。アドテスト、フジクラが上昇。ファストリ、リクルートが下落。空売り比率は40.8%。日経平均のPERは17.93倍、EPSは2512円。
30日(火):
週明けのNY株式市場で主要3指数は揃って続伸。米政府機関閉鎖の可能性を巡る不透明感やFRB当局者のタカ派的な発言がネガ材料。しかしAI成長への期待やFRBが利下げを継続するとの見方を背景にハイテク株が上昇。労働省は政府機関閉鎖となった場合、10月3日に予定されている雇用統計など経済指標の発表を停止するとコメント。エヌビディアが2%、マイクロソフトが0.6%上昇。
日経平均株価は111円安の4万4932円と3日続落。「9月期末とあって国の機関投資家から持ち高調整の売りが出やすかった」との解釈。日経平均の下落幅は300円を超える場面もあった。TOPIXは反発。9月の日経平均は月間で5.18%高。6カ月連続で上昇した。6カ月連続は2023年1ー6月以来2年3カ月ぶりの長さ。TOPIXも月間で2.02%高と6カ月連続で上昇。東証プライムの売買代金は5兆1274億円。TDK、コナミが上昇。トヨタ、出光興産が下落。信用売り残は18年ぶりの高水準で信用倍率は2.78倍。
1日(水):
火曜のNY株式市場で主要3指数は揃って3日続伸。不安定な値動きの中、主要3指数は3日続伸。月間と四半期でも上昇した。主要3指数はFRBの追加利下げに対する期待を背景にいずれも2四半期連続で上昇。S&P500とNYダウは5カ月連続、ナスダック総合は6カ月連続高。ファイザーが6.8%高。一方、ダウ輸送株指数は下落。政府機関が一部閉鎖された場合、航空管制官や保安官が無給で働かざるを得なくなるという理由。サウスウエスト航空が2.6%安、ユナイテッド航空が2%安。S&P500は月間で3.53%上昇。9月としては2010年以来最大の上昇率。四半期では7.79%上昇し第3四半期として20年以来の大幅上昇。ナスダックは月間で5.61%上昇。四半期では11.24%上昇。第3四半期として10年以来最大の上昇。NYダウは月間で1.87%上昇。9月としては19年以来最大の上昇。四半期では5.22%上昇した。
日経平均株価は381円安の4万4550円と4日続落。9月11日以来、約3週間ぶりの安値水準。「国内の機関投資家から下期や四半期入りに伴う売りが広がった」との解釈。日経平均の下落幅は600円近くまで拡大する場面があった。日銀短観で大企業製造業業況判断指数は2四半期連続で改善。日経平均の4日続落は7月下旬以来。TOPIXは反落。9月4日以来、約1カ月ぶりの安値水準。東証プライムの売買代金は5兆2869億円。中外薬、任天堂が上昇。東エレク、ファナックが下落。TOPIXは25日線(3123ポイント)を67日ぶりに下回った。
2日(木):
水曜のNY株式は揃って4日続伸。NYダウとS&P500は過去最高値を更新。米政府機関閉鎖による不透明感や民間雇用指標は市場予想を下回った。だが「ヘルスケアセクターへの買いが相場を支えた」との解釈。トランプ大統領はファイザーが関税減免と引き換えに、低所得層向けの公的医療保険「メディケイド」の処方薬価格を他の先進国並みに引き下げることで合意。トランプ大統領は他の製薬会社も追随するとの見方を示した。バイオジェンが10.1%高。フィラデルフィア半導体指数(SOX)は2%上昇した。9月のISM製造業購買担当者景気指数(PMI)は49.1。前月の48.7から幾分回復したが7カ月連続で拡大・縮小の分岐点である50を下回った。市場予想は49.0だった。
日経平均株価は385円高の4万4936円と5日ぶりに反発。半導体関連株や医薬品株に買いが集まり上昇げ幅は一時570円を超えた。TOPIXは続落。東証プライムの売買代金は5兆4768億円。中外薬、信越化が上昇。ファストリ、ニトリが下落。TOPIXは25日線(3124ポイント)を2日連続で下回った。東証グロース市場の騰落レシオは77.01(前日77.70)。日経平均は下向きの5日線(44963円)を5日連続で下回った。日経平均採用銘柄のEPSは2528円(前日2507円)。直近ピークは2月13日2564円。大商い株専有率(先導株比率)は46.0%(前日37.1%)で2月19日の48.3%以来。事業法人が26週ぶりに売り越し。
3日(金):
木曜のNY株式で主要3指数は揃って5日続伸で過去最高値を更新した。「2日目に突入した米連邦政府機関の一時閉鎖を巡る不確実性を打ち消した」との解釈。フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は終値での最高値を更新。エヌビディアやアップル、ブロードコムなど大型ハイテク株への買いが指数上昇をけん引した。テスラは5%超下落し7月下旬以来の大幅安。オキシデンタル・ペトロリアムが7.3%安。
日経平均株価は832円高の4万5769円と大幅に続伸。9月25日の4万5754円を上回り、1週間ぶりに終値ベースの過去最高値を更新。海外勢を中心とした日本株への資金流入が勢いを増した。断続的な買いが終日途切れず、ほぼ一方的に上げ幅を拡大する展開。大阪経済4団体共催の懇談会で日銀の植田和男総裁が発言。「10月利上げ観測を強める内容ではなかった」との受け止めが拡大した。TOPIXは3日ぶりに反発。東証プライムの売買代金は5兆2077億円。アドテスト、東エレクが上昇。ニトリ、レーザーテクが下落。
(2)欧米動向
8月の雇用動態調査(JOLTS)で求人件数は722万7000件。
前月から1万9000件増加した。
市場予想の718万5000件を上回った。
失業者1人あたりの求人数は0.98件と前月の1.0件から減少。
求人率は4.3%。
9月のコンファレンス・ボード(CB)9月の消費者信頼感指数は3.6ポイント低下し94.2。
市場予想(96.0)を下回った。
雇用機会に対する現状評価は9カ月連続で低下し数年ぶりの低水準。
(3)新興国動向
一部報道では中国は、米国における中国企業との取引に対する国家安全保障上の制限を緩和するようトランプ政権に圧力をかけているという。
中国側は見返りとして、米国への大規模投資計画の可能性を提示。
投資の規模について1兆ドルという数字を提示しているという。
(兜町カタリスト 櫻井英明)