話題レポート
《Eimei「みちしるべ」》
(12月20日→12月24日の週)
12月10日時点のQuick調査の信用評価損率は▲10.87%(前週▲10.83%)。
7週連続で悪化。
12月3日時点の信用売り残は840億円増の7795億円。
2週ぶりに増加。
同信用買い残は608億円減の3兆5879億円。
2週連続で減少。
信用倍率は4.60倍(前週5.25倍)。
2週ぶりに4倍台。
12月10日時点の裁定売り残は967億円減の1178億円。
3週ぶりに減少。
裁定買い残は727億円減の2841億円。
3週連続で減少。
今年の曜日別勝敗(12月16日まで)
↓
月曜26勝21敗
火曜25勝22敗
水曜20勝30敗
木曜26勝20敗
金曜25勝23敗
12月第2週の海外投資家動向。
現物27333億円売り越し(5週連続売り越し)。
先物5130億円買い越し(3週ぶりに売り越し)。
合計2396億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
12月第1週の海外投資家動向。
現物1201億円売り越し(4週連続売り越し)。
先物7069億円売り越し(2週連続売り越し)。
合計8270億円売り越し(3週連続売り越し)。
投資主体別売買動向で個人は4週ぶり売り越し(977億円)。
信託銀行は8週連続買い越し(2540億円)
東証マザーズ投資主体別売買動向(週間)で海外投資家2週ぶり売り越し(217億円)。
個人2週ぶり買い越し(183億円)
ジャスダック投資主体別売買動向(週間)で海外投資家2週連続買い越し(0.49億円)。
個人2週連続買い越し(4.999億円)。
日銀短観通過。
大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はプラス18。
9月調査比で横ばいだった。
新型コロナウイルスの感染者が減ったが、世界的な物流の混乱が続く中、エネルギー価格の上昇も重なりコストが上昇。
大企業非製造業の業況判断DIはプラス9。
6期連続で改善した。
緊急事態宣言が解除され、飲食などで客足が回復した。
資源価格の上昇を背景に石油・石炭製品の業況が改善。
ただ資源高はコスト上昇にもつながり、企業のマインドには逆風となる面もあった。
世界的な物流停滞で、半導体など部材の調達に時間がかかっている。
自動車やはん用機械は前回調査より業況が小幅悪化。
大企業製造業の業況判断DI市場予想の中央値と同じ水準。
コロナ禍の2020年6月にマイナス34まで大きく低下。
21年9月まで55四半期連続で改善を続けてきた。
大企業非製造業の業況DIは市場予想(プラス6)を上回った。
業種別では宿泊・飲食サービスがマイナス50。
9月から24ポイント改善。
レジャーや教育など対個人サービスも9月のマイナス45→マイナス9と急回復。
全規模全産業の業況判断DIはプラス2。
コロナの感染拡大後で初めてプラスに浮上した。
2021年度の経常利益の計画は全規模全産業で前期比28.0%増。
9月調査と比べ11.3ポイント改善。
21年度の想定為替レートは1ドル=109円09銭。
9月調査(107円64銭)から円安方向に修正。
設備投資計画は前期比7.9%増と横ばい。
★日経平均想定レンジ
下限27588円(12月3日安値)−上限29681円(ボリンジャーのプラス1σ水準)
中国不動産開発の世茂集団の株価が急落。
中国の不動産セクターに関する懸念が再燃。
同社の社債価格も急落した。
子会社の上海世茂も32%下落。
ただ引け後に同社は「事業は正常に運営されている」とコメントした。
売りの発端は上海で同社のマンションを購入した人が所有権の移転ができなかったという週末の報道。
ただ事の真偽は不明。
バブル崩壊の90年代の東京市場の金融・不動産・建設のセクターのデジャブみたいなものなのだろう。
それよりも・・・。
政府が悪いのか市場が悪いのかが不明な世界もある。
というよりもこの国は社会主義ですかと錯覚してしまいそうな事象ばかり。
10万円の給付にしても、中央政府の意図を地方政治が引き継いで実行する姿は不思議な光景だ。
そして金融課税強化の方向もとても自由主義国家や資本主義国家とは思えない。
昨日は「自社株買いの指針について」の可能性に首相が言及。
一律の規制には反対姿勢だが「個別判断のガイドライン」について慎重ながらも反対ではない。
民間資本で運営されている企業の経営判断に国家が規制をかけるということだろう。
「稼いだ利益がさらなる投資や従業員の給与に回りにくくなる」。
それは政府が規制することではなく、民間企業の経営判断でなければ本来いけないマター。
見かけは自由な資本主義、実体は全体社会主義という間抜けな構図を世界の投資家は見抜いているのかも知れない。
というよりも貧弱な材料を誇大に評価する一部の市場関係者。
悪材料針小棒大演出は見事だが、必ずしも踊る必要はないだろう。
東京の買い方が今頼りにしているのは業績一本。
その業績の将来に陰りがある訳ではないのだから・・・。
電子端末での指摘。
↓
日経平均株価に対するSBGとファーストリテの影響が大きいことを懸念。
この2銘柄の問題点を整理。
(1)実体経済以上に、中国の影響を受けてしまう・・・
日経平均株価採用銘柄の昨日終値時点の騰落率上位。
上昇率上位に海運株などが並ぶ一方、下落率トップはエムスリーだった。
SBGは下落率で4位、ファーストリテは8位。
それなりに下げている。
ただ下げたとしても日経平均の構成比でそれぞれ4.11%、8.41%と高い状況)。
構成比で2位の東エレは年初来で60.26%上昇しており、指数のけん引役として踏ん張っている。
日経平均は10月から算出方法が変わり、見なし額面に替わって株価換算係数で株価を調整している。
新規採用の任天堂は0.1、村田製も0.8と1以下での組み入れだった。
旧採用銘柄で見なし額面が50円だったファーストリテが1、8.33円だったSBGは6。
従来通りの高インパクトが維持されている。
戻りの鈍い日経平均の原因と不満を高める要因となっている。
NYダウように、全銘柄をそのまま足して序数(Divisor)だけで調整した方が公平だったのではないか。
大和のレポートは「干支と相場」。
↓
十干で見ると、来年は壬(みずのえ、西暦末尾が2の年)。
TOPIXは決まって軟調な年)。
この10年サイクルの背景である設備投資循環は日米で連動している。
一方中国は西暦末尾が4・5の年がボトムの様に見える。
日米と中国は設備投資循環の位相がずれている。
実は日米も貿易財で競合関係にあった時期は設備投資循環がずれていた。
現地生産をするようになってから、日米の設備投資循環は一致。
個々の壬(みずのえ、西暦末尾が2の年)の特徴。
壬(みずのえ、西暦末尾が2の年)は変動が大きい。
日経平均の平均騰落率は第一位。
勝率は同率6位だ。
景況感は末尾が1?2の年にかけて大変悪いことが多い。
壬は寅年同様に景気が後退期を含まない年は少ない。
その結果、TOPIXは10年に一度ボトムをつける傾向。
壬は相場の屈折点の前後の年。
1953 年スターリン暴落、
1961 年証券不況への天井、
1973 年オイル・ショックへの天井、
1982 年底値、
1992 年底値、
2003年ITバブルの底値、
2012 年TOPIXバブル後最安値等だ。
また、1952 年はサンフランシスコ講和条約や日米安保の発効とその後の日本の針路を決めた年だ。
1902 年日英同盟、1932 年満州国建設もその後の日本の運命を決める出来事だった。
1972 年ニクソン訪中、日本と国交正常化。
1981 年 12 月中印国境交渉 19 年ぶりに再開。
1992 年中韓国交樹立。
2001 年 12 月WTO加盟、
翌 2002 年 1 月台湾WTO加盟。
一方、十二支で見ると、寅年はほぼ必ず景気の後退期を含むさえない年。
パフォーマンスもさえない。
やはり、10年のストック調整に陥りやすいと言える。
ただし、2年程度の投資パフォーマンスを見ると最善の部類。
長期投資に適した時期と言えそうだ。
寅年は十二支別の日経平均年間パフォーマンスが大変悪い。
ほとんどの場合、景気後退期を含んでいる。
しかし、株価上は歴史的な大底がいくつもある(1950 年 74 年 98 年)。
結果、安値で買って2年後の高値で売るとすると、寅年はうさぎ年の次にパフォーマンスが良い。
長期投資に最適なエントリーの年と言えるだろう(表紙下図)。
寅年は 1950 年朝鮮戦争、
1962 年キューバ危機、
1974 年ウォーターゲート事件、
1986 年チェルノブイリ原発事故、
1998 年ロシア通貨危機、
2010 年ギリシャ危機と国際的な危機に悩まされた年。
国内政治では 1974 年田中角栄退陣、
1985~1987 年竹下派分派騒動、
1998 年橋本龍太郎退陣と自民党旧田中派には鬼門の年。
10 月安値が多く、次に夏底か。
1902 年日英同盟。
1914 年日本軍山東上陸・青島攻略。
1926 年大正天皇崩御、昭和へ。
1938 年国家総動員法。
1950 年朝鮮戦争。
1962 年日中民間貿易議定書調印。
1974 年日中航空協定調印。
1986 年アジア開発銀行に中国加盟。
1998 年中国国家主席が初来日(江沢民氏)。
「例年、12月相場が上昇展開に入るのは月後半。
2013年も2011年も12月15日時点ではマイナス展開だった。
08年も15日にプラスに転じた」。
2013年は大納会までの8日で年末高値引けを達成した。
とはいえ今年はやはりキツイかも知れない。
(兜町カタリスト 櫻井英明)