みちしるべ 22年10月17日号
兜町カタリスト『櫻井英明』が日経平均株価や株主優待、投資信託、NISAなど幅広く紹介していきます。企業訪問を中心により密着した情報も配信中です。
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話題レポート
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《Eimei「みちしるべ」》

(10月17日→10月21日の週)


10月7日時点のQuick調査の信用評価損率は▲12.09%(前週▲13.07%)。
2週ぶりに好転。
10月7日時点の信用売り残は566億円増の6968億円。
2週ぶりに増加。
同信用買い残は2295億円減の3兆137億円。
2週ぶりに減少。
信用倍率は4.33倍(前週5.07倍)。
10月7日時点の裁定売り残は1138億円増の4805億円。
3週連続で増加。
同裁定買い残は1461億円減の8889億円と1兆円割れ。
3週連続で減少。
当限は売り残が1171億円増の4379億円。
買い残が1418億円減の6892億円。
翌限以降は売り残が33億円減の425億円。
買い残が436億円減の1996億円。

10月第1週(10月3日─10月7日)の週間海外投資家動向。
現物4035億円買い越し(8週ぶりに買い売り越し)。
先物1543億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
合計5579億円買い越し(4週ぶりに買い越し)。
個人は現物4544億円売り越し。
先物2296億円売り越し。
合計6841億円売り越し。
信託銀行は現物2301億円買い越し(2週連続)。
先物1347億円売り越し。
合計953億円の買い越し。

9月第4週(9月26日─9月30日)の週間海外投資家動向。
現物5644億円売り越し(7週連続で売り越し)。
先物1兆5943億円売り越し(3週連続で売り越し)。
合計2兆1587億円売り越し(3週連続で売り越し)。
過去最大の売り越しとなった。
「先物は、米株急落を受けた売りや、配当再投資にぶつける売りが膨らんだのだろう」との見方。
個人は現物6206億円買い越し。
先物1146億円買い越し。
合計7352億円買い越し。
信託銀行は現物641億円買い越し(6週ぶり)。
先物8608億円買い越し。
合計9290億円の買い越し。
中間期末の配当落ちにからんでの商いと言う特殊要因の週だった印象。




今年の曜日別勝敗(10月14日まで)

月曜18勝17敗
火曜22勝18敗
水曜19勝20敗
木曜22勝17敗
金曜20勝17敗


9月の米CPI(季節調整済み)は前月比0.4%上昇。
8月のプラス0.1%から上げ幅が加速した。
市場予想は0.2%上昇だった。
前年比は8.2%上昇(予想8.1%上昇)。
市場予想の8.1%上昇を上回って着地。
食品とエネルギーを除くコア指数は前月比0.6%上昇(同0.5%上昇)。
前年比6.6%上昇(同6.5%上昇)。
市場予想は6.5%上昇だった。
市場の解釈は「市場予想と上回ったことからネガティブ」。
しかし前年比で5月8.8%→6月9.1%→8.5%→8.3%→8.2%とトレンドは下落傾向。
この視点が全くないのは不思議だ。
単に「市場予想が間違った」だけのことだろう。
それでも市場は「FRBの利上げは収縮しない」との解釈。
「淡い期待は砕かれた」のかどうかは疑問だし期待が間違っていただけのこと。
「市場は間違うことなく常に正しい」という傲慢な姿勢は改められていない格好だ。
おまけに「CPIがネガティブな内容となったことから買い戻しに動いた」との意味不明な解釈。
ポジティブなら(市場予想を下回っていたなら)買い戻すだろう。
しかしネガティブ(市場予想を上回り金利上昇傾向)で買い戻すかどうかは甚だ疑問。
債券市場の「売られすぎとの見方から米株価が値を戻し債券利回りは上昇一服」。
この方がまだ理解できるかも知れない。
所詮は古い指標に注目したことが間違い。
そして景気と金利の綱引き大会を開催したことの間違い。
急反発の要素はココにあるとした方がわかりやすい。
いずれ何もなかったようにCPIは気にしなくなるのだろう。
忘れやすいのも市場の特徴だ。
そして市場予想は「なんでもあり」。
事後の解釈は「なんでもありの結果論ながら意味不明」とも言える。
所詮クレヨンで説明できない解釈はクレヨン以上に稚拙なことが多い。

★日経平均想定レンジ

下限25718円(月足ボリンジャーのマイナス2σ)−上限28061円(月足ボリンジャーのプラス1σ)

相場の話は総論ばかりという気がする。
かつて「床屋政談」として揶揄したこともあるが、最近はさらにそれが進んだ。
世界政治と世界経済を気にして、特に米国動向に気を取られ足元の日本企業の未来はあまり語られない。
円安に関する議論は多いが、それが日本に及ぼす個別の影響は無視されがち。
安川電機が工場を日本に戻し、グーグルでさえ日本にデータセンターを持ってくる。
台湾のTSMCが熊本に工場を作る効用はようやく語られ始めた。
円安、そして賃金安は日本のプレゼンスを高める。
個人や消費者がどんなに苦労しようとも企業は明るい筈だ。
でもそういった各論は語られない。
ライフプランを計画し資金運用や資産運用の重要性は語られる。
でも個別投資については、あまり語られない。
個別でつまずきバブル崩壊に向かって個別銘柄の集中推奨が禁じられたという敗けもあろう。
でも頑張っても業種別の相場観測程度。
お金が大切だと言ってもその具体的活用法が語られないから隔靴掻痒。
ESGにしたってSDGsにしたって学者と運用者の論理。
「だから何?」といっても反論すらない。
総論ばかりで各論=現場の実務がないから、さらの相場は分かりにくくなる。
ここが今の一番の問題だろう。
そもそも、株も債券も下落する場面でポートフォリオ投資は正しいと思えるだろうか。

両替商と札差と一次産品先物商に席巻されてきたような格好が長く続いている。
いずれも個別の材料はあまりないから勢い視点が外に向かう。
見向きもしなったアメリカの消費者物価を突然持ち出し長らく夜の祭りの中心だった雇用統計のかがり火は鎮火。
流行りの材料を持ち出しては結論のない空理空論の時間の無駄を反復。
ひとつの餌に飽きたら、別の餌を見つけ出す。
とはいえ、海外投信への資金流入は4?9月で2.3兆円。
隣の芝生は良く見えるのだろう。
比叡山延暦寺の根本中堂に掲げられていたのは「脚下照顧」。
足元こそ大切だし、クレヨンで説明できるシナリオこそ本物だと思うのだが・・・。

(兜町カタリスト 櫻井英明)


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