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【どう見るこの相場】 決算プレーは開示・分析サイドとも10連休で忙しく
【どう見るこの相場】 決算プレーは開示・分析サイドとも10連休で忙しく
 
【どう見るこの相場】 決算プレーは開示・分析サイドとも10連休で忙しく

【どう見るこの相場】 決算プレーは開示・分析サイドとも10連休で忙しく
 
 新年度入りの業績発表とともにスタートする今年の決算プレーは、例年とは異なりかなりイレギュラーとなりそうだ。5月中旬まで続く決算発表が、今年は史上最長の10連休中は発表がゼロと中抜きされるためだ。期間中に予定されている全体の約2900社のうち、連休前の4月28日までに決算を発表する上場会社は、約9%の260社程度の少数派にとどまり、残りの約90%超が、10連休が明ける5月7日以降に先延ばしとなる。しかも全体の約45%に当たる1300社程度が13日、14日、15日の3日間に集中して決算発表ラッシュとなる。
この5月15日は、東証が上場会社に要請している決算発表の早期化の望ましい開示期限の決算期末からの30日以内ギリギリとなる。年1回の本決算開示となる上場会社の財務・IR担当者にとって、この開示期限に間に合わせるためには、10連休も返上して決算短信の集計・開示作業に悪戦苦闘することは想像に難くない。イレギュラーな対応を強いられるのは、この決算短信を分析するサイドの投資家も変わらない。これまでのアノマリーでは、早期に決算を発表する上場会社は業績好調組、決算発表が遅い上場会社は業績不振組とほぼ色分けできたが、15日からの3日間は、これが混然一体となって発表されてくるのである。これを即座に「売り」、「買い」、「見送り」などと投資判断するのは至難の技で、できれば、ここから分析のためにさらに10連休のアドバンテージが欲しいところである。
 
 このイレギュラーな決算発表一つとっても、そこから何が浮かんでくるか?働き方改革への強い関心である。10連休中に滞った業務が連休明けにドッと押し寄せ、ホワイトカラーの業務の自動化・効率化、生産性の改善が迫られることを改めて認識するのは間違いない。史上最長の大型連休が、逆に働き方改革のいっそうの進化を迫る皮肉な結果である。働き方改革関連法が、今年4月1日に施行されて約1カ月、10連休明け後の5月7日から関連株の見直し、再人気化が進む相場展開も想定範囲内となる。
 
 この予兆は、すでに前週末12日にあった。チームスピリット<4397>(東マ)のストップ高である。同社株の直接の買い手掛かりは、4月11日に発表した株式分割(基準日5月31日、1株を2株に分割)だったが、同時発表の働き方プラットフォーム「Team Spirit」のUSEN−NEXT HOLDINGS<9418>(東1)への導入もそれに劣らず大歓迎された。同プラットフームは、労働時間や休暇を管理する勤怠管理システムはもちろん、働き方の可視化、働く人の活動情報(ビッグデータ)を分析できるなどの幅広い機能を搭載しており、この導入企業がすでに1100社を超え、関連法の施行とともにさらに導入加速となる期待を強めた結果である。
 
 新元号「令和」への改元と併行してスタートする10連休が、働き方改革関連法の施行とともに勤怠管理システム株への追い風を膨らませ、チームスピリットを追撃する高成長セクター誕生の可能性を強めることになるとすれば、業務を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)株を含めてポスト10連休を睨んで働き方改革関連株へのマークは怠れない。
 
■勤怠管理システム株はストップ高のチームスピリットを追撃余地
 
 勤怠管理システム株でチームスピリットを追撃する一番手、二番手は、マネーフォワード<3994>(東マ)とサイボウズ<4776>(東1)だろう。マネーフォワードは、国内証券が新規に強気の投資判断や目標株価でカバーを開始したことから年初来高値追いとなり、サイボウズは、50%超の好調な伸びが続く月次動向をテコに12年半ぶりに1000円大台を奪回した。両社株に次いでリンクアンドモチベーション<2170>(東1)、パイプドHD<3919>(東1)、エイトレッド<3969>(東1)、ピー・シー・エー<9629>(東1)なども要注目となる。
 
 またタイムレコーダーのリアル型からネット型・クラウド型に進化しているアマノ<6436>(東1)、マックス<6454>(東1)、テクノ・セブン<6852>(JQS)も意外性があり、10連休前に発表されるアマノとマックスの3月期決算がクローズアップされる可能性もある。
 
■RPA関連株も幅広く実質最高値更新のRPAHDと同様にビジネスチャンスを拡大
 
 人工知能(AI)とロボット技術を融合させて定型的な事務作業を自動化・効率化するRPA関連株も、働き方改革のもう一つの大きな関連セクターとなる。社名にRPAを冠するRPAホールディングス<6572>(東1)は、昨年3月に東証マザーズに公開価格3570円で新規株式公開(IPO)され1万4280円で初値をつけたあと、2019年2月期業績の2回の上方修正、株式分割(1株を5株に分割)、東証第1部への市場変更と好材料が続き、前週末12日には株式分割権利落ち後高値4035円まで買い進まれ、株式分割を勘案すると実質2万0175円と上場来高値を更新した。きょう15日に発表を予定している2月期決算の動向に関心が高まりそうだ。
 
 RPA関連株は、主力株の野村総合研究所<4307>(東1)、NTTデータ<9613>(東1)に次いでブレインパッド<3655>(東1)、豆蔵ホールディングス<3756>(東1)、NTTデータイントラマート<3850>(東2)、オービックビジネスコンサルタント<4733>(東1)、ベイカレント・コンサルティング<6532>(東1)、クレオ<9698>(JQS)、さらにRPA導入の技術セミナーを積極開催しているクレスコ<4674>(東1)などと幅広く、ビジネスチャンスを拡大、株価も好展開、RPAHDを追撃することが想定される。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media−IR)
 
 


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